オフィス移転でのコンセプトを考える際に気を付けたいこととは?
ノウハウ 2023.11.13

事業の成長に伴ってオフィス移転を経験する企業は多いと考えられます。オフィスのグレードアップは成功を実感できるものです。

オフィス移転の目的でよく見られるのは業務拡張によるものや人材の増員などですが、利便性の向上や新たなクライアントの獲得などを視野に入れた移転もあります。どのような理由を目的にした場合でも、そこにプラスアルファが見込めるものが理想的です。オフィス移転を、さらに企業が成長できるようなきっかけに変えていくには何が大切でしょうか。

 

移転することのメリットとデメリットを照らし合わせる

まず考えたいのは移転することで得られるメリットとデメリットです。

現状のオフィスに何か問題を抱えている場合には、移転することですべてがメリットになるという考えに陥ってしまうことがあります。これは移転先のデメリットを見逃してしまうことになり、危険な思考だということを覚えておきましょう。現状のオフィスに何かトラブルを抱えている場合こそ、新しいオフィスでのメリットとデメリットをしっかり照らし合わせることです。

始めに現状のオフィスにある問題点を挙げていきましょう。次に新しいオフィスで解決できる問題をひとつひとつ消していけばどれだけのメリットが見込めるか分かりやすくなります。特に問題を抱えていない場合は、移転によってさらに改善される部分をいろいろな角度から考えてみましょう。広さ、間取り、立地、そして公共機関の充実や周辺環境なども含めて総合的に判断するのです。顧客や取引先など外部の人間が訪れたときにわかりやすいかどうかも重要な判断基準になります。特に人気の地域への移転の場合はデメリットを見落としてしまうことは少なくありません。

ブランドに左右されずに自分のオフィスにどれだけメリットやデメリットがあるかを慎重に判断しましょう。

 

快適な空間を作れば仕事の効率も上がる

いくらシステム化が進んだといっても働くのは生身の人間です。環境や雰囲気でモチベーションは左右されますし仕事の効率にも影響します。中で働く人間にとって快適であることを重視したオフィスを選びたいものです。そしてそれは総合的な側面から考えて選択する必要があります。

広さや間取りはもちろん大切なポイントです。実際に業務を行う執務室では、必要な人員分のデスクが置ければそれだけでいいというわけではありません。パーソナルスペースが保たれるよう隣の人との距離感が十分取れるということも考慮しましょう。パーソナルスペースとは人間同士が近づいたときに不快と感じる距離のことです。人それぞれに異なりますが一般的には80センチ前後距離があることが望ましいとされています。他の部署や共用部分からのアプローチなど仕事をする上で効率の良い動線作りも重要です。

圧迫感がなく開放感のある空間は、人が快適と感じやすい傾向があります。会議室休憩室など間仕切りが必要なスペースは、ガラスのパーテーションなどを多用することで圧迫感を解消することができます。部署の区切りに書棚を利用するなど、広さや機能に応じた快適なオフィスの実現を考えましょう。家具や内装の色合いを工夫するのも快適な空間作りに必要です。

クリエイティブな仕事であればオフィスというイメージからかけ離れた内装もいいでしょう。

 

長期的に見て効果が出るオフィス移転にしよう

オフィス移転を決めるときに気をつけたいのは目先の条件で決めてしまうことです。

開発が始まったばかりの地域であったり完成したばかりの注目のビルであったりということが移転の理由ならじっくり考える必要があるでしょう。その時代によって人気の地域やビルは変わります。目先の話題性だけでなく企業にとって実際に業績アップにつながる移転なのかどうかをしっかりと判断しましょう。また、開発中の地域の場合は、早めの移転を決めても思ったほど開発が進まないというケースもあります。

予定していた工事が中断になることも珍しいことではありません。また、実際に移転してみたら、周囲の環境が良くなかったということも考えられます。長期的に見て「自分の企業の利益につながるのか」「長くオフィスとして使える場所であるかどうか」を判断する目が求められます。オフィスの条件だけを見るのではなく、その周辺の状況など広い範囲で総合的な判断をしておきましょう。

業種によって異なる部分は多いですが、そこに移転することで自分の企業が10年後も業績を伸ばしていけるかがポイントになります。

 

会社の方針や雰囲気に適したオフィスづくりを

移転先を決めるときに押さえておきたい重要なポイントは、会社の方針やイメージに則っているかということです。

例えば、利便性が良く周辺には食事する場所が多いといっても、それが会社のイメージに合っていない場所であった場合には、敬遠する顧客も出てくるでしょう。めったに顧客がオフィスに訪れる必要のない業種であっても環境はなにをするうえでも外せないことです。そして内装や全体の雰囲気作りに方針を反映させることも忘れてはいけません。それは、社員のひとりひとりが常に企業理念や方針を意識できることにもつながります。

社員が一丸となって同じ目標に向かうという姿勢をオフィスづくりによって統制しましょう。自由な社風をモットーにする場合には、違う部署の人間でも自由にいつでも問題点について話し合いができるような空間の工夫が必要です。エントランスから受付など社員以外の人間が目にしやすい部分は内装の色合いをイメージカラーでまとめるのもいいでしょう。オフィスに入っただけで自社の企業性質がわかるようなオフィスづくりを心がるとよいでしょう。

 

 

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