ワーケーションの導入によるデメリットとは? 負担を軽減するためのアドバイス
ノウハウ 2023.10.04

「ワーケーション」は、ワークとバケーションの融合した新たな働き方のスタイルを指します。

リゾート地での休暇を楽しむ中での労働が可能であり、この新しい働き方が、労働者のストレス軽減や創造性の向上から、テレワークが広まる中で多くの企業に導入されています。「新しい働き方として導入を検討中」の企業も存在することでしょう。ただ、ワーケーションにも幾つかのデメリットが存在し、軽率に始めると、うまくいかない危険性もあります。

この記事では、ワーケーションの利点を最大限に活かすためのデメリットと対策、そして、ワーケーションを成功に導く秘訣についてお伝えします。

 

 

ワーケーション開始時の問題点

ワーケーションは、従来の仕事の進行とは異なり、企業のポリシーやトレーニングも重要となってくるでしょう。このような施策やシステムの導入には、費用が発生します。

以下では、ワーケーション導入の3つの問題点について説明いたします。

 

勤怠の管理が困難

勤怠の管理の困難さは、ワーケーションの一つの大きな問題です。従業員がオフィスで働く場合、誰が出勤しているかは容易に確認でき、労働時間も簡単に管理できます。

しかし、ワーケーションの場合、従業員が離れた場所にいるため、実際に仕事をしているかどうかの確認が難しくなります。

また、従業員が規定の労働時間を超えて仕事をしてしまう可能性もあり、「バケーション」の一環としての効果が低下してしまうこともあり得ます。そのため、新しい勤怠管理システムの導入や、従業員の労働時間を正確に把握するための新たな取り組みが必要になります。

労働時間の柔軟な調整を可能にするためにも、フレックスタイム制の導入などが考えられます。これらの施策や環境を整えるには、相応の時間と費用が必要となるでしょう。

 

公正な人事評価が困難

公正な人事評価の実施の困難さも、ワーケーションのデメリットです。従業員が目の前にいれば、業務の態度や進行、工程等が容易に理解できます。

しかし、ワーケーションでは従業員が遠隔地で業務を行うため、その態度や業務プロセスを直接観察することは出来ません。そのため、成果物以外の部分、例えば努力や態度が見えにくくなり、評価が難しくなるのです。「適切に評価されない」という感情が生まれれば、従業員の退職を引き起こす可能性もあります。

このような問題を解決するためには、ワーケーション特有の人事評価基準の設定が必要となりますが、これには大変な労力が必要となるでしょう。

 

情報流出のリスクが増加

ワーケーションでは、情報流出のリスクが増大するという問題も発生します。オフィス環境であれば、企業が中心となってセキュリティ対策を講じることができます。

しかし、ワーケーションの場合、セキュリティの確保は従業員個人に依存します。以下のような従業員の行動が情報流出の原因となる可能性があります。

  • 機密情報が漏れやすい場所での閲覧
  • PCやUSBメモリの紛失
  • 不安全なWi-Fiに接続し、ウイルス感染

ウイルス対策ソフトの利用やセキュリティに関する研修の提供により、従業員のセキュリティ意識を向上させることが重要です。

 

 

ワーケーション導入のメリットも注目に値する

ワーケーションは勤怠管理の課題や、セキュリティのリスクが伴うなど、企業において重要なデメリットが存在します。しかし、成功に至った際の利点や効果は無視できないものとなっています。

ワーケーションが成功した場合、どのようなメリットが生まれるのかをご紹介します。

 

ワークライフバランスの達成が見込める

ワーケーションの成功利点として大きいのは、ワークライフバランスの達成であります。ワーケーションの採用により、より有給休暇が取得しやすくなり、リフレッシュする機会も増え、プライベートも充実します。

 

有給休暇の取得が促進される

ワーケーションの導入により、従業員はより自由に、自らの判断で働くことが可能となります。オフィス勤務時と異なり、他人の視線を気にする必要が薄れます。これにより、「周りの目を気にして有給が取りにくい」と感じていた方も、気軽に有給休暇を取得できるようになります。

結果として、有給取得率の向上とワークライフバランスの充実が期待できます。

 

リフレッシュが容易になる

従来の労働形態では、オフィス勤務を考慮しながら旅行の計画を立てる必要がありました。しかし、ワーケーションの採用により、リゾートや実家近くなど、様々な場所から仕事が可能となります。オフィスへの出勤が不要となるため、より柔軟なスケジュールが組めます。

これにより、余裕を持ったプライベートタイムを楽しむことができ、従業員のリフレッシュも促進されます。

 

従業員の満足度の向上が可能となる

ワーケーションが成功すれば、ワークライフバランスの実現により、従業員の満足度も向上します。従業員の満足度が向上すると、どのようなポジティブな影響が生まれるのか、ここで解説いたします。

 

メンタルヘルスのケアが可能に

ワーケーションにより、リゾートなどでの労働が可能になると、仕事の合間に自然を楽しんだり、リラクゼーションの時間を持てます。定期的なリフレッシュで、仕事のストレスも軽減され、メンタルヘルスの保持が容易になります。ストレスフリーな労働環境が整うことで、従業員の満足度も更に上がるでしょう。

 

離職率の軽減が期待される

ワーケーション導入によって、オフィス勤務を気にすることなくスケジュールが組めるようになります。これによって、仕事と休暇のバランスが取りやすく、働きやすい環境が整います。従業員の満足度が高まると、それが離職率の低下にも寄与します。

 

採用時の強みとなる

ワーケーションの導入は、採用のフェーズにおいても大きな強みとなります。多様な働き方が求められる現代において、「従業員の働きやすさを重視する企業」であることがアピールポイントとなります。

ワーケーションやテレワーク、裁量労働などの選択肢が豊富であると、多くの求職者の注意を引くことができます。「より良い労働環境を求める」優秀な人材の獲得と保持にも寄与するでしょう。

 

 

ワーケーション導入の成功へ向けてデメリットを最小限に

ワーケーションは社員の満足度を高める一方で、勤怠の管理や人事の評価が複雑化するデメリットも存在します。

軽率に導入すれば、混乱が生じてしまい、失敗の危険があるため慎重さが求められます。導入の取り組みが無駄にならないよう、成功に導くための秘訣を理解しておくとよいでしょう。

 

勤怠管理の仕組みを構築する

ワーケーションを上手く運用するためには、多様な労働スタイルを考慮した勤怠管理体制の構築が不可欠です。既存の勤怠管理では、新しい労働スタイル如くテレワークやワーケーションを適切に管理できません。これにより、社員が業務を怠けやすくなったり、過労に陥ったりすると、生産性が低下します。

新しい勤怠管理システムの採用や、出退勤の報告ルールの明確化など、新しい労働スタイルに適した管理体制の構築が重要です。正式な導入前にテレワークのテストを行い、新システムやルールに順応する時間を設ければ、スムーズに導入できるでしょう。

 

人事評価の体制を整備する

ワーケーションの導入時に、人事評価体制も見直すべきです。社員の成果以外の面が評価し辛くなる可能性があります。そのため、社員が「どのように評価されるか」の目標を見失うことが考えられます。

時間当たりの目標や工数を明確に設定し、遠隔で業務を一元管理するシステムの導入など、評価プロセスを整備しましょう。

 

セキュリティ対策の強化

セキュリティの向上も、ワーケーション導入の成功のためのキーポイントです。セキュリティが不十分だと、情報漏洩のリスクが生じ、企業の信頼性が損なわれます。全ての社員が均等なセキュリティレベルを保つため、技術的かつ物理的に、以下のようなセキュリティ対策を施しましょう。

  • セキュリティ教育を実施する
  • PCにセキュリティソフトを設定する
  • 無料Wi-Fiの利用を制限し、ポケットWi-Fiを提供する
  • VPNを使用して暗号化し、多要素認証を利用する

「これぐらいで大丈夫」と考えず、定期的にセキュリティの状態を確認することが重要です。

 

 

まとめ

ワーケーションは、ワークライフバランスの達成や社員満足の向上などの利点がありますが、一方で、勤怠の管理の困難や人事評価の複雑化などの欠点も存在します。導入にあたっては慎重に考慮する必要があります。勤怠管理体制や人事評価体制の見直し、セキュリティの強化など、適切な準備をする必要があるからです。

働き方の多様化に伴い、オフィス環境の整備も進めたい場合は、UNION TECまでお気軽にお問い合わせください。

 

【OFFICE】会社・サービス案内

オフィスの企画・設計デザイン・施工サービスの案内資料です。ミッションや役員紹介、売上推移などの会社情報や、ワークスペースプロデュース〜デザインの考え方やコンセプト、こだわり、私たちの強みを網羅的にご紹介しています。

無料ダウンロードはこちらから

 

【オフィス移転の最強ガイドブック】なかなか聞けないコスト削減ポイント

オフィス移転を考えているすべての企業の皆様の一助となるべく、業界人しか知らない裏事情や知っておかないと損してしまうようなポイントを詳しくまとめました。

無料ダウンロードはこちらから

 

【サービスの流れや詳しいタスクを知りたい方必見!】オフィス移転の物語

「オフィス移転が初めて!」という担当者の方、経営者の方必見!ご提案までの間私たちが考えていることや、工事はどういうふうに進んでいくのか。この機会に、ぜひご一読ください。

無料ダウンロードはこちらから

ご相談は
こちら