ユニバーサルレイアウトとは?実例と導入時に注意すべきこと
ノウハウ 2023.10.04

オフィスの「座席」の配置について、多くの方が「島型の対面式レイアウト」を連想するかもしれません。この形式では、部署や課のリーダーが全体を監視できる位置に座ることが特徴です。しかし、新型コロナウイルスの影響を受けて、オフィスの座席配置は変わりつつあります。

ここでは、ユニバーサルレイアウトを採用する際の要点やそのメリット、注意点、そして適用する際のヒントを説明します。

 

多機能な「ユニバーサルレイアウト」

ユニバーサルレイアウトとは、一貫性を持たせてデスク椅子を配置するオフィスデザインのアプローチを指します。このデザインは、役職や業務の内容によって席が変わらず、従業員は自由に利用できる席を選べる特徴を持っています。

「島型の直面式レイアウト」は、長らく日本の企業で主流であり、部門ごとに席がグループ化され、リーダーが中心に配置されるスタイルを指します。しかし、近年、「ユニバーサルレイアウト」が普及し始め、プライベートルームとオープンスペースを組み合わせる企業も増えています。

ユニバーサルレイアウトの独自性は、席がオープンであり、従業員が自由に座ることができ、役職によって席が変わらない点にあります。一方、フリーアドレスは席の予約や登録が必要なオフィスデザインのアプローチであり、ユニバーサルレイアウトとは異なります。

 

オープンなレイアウトが魅力

ユニバーサルレイアウトの主な特徴は、個別の上司専用席が存在せず、席がオープンな配置になっている点です。このデザインは、オープンなコラボレーションを奨励し、従業員の柔軟性を高めることを目的としています。

逆に、'島型の直面式レイアウト'は、各部門やチームが独自のデスクのグループを形成し、リーダーが中心的な位置に座るスタイルです。これにはプライバシーが向上する利点があるかもしれませんが、他の部門との交流が難しくなることも懸念事項です。また、デスクの移動や電話ラインの変更などが必要になると時間がかかる欠点もあります。

ユニバーサルレイアウトを取り入れることで、席を一直線に配置し、スペースを最適化し、家具の標準化によりコスト削減が期待できます。組織の変更や人事異動があった際も、席の移動が容易であるため、その労力が少なくなります。文書のデジタル化や文書管理システムの導入により、更なる経費削減も期待できるでしょう。ただし、ユニバーサルレイアウトの注意点として、個人のプライベート空間が確保しづらくなることが挙げられます。個人の収納スペースが限られ、共有の書庫スタイルが主流となります。

 

フリーアドレスとの比較

ユニバーサルレイアウトは「デスクの配置方法」を指し、一方、フリーアドレスは「席の利用方法」を指します。具体的な差異は以下の通りです。

 

ユニバーサルレイアウト(デスクの配置方法):デスクがオープンで均等に配置されているデザイン

  • 席の配置はオープンで、役職や部署による席の固定はない
  • 人事異動や組織の変更に応じた配置の変更が容易
  • コスト削減が見込める

 

フリーアドレス(席の利用方法):個別に指定されたデスクが存在しないデザイン

  • 従業員は毎日異なる席を選ぶことができ、席の固定化はない
  • ソーシャルディスタンスの確保が容易
  • ユニバーサルレイアウトを採用しながら、席の固定化を行わないスタイルでフリーアドレスとして運営することも可能

 

それぞれの特性を理解し、自社に最適な方法を選択しましょう。

 

ユニバーサル配置は変動性の高いオフィスでの選択として良い

組織の動きが頻繁だったり、他の部署との協働が多い場合、企業でのユニバーサル配置の導入が効果的です。こちらでは、ユニバーサル配置の採用が推奨される3つの理由を紹介します。

 

変更するレイアウトの心配がない

ユニバーサル配置は、組織の急な変更や業務の変動に迅速に適応することができる点がポイントです。社員の位置変更が主体のため、持ち物だけの移動で対応可能であり、コストや時間の効率化が見込めます。

 

備品や個人の持ち物の取り扱いが楽

ユニバーサル配置によって、備品や個人の物の管理が効率的になります。同じタイプのデスクや椅子を使用するため、追加や補充も容易です。キャスターが付いている収納やキャビネットを用いれば、物の管理も簡単です。全体の動きは最小限で済むため、時間も節約できます。

 

他の部署との対話がスムーズに

座席が部署別に固定されていないので、席の配置をフレキシブルに変えることができます。例えば、「今回は○○チームのプロジェクトと合同で、隣同士の配置にする」など、プロジェクトに基づいた座席変更が可能なので、部署間の連携もスムーズに行えます。

 

ただし、団結感が希薄になる可能性も

ユニバーサルレイアウトの注意点として、チームの団結感が希薄になるリスクが考えられます。具体的には、以下のような点で不都合を感じることが考えられるので、細かく検討することが必要です。

  • 部署が明確でない: ユニバーサル配置では、どの社員がどの部署に所属しているのかが一見して判断しづらく、組織全体の透明性が低下する可能性があり、マネジメントの課題も生まれることが考えられます。
  • 役職に応じた座席の提供が難しい: 部署内での座席が分散してしまうと、島型配置のように即座の対話が難しくなるケースもあります。また、急ぎのミーティングが必要な際に、メンバーを探して移動するシーンなどが予想されます。特定の部署や業務内容によっては、コミュニケーションの効率が落ちてしまう可能性も生じます。

これらの問題を解決するためには、以下の対策方法が考えられます。

  • 日常的なコミュニケーションを重視する: チームメンバー同士のコミュニケーションを促進し、相互理解を深めるために積極的な努力が必要です。例えば、定期的なチームミーティングやフィードバックセッションを実施することが役立つでしょう。
  • 打ち合わせ用のスペースを設ける: ミーティングや協力プロジェクトのために、特別なスペースを提供し、迅速かつ効果的なコミュニケーションを支援することができます。

 

実際の導入例を参考に!ユニバーサル配置の導入の秘訣

次に、ユニバーサルレイアウトの導入のポイントを2点、具体的な事例を基に紹介します。

オフィスの家具は統一感を持たせる

デスクや椅子は、できるだけ同じデザインで統一することが良いです。全ての社員に同等の作業環境を提供することができる上、キャスターを持つ収納を利用すれば、移動も簡単になります。

あるテクノロジー企業のオフィスでは、ユニバーサル配置を導入し、オフィス家具を統一感のあるデザインで組み合わせています。デスクと椅子は同じメーカーのもので、中性的な色合いで統一されています。統一することで、全ての社員に均等な作業環境を提供するだけでなく、オフィス内の視覚的な一貫性を確保しています。また、オフィス内にはコミュニケーションエリアが設けられ、異なるデザインのソファとコーヒーテーブルで区切られています。このエリアは社員がリラックスし、会話やブレインストーミングを行う場所として活用されています。ユニバーサル配置により、席の固定化は行われず、社員は毎日異なる場所で作業する自由を持っています。これにより、オフィス内でのコラボレーションとクリエイティビティが促進されています。

 

共同作業エリアの設置

ユニバーサルレイアウトを導入する際、コラボレーションエリアの設置が重要です。あるベンチャー企業の例では、オープンスペース内に共同作業エリアを設け、異なるデザインの家具を組み合わせています。このエリアはプロジェクトチームや部署間の協力プロセスをサポートし、クリエイティブなアイデアの共有を促進しています。

しかし、共同作業エリアがオフィス内の席から離れすぎると、コミュニケーションが難しくなる可能性があります。したがって、メンバーが簡単にアクセスできる位置にコラボレーションエリアを配置することが大切です。このようなエリアは、即座のブレインストーミングやプロジェクトミーティングに適しており、効果的なコミュニケーションを確保します。

 

まとめ

今回の記事では、ユニバーサルレイアウトに関して詳しく説明しました。これまでの「島型対向レイアウト」を「ユニバーサルレイアウト」へと変えることにより、多くのメリットが生まれます。

しかし、部署毎の区分けが明確でない、あるいは特定の役職用の席が設定できない時は、コミュニケーションや部署の取りまとめが難しくなることがあります。ユニバーサルレイアウトの長所と短所をきちんと把握し、社員のフィードバックを適切に取り入れることが、良好な職場環境の鍵となります。また、ユニバーサルレイアウトを採用する際には、柔軟な作業環境を提供しながらも、必要な場合に特定の役職用の席を確保する方法を検討することも重要です。これにより、部署の機能や特定のニーズをサポートでき、最適なバランスを見つけることが可能となります。

 

 

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