労働生産性とは?向上させる5つの手段と算出方法を説明
ノウハウ 2023.10.04

労働生産性とは、1人の労働者や1時間の労働によって達成される成果の定義です。同じ人数や時間の労働であっても、生産性の高い組織はより多くの成果を得ることが可能です。

労働人口の縮小が進む昨今、優秀な人材を獲得するのは一層難しくなっています。国際的なビジネスの拡大に伴い、国間の競争も厳しさを増しています。そのような背景の中、労働生産性を向上させ、アウトプットを増大させることが求められます。

この記事で、労働生産性を高める方策を展開します。

 

労働生産性の分類

労働生産性は、投入となる量に対する産出量の比率として定義されます。大きく2つのカテゴリに分けられます。

 

物的労働生産性:製品量や売上額が指標

物的労働生産性は、成果としての生産量や売上額を基準とする労働生産性のことを指します。一定の労働時間内で、より多くの商品を生産し、さらに多くの販売ができれば、その生産性は高いと言えるでしょう。

 

付加価値労働生産性:付加価値の金額を基準に

付加価値労働生産性は、成果を付加価値の観点から捉える労働生産性のことです。付加価値は、粗利益に似た概念で、売上からコストを除いたものを指します。高額な人件費がかかる状況では、付加価値労働生産性が下がる可能性も考えられます。

 

労働生産性の算出法

労働生産性を上げるためには、まず現在の自社の労働生産性を正確に計算し、現状の把握が必要です。ここで、物的労働生産性と付加価値労働生産性の計算法について、それぞれ解説します。

 

物的労働生産性の算出方法

物的労働生産性は、「生産量÷投入量」の式で計算します。しかし、参考とする投入量の定義によっては、さまざまな計算方法が考えられます。

生産量÷従業員数

もし投入量を労働時間で見るならば、この計算式を用いて1時間あたりの生産性を算出します。

生産量÷従業員数×勤務時間

また、資本に対する生産性を知りたい場合は、次の式を使用します。

生産量÷資本の総量

全体的な視点で物的労働生産性を確認する場合、全要素の生産性は次のように計算します。

生産量÷(労働+資本+原料)の総投入量

この際、生産量は製造されるアイテムの数や重さなどの物的な単位で算出されます。

 

付加価値労働生産性の算出方法

付加価値労働生産性は「付加価値の総額/投入量」の式で計算します。これも、物的労働生産性と同じく、基準となる投入量に応じて、様々な求め方が存在します。

1人当たりの生産性の計算は、以下の式になります。

付加価値の総額÷従業員数

1時間ごとの生産性は、次の式で計算されます。

付加価値の総額÷従業員数×勤務時間

資本に関する生産性も、物的労働生産性と同様に以下の式で算出できます。

付加価値の総額÷資本の総量

全ての要素を加味した全要素の付加価値労働生産性は、以下の式で計算されます。

付加価値の総額÷(労働+資本+原料)の総投入量

計算時に使用する付加価値の総額は、売上から生産にかかる費用を差し引いたものを指します。

 

労働生産性の低減に繋がる7つの要因

労働生産性が低いと感じる時は、何らかのボトルネックが原因となっている可能性が高いです。このボトルネックを解消すれば、生産性は向上するでしょう。そのため、まずボトルネックの原因を特定することが大切です。

以下の要因が、労働生産性の低下に関与していないかをチェックしてください。

  1. 連日の長時間労働でスタッフが疲れている
  2. 同時に複数のタスクをこなす状態
  3. 特定の人に依存している
  4. 退職者が増えている
  5. アナログ中心の業務が主流
  6. 企業に適さないシステムの採用
  7. デスクの間隔が狭く、収納スペースが不足してオフィスが散らかっている

これらの要因を確認し、自社でどの点が当てはまるのかを見直し、生産性の低下の原因を特定しましょう。

 

生産性の高い個人の特性

高い生産性を持つ組織を築くには「人」が中心となります。生産性の低下要因を改善することで、社員のエンゲージメントが上がり、効率的な組織へと変わっていきます。労働生産性が高い人の特質を理解することは、生産性向上の手段を見つけ出すステップに繋がります。生産性の高い人は、目的を明確にし、最も効果的な方法で目標に進む能力があります。

  • 何を先にするかを判断できる
  • 集中する能力が高い
  • 情報をうまく取りまとめる(整理するスキルがある)
  • ツールを駆使して情報を一元化できる
  • 高いコミュニケーション力を持ち(特に共感する能力や心の知能指数が高い)

これらの特性を持つスタッフがいれば、生産性向上の模範として参考にするのが良いでしょう。

 

労働生産性を上げる5つの方法

今回は、労働生産性を上げるための方法をお伝えします。

 

業務手順の統一

業務が特定の人に依存していると、スタッフによって作業の手順が異なることがあり、それが全体の効率を下げることがあります。そのため、作業の手順がバラバラの場合は、手順を統一することが求められます。

労働生産性が高いスタッフの方法を共有して、全員が参照できる形で整理しましょう。これにより、全体の生産性向上が期待できます。

 

ITツールの活用

業務効率化のためのITツールの導入も強く推奨されます。たとえば、ビジネスチャットや名刺管理、タスク管理、ペーパーレス化をサポートするツールなどです。

ビジネスチャットを利用することは、メールよりも迅速に情報共有が可能です。また、デジタル情報の管理は、紙ベースの管理よりも時間の節約になります。

 

快適な職場環境の整備

スタッフが心地よく活動できるよう、勤務環境・職場のルール・評価システムの見直しは不可欠です。安心して仕事に取り組める場所で、その努力がきちんと認められれば、やる気も自然に湧いてきます。

最近、リモートワークの普及に伴い、働き方を再評価する組織が増加しています。生産性を最大限に引き出すために、オフィスの設計や配置にも心がけることが必要です。

 

アウトソーシングの適切な導入

人材が不足している時、アウトソーシングの適用を考える価値があります。外部に委託できるタスクをアウトソーシングにすることで、社内のリソースは主要な業務に特化できます。しかし、外部に委託しづらい業務もあるので慎重に検討することが求められます。

早めに主要な業務とそうでないものを明確にして、アウトソーシングのコストと効率の最適化を図ることがキーとなります。

 

社員のエンゲージメントを促進

社員エンゲージメントは企業への深い関心や信頼を示す要素です。エンゲージメントを強化する取り組みを進めることで、労働の効果性のアップが期待できます。

労働生産性をデータで明らかにし、その低い理由を解決することが、スタッフが「この会社は素晴らしい」と感じる要因を生むでしょう。効率的な取り組みを行うためには、アンケートを使用して組織の状況を理解し、特定された課題を解決するアクションを起こすことが不可欠です。

 

まとめ

全ての社員の労働生産性にはばらつきがありますが、労働条件や業務の集中化により問題が生じる場面も少なくありません。

生産性をアップするためには、業務の一貫性を保つことや、最新のITソリューションの導入等が効果的です。その上で、職場の快適性を追求し、スタッフのエンゲージメントを高める取り組みを行ってください。

 

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