バーを開業したいけれど、何から始めれば良いかわからないとお悩みですか?バーを経営するには多くの段階を踏む必要があり、複雑な手続きもあります。ですから、計画的に進めることが非常に重要です。
この記事では、バーを開業するためのステップと準備について詳しく説明します。バーのタイプ、物件の探し方、内装工事、資金調達、必要な資格、そして許可手続きについても触れています。バーの開業を検討している方にとって、ぜひ参考になるでしょう。
最初に、どのタイプのバーを立ち上げたいのかを考えてみましょうか?「バー」と一言で言っても、「飲酒可能な様々な店」を指します。以下のような多様なバーが存在します。
オーセンティックバーは格式と風格を大切にし、高級感ある雰囲気で知られています。ここでは上質なカクテルやウイスキーを楽しむことができ、専門のバーテンダーがカスタマイズしたカクテルを提供します。客層は通常、大人で洗練された雰囲気を求める人々で、ドレスコードがあることが一般的です。音楽は穏やかで、会話が楽しめる場所です。
ショットバーはリラックスできるカジュアルなバーで、ショットやシンプルなカクテルを提供します。通常、若い客層や友達との楽しいひとときを求める人たちに人気です。音楽は派手で、ダンスフロアがあることもあります。ドレスコードはカジュアルで、くつろぎながら楽しむことができる場所です。
スタンディングバーは文字通り、お客様が立って飲むスタイルのバーです。ここでは手軽にビールやショットを楽しむことができ、一杯を飲んで次の場所に移動する人々に適しています。料金がリーズナブルで、地元の居酒屋的な雰囲気があります。
ダイニングバーは食事とドリンクを組み合わせたエンターテイメントを提供する場所です。ここでは美味しい料理とワインやカクテルが楽しめます。多くのダイニングバーでは特別なメニューや料理が提供され、デートや特別な機会に向いています。音楽は静かで、くつろぎながら食事を楽しめる場所です。
ジャズバーやピアノバーは音楽愛好家のための場所で、生演奏のジャズやクラシック音楽を楽しむことができます。ここではカクテルを楽しみながら音楽の演奏を聴くことができ、落ち着いた雰囲気が広がります。一人でも友達と一緒に訪れるのに適しています。
さらに、同じ「バー」という名称であっても、風俗営業法上での形態は異なる場合があります。夜間に飲酒と軽食を提供する従来のバーは「深夜酒類提供飲食店」、主食と接客を提供するスナックバーは「接待飲食等営業」に分類されることがあります。
したがって、バーの設立に向けた準備を始める際には、開業予定のバーのカテゴリーと業態の選定から始めることが重要です。
バーを開業するには、コンセプトの確立から備品の手配、仕入れ業者の選定など、さまざまなステップを踏む必要があります。以下では、バーを開業する際の手順をステップごとに詳しく説明いたします。
バーを開業する前に、コンセプトを明確に決めましょう。どのようなバーを運営したいのか、ターゲット層は誰なのか、提供するドリンクや雰囲気はどのようなものにするのかを考えましょう。コンセプトはバーの成功に大きな影響を与えます。
バーを開業するには資金が必要です。立地やサイズによって異なりますが、建設や装飾、家具、備品、従業員の給与などの費用を考慮に入れましょう。銀行ローン、投資家からの調達、貯金、助成金を含む資金調達方法を検討しましょう。
バーを運営するためには、飲食業許可や酒類販売許可などの必要な許可を取得する必要があります。地域や国によって異なる規制があるため、関連する法的要件を確認し、必要な手続きを踏みましょう。
バーの場所は成功に影響を与えます。ターゲット層やコンセプトに合った立地を選び、物件を探しましょう。立地調査や地域の競合分析を行い、賃貸契約や購入を進めましょう。
バーの運営に必要なお酒、カクテル用の器具、グラス、家具などの備品を調達しましょう。信頼性のあるサプライヤーを見つけ、品質を確保しましょう。
お酒や食材の仕入れ先を選定しましょう。リーズナブルで品質の高い供給業者を見つけ、安定供給を確保しましょう。食材の新鮮さや価格はお客様の満足度に影響を与えます。仕入れ先の選定では、知人からの紹介や業務用酒販業者への相談も視野に入れましょう。また、従業員の採用に際しては、無料の求人Webサイトや自社の公式Webサイト、SNSを利用するのが良いでしょう。
事例:bibury bar(合同会社バイブリーアニメーションスタジオ)様
物件探しの際、最も重要なポイントは集客可能なエリアの選択です。どれだけ人が行き交うエリアでも、ターゲットとなる顧客層が出入りしなければ、集客は難しいでしょう。次に、選定したエリア内の競合店を調査し、コンセプトに合った物件を契約しましょう。ターゲットが入店しやすい建物を選び、前借主の評判が悪い店舗を避けるように心掛け、必要な内装設備を設置できる物件を探しましょう。
さらに、物件の種類(「スケルトン」と「居抜き」)を検討します。スケルトン物件は自由なレイアウトデザインが可能ですが、工事費用が高くつくデメリットがあります。一方、居抜き物件はレイアウトの自由度が制限されますが、前借主が設備を提供してくれるメリットがあります。
内装工事のポイントは、明確なコンセプトに基づいたデザインです。コンセプトに合わない内装を施工すると、集客や売上の向上が難しくなります。あいまいなイメージで内装を設計すると、工事後に「予想と異なる」という問題が生じる可能性があります。
また、内装工事において重要なのは、重点を置く部分を絞ることです。内装に過度にこだわると、費用が急増するおそれがあります。内装デザインを業者に委託する前に、何に重点をおき、どこで節約できるかを明確にしておきましょう。特にバー内の印象を左右するカウンター、トイレ、照明などは特に重要です。競合店の内装工事事例を参考にし、内装業者に自身のこだわりを伝えることで、工事が円滑に進行します。
バーを開業するために必要な資金は、店舗の広さや場所によって変動しますが、おおよそ500万円から1,000万円ほどが一般的な相場とされています。この金額には、物件の取得や内装工事などの初期費用に加えて、バーが軌道にのるまでの数か月から半年ほどの運営資金が含まれています。
運営資金には、バーの家賃、水道光熱費、原材料費、そして従業員の給与などが含まれており、開業後すぐに発生します。日本政策金融公庫の「2021年度新規開業実態調査」によれば、新規開業者のうち、開業費用が「500万円未満」の割合が42.1%と最も多く、次いで「500万円から1,000万円未満」が30.2%を占めています。
バーの開業に必要な資金は、各業種の新規開業費用の中でもやや高額であることを考慮しておくとよいでしょう。
開業費用において、内装工事費用が大きなウエイトを占めます。そのため、以下の3つの節約方法を考えてみましょう。
居抜き物件を選ぶと、スケルトン物件と比べて内装工事費用を抑えることができます。これは、前借主の施工した設備を「造作譲渡料」を支払うことで引き継ぐため、新たに内装設備を施工する必要が減るからです。
内装の節約方法ですが、特にこだわりのない部分においては、仕上げ材のグレードを下げたり、自分で調達して施工したりすることを検討しましょう。例えば、壁や床、空調などです。
デザインから施工までをワンストップで提供する業者を選ぶと、中間マージンが発生せず、打ち合わせにかかる時間も短縮できます。
バーを開業するためには、初期費用がおよそ500万円前後必要です。最初にテナント物件を借りる必要があり、バーは一般的に比較的広いスペースが必要となるため、月々の家賃は平均して25万円前後かかります。また、物件を借りる際には保証金として約150万~200万円程度が必要です。さらに、店舗運営に必要な什器や食器などの調達費用は約80万円です。内装工事に関しては最低でも100万円、こだわりがある場合は200万円程度必要です。
バーの運転資金は、1ヵ月あたり平均50万~80万円程度が必要です。具体的な内訳としては、家賃が20万~25万円ほどを占めており、立地や規模によっては15万円程度で済むこともあります。しかし、一定の規模のバーを運営したい場合、20万円程度の予算を考えておくべきでしょう。また、水道光熱費が月に約5万円前後、原価費が月に約10万円前後かかります。さらに、スタッフを雇う場合は、月に15万~25万円程度の人件費も発生します。
開業に必要な初期費用のサポートを受けるために、多くの助成金制度が提供されています。その中でも特に有名なのは、東京都中小企業振興公社が実施している「創業助成金」です。バーを東京で開業を検討している方にとっては、これが最適な選択と言えるでしょう。また、大阪府でも「大阪起業家グローイングアップ事業」という助成金が利用できます。さらに、他の地域でも各自治体が独自の助成金制度を提供しているため、バーの開業を検討する際には地域ごとに利用可能な助成金を確認することをおすすめします。
事例:bibury bar(合同会社バイブリーアニメーションスタジオ)様
バー開業に必須な資格は「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つだけです。それぞれについて解説します。
食品衛生責任者とは、その名の通り、飲食店が提供する料理や飲み物の衛生を管理するために必要な資格です。食品衛生法第51条によれば、飲食店を経営する際には、必ず1人以上の食品衛生責任者を配置しなければなりません。バーの場合、オーナー自身が店舗に出入りすることが一般的であり、そのためオーナーがこの資格を取得することが一般的です。資格取得には、各食品衛生協会などで提供されている養成講習会を受講し、合格する必要があります。バーの開業を検討している場合、事前に養成講習会のスケジュールなどを確認しておくことをおすすめします。
防火管理者は、店舗内で火災などの緊急事態が発生した場合、被害を最小限に食い止めるための資格です。店舗の規模によっては、一定の大きさを満たす場合、必ず1人以上の防火管理者を配置しなければなりません。防火管理者の資格は食品衛生責任者と同様、複雑な試験を受ける必要はなく、1日程度の研修を受けることで取得できます。研修費用は約7,000~8,000円ほどで、受講を希望する場合は事前に予約が必要です。詳細情報は、事前に日本防火・防災協会などの公式ウェブサイトを確認しておくことをお勧めします。
バーの開業に必要な主な届け出は、
になります。以下で詳しく解説していきます。
バーのレイアウト図が整った段階で、保健所への前もっての相談をお忘れなく。営業許可の申請書類を準備し、店の完成の10日前には保健所に提出しましょう。開業前の保健所職員の立ち会いによる検査にパスすれば、営業許可証を手に入れられます。図面を持参するのは、内装作業に入る前の潜在的な問題点を事前に発見し、改善するためです。こうすることで、検査後の追加工事や不必要なコストを削減できます。
風営法のもと、「深夜0時を超えてアルコールを提供する」バーを運営する場合は、営業を開始する10日前までに、「深夜アルコール提供飲食店の開始届出」を警察に行う必要があります。ただし、住宅街や病院、学校近くでの営業は制限されているので、詳細は所轄の警察署にて確認をお願いします。
火事の予防と発生時のリスク軽減のために、30人を超える収容能力のある施設では、防火管理者を指名することが法律で求められています。食品衛生責任者と同じく、この資格も講習後に取得可能です。その費用は、およそ3000円から8000円です。甲種と乙種の2つのカテゴリーが防火管理者の資格には存在します。必要な資格のタイプは、施設の収容人数や総床面積によって異なるため、計画しているバーの位置する都道府県の消防庁のWebサイトで必要情報を確認しましょう。
風営法の規定により、夜間(深夜0時〜朝6時)において「アルコール」を提供し、「娯楽」を提供するバーでは、開店する2ヶ月前に「特定遊興飲食店の営業許可」を警察に申請する必須です。もし娯楽を提供しないバーの場合は、「深夜アルコール提供飲食店の営業届出」が求められます。スポーツ観戦でお客様が応援する状況も娯楽に含まれます。娯楽の範疇を正しく理解するため、警察庁の公式Webサイトを参照してください。
この記事では、バーを成功させるために必要な準備、資金、およびポイントについて詳しく説明しました。バーを開業するには他の飲食店に比べて多くの資金が必要とされることがあるため、入念な計画が不可欠です。さらに、バーの経営を成功させるには、継続的なお客様が重要です。リピーター客を獲得するために、初めてのお客様でもリラックスして楽しめる雰囲気づくりが大切です。また、適切な場所の選定やキャッシュレス決済の導入など、ビジネスの成功に向けて検討すべき要素もあります。ぜひ、この記事を参考にして、バーの開業を成功に導いてください。
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