地域に根ざした医療の提供を目指し、「きぬた耳鼻咽喉科・アレルギー科」を開業した耳鼻咽喉科専門医・鈴木智院長。大学病院での外科手術の経験を重ねるとともに、アレルギー研究にも研鑽を積んできたキャリアを生かし、患者さんに寄り添う町のかかりつけ医として、新たな地域医療への貢献に挑戦されています。
同クリニックは、自然光をふんだんに取り入れた明るく清潔感のある空間づくりを大切にし、象徴的なシンボルツリーを配置することで、訪れるすべての人が心和む場所となるよう工夫されています。また、患者さんにとって心地よい環境であることはもちろん、スタッフが快適に働ける環境にも配慮し、「質の高い医療の提供は、働きやすさにも支えられている」と語ります。
開業を通じて得た気づきや、地域医療への熱い想いについてお話を伺いました。
今回の開業地に選んだのは、学生時代を過ごした馴染み深い地域でした。駅からやや離れているものの、周囲には住宅街が広がり、多くのファミリー層が暮らす温かみのある地域です。さらに、砧公園という広大な公園が近くにあり、豊かな自然環境が整っている点も、開業の決め手の一つとなりました。こうした環境は、地域に根ざしたクリニックをつくりたいという私の想いに、まさに合致していました。
これまで私は、大規模な外科手術に携わる機会が多く、そうした高度な手技を要する治療に関心を持ちながら経験を積んできました。しかし同時に、患者さん一人ひとりとより身近に向き合い、日常の健康を支える医療の大切さを実感するようになりました。その想いが、今回の開業につながっています。
物件選びでは、医療モールを中心に検討しました。多くのクリニックが集まる医療モールは、患者さんにとって利便性が高く、医師にとっても運営しやすい環境が整っている点が魅力でした。その中で最終的に選んだのが、現在の物件です。大きな窓があり、通行する人々の目に留まりやすい点や、周囲の緑豊かな環境にも強く惹かれました。
クリニック名には、この地域の地名である「砧」を採用しました。院長の名前やコンセプトに基づいた命名も考えましたが、地域に根差したクリニックであることを直感的に伝えるため、「きぬた耳鼻咽喉科・アレルギー科」としました。さらに、診療科目を明記することで、専門性をわかりやすく伝えています。アレルギー科を加えた理由は、これまでアレルギー研究に取り組んできた経験を活かし、その専門性を最大限に生かした診療を提供したいという想いからです。
近年、花粉症や食物アレルギー、喘息などのアレルギー疾患を抱える患者さんが増加しています。その背景には、環境の変化、食生活の欧米化、さらには過度な衛生管理などが影響していると考えられています。耳鼻咽喉科の一般診療に加え、アレルギー疾患にも積極的に対応し、患者さんの生活の質向上に貢献したいと考えています。
クリニックの内装は、清潔感と明るさを重視したいという強い思いがありました。患者さんをお迎えする空間として、安心感と開放感を与えることを最優先にしつつ、スタッフが快適に働ける環境づくりにも配慮しました。
今回の物件は、通りに面した大きな窓があり、自然光をたっぷり取り込める構造になっていたため、その特性を最大限に生かした設計を目指しました。物件が決まった時点で、明るく開放的なクリニックの完成を思い描き、内装は白を基調としたシンプルで清潔感のあるデザインをイメージしました。
そのイメージを具現化するため、ユニオンテックを含む4社に内装の提案を依頼しました。どの会社も魅力的な提案をしてくださいましたが、最終的にユニオンテックのプレゼンテーションに心を動かされました。明るい白木をふんだんに用いた温かみのあるデザインが印象的で、清潔感と親しみやすさの調和が見事でした。私たちの理想にぴったりと合い、それ以上の空間が実現できると確信しました。
さらに、幅広い年齢層の患者さんが来院することを考慮し、シンプルでありながら親しみやすさを感じられるデザインを提案していただきました。このデザイン選定が、クリニックづくりの重要な一歩となり、親しみやすさと落ち着きを兼ね備えた空間の実現へとつながりました。
ユニオンテックさんとのやりとりを通じて、クリニック内の空間が徐々に形を成していく過程は、非常に刺激的で充実したものでした。特に印象に残ったのは、木をモチーフにした装飾でした。まるでモニュメントのような存在で、「シンボルツリー」と表現するのが最も適切かもしれません。
このシンボルツリーは、キッズスペースの壁から天井にかけて設置され、エントランスにも接しているため、来院された患者さんに優しさと温かさを伝え、視覚的にも楽しい空間を演出しました。さらに、大きな窓越しにもその存在感は際立ち、シンボリックな役割を果たしています。多くの患者さんから「印象的なデザインですね」とお声をいただき、クリニックの認知向上にもつながっています。
エントランスは広めに設計し、来院された患者さんがストレスなく過ごせるよう工夫しました。ゆったりとした空間が生む開放感が、患者さんに安心感を与え、訪れるたびに心地よさを感じていただければと思います。診察室、処置室、バックヤードの動線も工夫し、スタッフが効率的に動ける環境を整えました。動線の工夫により、診療がスムーズかつ丁寧に進められ、患者さんにより良い医療サービスを提供できる環境が整いました。
さらに、ユニオンテックさんには内装デザインだけでなく、ロゴデザインも手がけていただき、その仕上がりに大変満足しています。ロゴは、耳・鼻・のどを木々に見立てたシンボルで、温かみを感じさせながらもスタイリッシュなデザインに仕上がっています。クリニック内にこのロゴを取り入れることで、シンプルな内装にアクセントが加わり、シンボルツリーとともに空間全体を引き締める役割を果たしています。
デザイナーの皆さまや現場で尽力いただいた多くの方々のおかげで、理想的なクリニック空間をつくることができました。ユニオンテックの柔軟な対応と高いデザイン力により、患者さんにもスタッフにも快適な空間が完成したと感じています。この空間が、地域の皆さまにとって信頼できる医療を提供する場として、さらに根付いていくことを願っています。
開業後に改めて実感したのは、医療そのものへのこだわりに加え、一緒に働くスタッフの働きやすさをより深く考えるようになったことです。スタッフが快適に働ける環境を整えることは、結果的により質の高い医療の提供につながります。そして、地域医療においては、患者さん一人ひとりに寄り添う姿勢が何よりも大切だと強く感じています。そのためには、クリニック全体で日々の業務や設備、サービスを常に見直し、改善し続けることが必要だと考えています。常に改善を意識し、患者さんやスタッフにとってより良い環境をつくる努力を続けていきます。
砧公園の緑豊かな環境の中で、自然と共生するこの地にクリニックを開業できたことを、大変嬉しく思います。これまでの経験や知見を生かし、近隣の皆さまのお役に立てるよう、今後も学びを深め、研鑽を積んでいきたいと考えています。小さなお子さまからご高齢の方まで、すべての患者さんが快適に過ごせる、居心地の良いクリニックを目指していきます。
これからも地域のランドマークとして親しまれる存在となれるよう、わかりやすい説明を心がけ、安心・安全な医療を提供するクリニックを目指し、努力を続けていきます。何かお困りのことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。