テレワークの普及が進む中、多くの企業がこの新しい作業スタイルを採用しています。これには、効率的な作業プロセスや多様な労働環境への需要が高まっていることが大いに影響しています。テレワークを初めて取り入れる企業や個人は、どのようにして最適な作業環境を築けばいいのか、どのようなアイテムが必要なのかを検討しているかもしれません。
この記事では、テレワーク向けの効果的な自宅環境の整備法と、快適なレイアウトやアイテムの選び方を詳しく説明しますので、是非ともご一読いただき、参考にしていただければ幸いです。
テレワークは、「Tel(離れて)」と「Work(仕事)」の組み合わせから生まれた言葉で、情報通信技術を活用して働く新しいスタイルを意味します。主に、在宅勤務、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務の3つの形態に大別されます。サテライトオフィス勤務は、主要オフィスから離れた場所での作業を意味し、モバイル勤務は、自宅やサテライトオフィス以外での業務を指します。
今回、焦点を当てるのは、自宅での業務、すなわち在宅勤務です。ここでは、なぜ在宅勤務において効果的な環境整備が重要なのか、具体的に解説します。
オフィスでの業務と同様の効率で作業を進めるためには、計画的に作業環境を整える必要があります。特に在宅勤務では、私生活の空間が視野に入りやすく、集中が途切れがちになるためです。適切なアイテムやツールが整っていないと、業務進行において障害が生じ、心身にも負担がかかります。不適切な家具を長時間使用すると、健康にも悪影響を与えかねません。
適切なワークスペースの確保と、オフィスに近い条件の整備は、スムーズな業務遂行のための重要な要素です。
テレワークの導入に際して、企業が最も重視するポイントは、オフィス勤務時と同じレベルの生産性をどう保持するかです。
自宅は休息とリラクゼーションの場であり、高度な集中や適度な緊張感を維持するのは難しい場合があります。家族が同居しており、家事や育児を行っていると、業務への集中が妨げられる可能性があります。また、上司や同僚との物理的な距離によってコミュニケーションが希薄になり、仕事の緊張感が失われる懸念もあります。
オフィスと等価値の成果を出すためには、テレワークに特化した環境の整備が欠かせません。
テレワークの際も、適切に環境が構築されているならば、オフィスでの作業と同等の効率性で業務を進めることが可能です。
以下では、テレワークにおいて絶対に確保すべき環境について、より詳細に説明します。
最初に、基礎となる作業環境を整えることが大切です。厚生労働省からは、テレワークを適切に導入し、実行するための必要な環境整備についてのガイドラインが提案されています。
このガイドラインには、以下の5つの要点が挙げられています。
さらに、デスクやチェア、パソコンについては、情報機器ガイドラインにおいて、更に詳細な指示が示されています。これらのガイドラインと指示に従い、業務の効率と快適性を向上させることが可能です。
独立した一室をワークスペースとして設定できれば、より一層快適な作業環境を築くことができますが、全ての方が専用の部屋を設けることができるわけではありません。そこで、リビングやダイニングの一部を効果的に活用し、そこに作業スペースを確保しましょう。生産性の向上に繋がるような心地よい作業スペースをつくりましょう。
テレワークをするスペースとポイントは以下の通りです。
テレワークを行う際、オンラインミーティングの機会が増えます。最新のコンピューターやタブレットには、マイクやWebカメラが標準で組み込まれていることが一般的で、基本的にはオンライン会議は可能です。
しかしながら、機器のモデルによっては、画質の粗さや音声の拾いづらさといった問題が生じることがあります。これらのトラブルを避け、オンラインミーティングをスムーズに進行させるためには、以下のアイテムが推奨されます。
これらのアイテムを適切に選定し、使用することで、オンライン会議はよりクリアで、効率的なコミュニケーションの場となります。
もし自宅に作業に適した家具が見当たらない場合、ダイニングテーブルやチェアを活用するのも一つの方法です。しかし、より効率的かつ快適に仕事を進めるためには、テレワークに適した家具を配置することが望ましいです。長い時間、適さない家具を利用していると、身体に不必要な負荷をもたらしてしまうこともあります。
一般社団法人日本オフィス家具協会の推奨によると、デスクの適切な高さは72cmです。ただし、個人の身長や体格によって、最適なサイズは異なるため、実際に座って作業をしてみて適切な高さを見つけましょう。調整可能な高さのデスクを選ぶと、通常のチェアだけでなくソファでの作業も便利になります。多くのデザインの天板が利用可能なので、L型やI型等、部屋のレイアウトや他のインテリアに合わせて選べます。
機能性が高いチェアは、正しい姿勢を保ち、腰痛の予防にもなります。機能が多いほど価格が高くなりますので、必要な機能を慎重に選定しましょう。
テレワークの成功のためには、安定したインターネット環境の構築が欠かせません。企業によっては、社員にWi-Fiルーターの提供をしていることもあるので、事前に会社の方針を確認しておくと良いでしょう。個人でインターネット環境を整える際、主に光回線と無線回線のいずれかを選ぶことになります。これらのオプションはそれぞれに特性があるため、メリットとデメリットを理解して、最も適切な選択をしましょう。
テレワークをする際には、物理的な環境だけでなく、デジタルな環境も整えることで、より快適で効果的な作業が実現できます。各自のニーズに合った選択をしましょう。
デスクのレイアウトによって、テレワークでの作業が格段に快適になります。効果的でテレワークに適したデスクレイアウトの種類をいくつかまとめます。
I型レイアウトは、デスクを正面に、壁向かいに配置するスタイルで、この方法はしばしば「壁付け型」とも言われます。視界に不要な要素が入り込まないため、集中して業務を遂行しやすいのが特徴です。このレイアウトでは、基本的にはデスクとチェアのスペースのみを確保すればよいので、限られたスペースでも実現可能です。
自然光を活かして作業をしたいと考えるならば、デスクを窓側に設置するとよいでしょう。ただし、日差しの強さによっては、ブラインドやレースカーテンの使用で、光の量をコントロールすることが可能です。
L型レイアウトでは、部屋の角を利用し、デスクをL字に配置します。このレイアウトには、2つのI型デスクを組み合わせる方法もあります。角を有効利用できるため、作業エリアと収納エリアを広々と取ることができ、これが大きな魅力となっています。
L型デスクは、その構造上、部屋が狭く見える可能性がありますが、デスク上に置くアイテムの配置を工夫することで、作業効率は大いに向上します。デスク間を移動する際の利便性を考慮し、キャスター付きの回転チェアの採用を考えてみてもよいでしょう。
アイランド型レイアウトは、その名前が示す通り、壁からデスクを離し、中央に配置することで開放感を生み出す配置法です。このレイアウトの最大のメリットは、どの形状のデスクにも適応可能であることです。
デザイン性に優れたデスクを選べば、空間がより洗練され、魅力的に見えます。近くにコンセントがない場合は、延長コードが必須となります。デスクを動かす時には、配線に特別な注意を払いましょう。
もし配線が気になる場合は、配線カバーや配線ボックスの使用で、スペースを整理整頓できます。開放的な空間では、不要な物が視野に入り易くなります。生活空間や作業と関係ない物が目に入らないように、また集中を保てるように、デスクの向きや配置について工夫が必要となります。
コロナ禍以降、テレワークをより楽しく、快適に進めるためのアイテムが多岐に渡り登場しています。ここでは、テレワーク中に特に役立つ、助けになるアイテムたちを詳細にご紹介いたします。
特に限定された空間や特定のレイアウトで、労働スペースと私的なスペースを分けるのが困難な状況の際、パーテーションの活用が考えられます。パーテーションにより、生活スペースが視覚的に隔てられることで、仕事に没頭しやすくなります。
デスクに簡単に取り付けられる卓上スタンドタイプは、特に手軽で便利な選択肢となるでしょう。軽くて装着が容易なものや、高さを複数段階で調整可能なものなど、選択肢も様々です。
オンライン会議の際には、パーテーションを背景として使うことで、自宅の背景を見せずに済むことができます。様々なサイズやカラーがありますので、ご自身のニーズや好みに合わせて選んでください。
モニターアームの存在によって、ディスプレイの角度や位置が自由自在に変えられ、より快適な作業環境が築けます。デスクの配置によって、日の移動に伴いディスプレイが見辛くなることもあります。更に、ノートパソコンを使用する際は、向下の作業姿勢が続き、首や腰に負荷がかかることが一般的です。そのため、モニターアームはこれらの問題を軽減し、作業効率を向上させるのに役立つアイテムと言えるでしょう。
購入の際には、「VESA規格」が適合しているかを確認する必要があります。これは、アームを取り付ける際のネジ穴の位置を標準化した国際規格で、適合しない場合はディスプレイにアームを取り付けることができませんので、注意が必要です。
テレワークでは、ほとんどの業務を座って行うため、背中や腰に負担がかかり易いです。このような身体への負担は、長時間にわたって業務効率に影響する可能性がありますので、これを軽減する工夫が不可欠です。この点で、クッションの利用が強く推奨されます。
クッションには低反発、ゲルタイプ、多用途ベーグルクッションなど様々な素材やタイプがあり、それぞれに特性がありますので、何を重視するかによって選ぶべきクッションが異なります。ご自身のニーズや快適さを基準に、最適なものを選びましょう。
最後に、テレワークについて頻繁に聞かれる疑問についても少しご紹介します。
テレワークを進行する中でインターネット回線を利用する場面では、フリーWi-Fiの利用はできる限り避けていただくのが良いでしょう。フリーWi-Fiは、他の利用者からの不正アクセスやウイルスの危険性が増すためです。特に、パスワードの不要なものに関しては、セキュリティのリスクが高まるので特に注意が必要です。いくつかの企業では、自社提供のWi-Fi以外の使用を制限、あるいは禁じていることがあります。企業の方針やマニュアルをよく確認し、遵守してください。
安全なネットワーク接続を確保するために、VPNの利用を考慮するのも一つの方法です。VPNは、インターネット上に仮想的なプライベートネットワークを構築するサービスで、専用の通信ルートを確立することで、情報漏洩のリスクを低減できます。
オンライン会議中にプライベートな生活空間が映り込まないようにするためには、以下3つの方法を考慮してみてください。
デスクを壁際に配置する、または、背後にパーテーションを設置することで、視界からプライベートな空間を遮断できます。さらに、多くのオンライン会議ツールでは、「背景設定」機能を用いて、デフォルト画像やお好みの画像を背景として設定できます。
リモートワークによる肩こりや腰痛を避けるためには、自分の体格に合ったデスクやチェアの選定が重要です。デスクの高さについては、日本オフィス家具協会の推奨する72㎝が基準となりますが、それでも個人の体格に合わせて適切な調整が必要です。標準的な高さ72㎝のデスクに対して、チェアの座面の高さは42〜45cmが適切です。
多くの商品では、デスクやチェアの高さ調整が可能です。クッション、モニターアーム、ノートパソコン用のスタンドなどを効果的に利用し、体への負担を軽減する工夫をしましょう。
多様な働き方が進み、コロナ禍後もテレワークを継続している方もいらっしゃると思います。テレワーク環境を快適に構築するために、まず始めに自分にとって必要不可欠なアイテムが何かを明確にし、整理しましょう。
効率的に作業を進め、心身のストレスを軽減するためにも、アイテムの機能性や使いやすさは非常に重要です。新たに何かを購入する必要がある場合、ホームセンターや家電量販店で商品を直接確認し、選定することも良い選択となります。もしワークスペースとして個室を用意できない場合でも、生活空間が視界に入らないようなレイアウトに工夫すると良いでしょう。
テレワークを始めるにあたって、オフィスでの作業と同様にスムーズかつ効率的に業務を進められるよう、適切なリモートワーク環境の整備を検討し、構築することをお勧めします。
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