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《パーソネルワークス様×SP総合経営グループ様》代表×代表 特別インタビュー『新卒同期の戦友2人が共にオフィスを構えるまで』

《パーソネルワークス様×SP総合経営グループ様》代表×代表 特別インタビュー

社会保険労務士法人パーソネルワークス様と、SP総合経営グループ様は、“代表者がご友人同士”というつながりで合同オフィスを構えているめずらしい会社。「オフィスメイキングnote.」では、そんな特殊なオフィス作りの裏側を、株式会社ライヴェックス担当者様やユニオンテックのデザイナーとともにじっくりと語っていただきましたが、ここではそれより少し前の、“代表のお二人が合同オフィスを構えた経緯”について伺います。大野様と新谷様は、どんなふうに仲良くなり、現在に至ったのでしょうか? そのメリットや周囲の反応、そして今後のことまで聞きました。

*合同オフィスとは
複数の会社が共同で利用するオフィスのことで、「シェアオフィス」とも言う。一般的には、会議室や複合機、ロッカーのほか、電気、Wi-Fiなども共用になっていて自由に利用することが出来る。初期費用やランニングコストが抑えられるため、個別にオフィスを構えるよりも好条件の物件で働けるメリットがあるが、プライバシーを守りづらく、機密情報の取り扱いが難しい。

 

就活で出会い、転職のタイミングもほぼ同じだった2人

―― まずは、お二人の出会いから教えてください。初めて会ったのは…?(以下、敬称略) 

大野 大学3年の、就職活動をしているときです。僕と新谷がグループ面接の端と端に座っていて。「あいつ、よくしゃべるな」と、お互い思っていたんですよ(笑)。「あいつが最終面接に進んだら面倒だぞ」と。

新谷 そのグループ面接の次が最終面接だろうという雰囲気だったので、この先に進めるのはごく少人数だと思っていたんです。「M-1グランプリ」もそうじゃないですか? 準決勝まで30組くらい残っているけど、決勝に進めるのは9組くらいしかいない。きっと、1グループあたり1人しか進めないだろうと。

大野 そうそう。意識せざるを得ない存在でしたね。

新谷 「あいつがいなければ、俺はもっとしゃべれたのに!」と、強烈に印象に残りました。そうしたら、僕も大野も最終面接まで進んで、内定ももらえたんです。全国採用だったんですけど、入社して研修を受けたあと、偶然にも2人して東京配属に。

大野 で、最終的には課まで一緒になりました。その年に入社した同期は何人もいたはずなのに。

―― ちなみに、その会社は今と同じような業種なのでしょうか?

大野 いえ、全然違います。家庭用品メーカーの営業をしていました。ただ当時は氷河期だったので、みんな思うところあるなかで入社していたんです。我々もこのままでいいのかという葛藤がありましたね。つなぎを着て配送センターに駆り出されたときは、センターの屋上で「どうする? これから」みたいな話をした記憶があります。入社してわずか2ヶ月くらいで(笑)。今思うと、新卒で採用してくれた会社に申し訳ないですけれどね。で、それから1年くらい経った2年目の夏に、新谷が「この会社を辞めて、税理士になる」と言い出したんです。あれはびっくりしたなぁ。

新谷 当時は、世間的にも会社的にも休みを返上して働くことが「良し」とされていた時代だし、「もらったボーナスはその日のうちに使え」といった考えもまかり通っていたので、建設的ではなくて。「一生いられる会社ではないな」とは、なんとなく感じていたんです。とはいえ、「転職市場」「第二新卒」といった言葉もない時代だから、「転職するなら1回きりだぞ」と思っていて。「たった1回のチャンスならば、資格を取ろう」と思い、税理士になろうと決めました。そんな話を、大野にもしたんですよ。

大野 今思えば、そこから僕自身の身の振り方も真剣に考えるようになったと思います。自分が今この仕事をしているのは、間違いなく彼に影響を受けていますね。

―― では、それからすぐに大野様も転職を。

大野 はい。もともと次のことは考えていたけれど、どんな道に進むかはハッキリ決めていなかったんです。ただ、私の弟が当時国税にいて新谷も税のほうにいったから、違う方面に進もうと思って。もともと興味のあった社労士を受けることにしました。で、2人とも会社を辞めてから資格の勉強をはじめたんです。今思えば無鉄砲ですね(笑)。税理士は5科目制覇だから、新谷は特に大変だったんじゃないかな。居酒屋でアルバイトをしながら資格をとって、前の事務所に入っていました。僕は運良く1回で合格できたので、すぐに事務所に拾ってもらいましたね。

新谷 そうだった、そうだった。

大野 ただ税理士と社労士になってからは、事務所のあるエリアが近いにも関わらず、年に1回ぐらいしか会っていないんですよ。たまに、「元気?」と連絡を取り合ってはいたけれど。

新谷 同級生ってそんな感じじゃないですか。年に1回は同窓会感覚で飯を食いに行く、みたいな。

大野 そうそう。国家試験の結果が12月に出るので、毎年1月あたりに会って「今何科目合格した?」みたいな感じで。何年かはそういう感じでした。

―― では、ご自分の会社を持ってからより仲良くなったのでしょうか?

大野 そこもちょっと入り組んでいて、合格は私のほうが先でしたが、彼は5科目取ったあとすぐに事務所の共同経営者になったんです。当時の私は事業所所属の社労士だったので「先を越された」と思いましたね。でも、紆余曲折あって今度は私が事務所を引き継いで代表になり、さらにその後に彼が独立をすることになって…と、折り重なるようにお互いに転機が訪れたんですよ。3〜4年のうちに。

新谷 片方が先に進めばもう片方が追い越す、を何度も繰り返しました。なので、「独立ってどんな感じ?」といった話もするようになっていたのですが、会う機会が増えたのは、彼が代表になって「顧問税理士をやってくれないか」と僕に依頼をくれたのがきっかけですね。

大野 僕が前の代表から会社を引き継ぐときに、「税理士は、自分が『これは』と思う人に頼んだほうがいい」と言われていたんです。「だったら新谷だ」と。

新谷 そうすると最低でも月に1回は会うことになるので、話す機会も増えたんですよね。

 

“関係のない会社”だから、面白おかしくオフィス作りできた

―― そうして、より仲の良い“友だち”となったお二人。合同オフィスを構えるのも自然な流れですね。

大野 こう話すとうまく事が運んでいるように思えますけど、計画していたわけではないんですよ、一切。

新谷 それに、僕らの場合は厳密に言うと「合同オフィス」ではないんです。2社のつながりと言えば、僕が彼の会社の顧問税理士をやっているというくらいで、グループ会社でもないので。

大野 お互いに顧客を紹介し合うこともないので、ビジネス上での遠慮や気遣いもいらないですし。昔近所に住んでいた幼なじみと大人になってルームシェアしてる、みたいな感じですね。

新谷 完全に別会社だから、お互いのプライバシーも当然尊重しなければいけません。僕の会社のエリアからあちらには行けないようになっているし、大野の会社からこちらにも来られないような作りになっています。

大野 なので、「一体、どんな関係?」と言われたら、“新卒同期の友だち”というほかないんですよね。今回の移転にあたり、銀行の人に「どういうことですか?」と何度も聞かれたので、そのくらいレアケースだったのだと思います。でもだからこそ、面白おかしくオフィス作りができた部分もあると思っています。僕らの会社は、どちらが上でも下でもないから、お互いに言いたいことを言うことができました。
会議室を使ってみて、隣の部屋の音が気になるかどうかとかも指摘しあえるんですよ。会議中に新谷が来て「隣にいるとこんなふうに聞こえてくるぞ」と言われたら、「なるほど。じゃあこの部屋を使うときはお互いに声をかけあったほうが良いな」みたいな。そういう会話は、一般的な合同オフィスではあまりないことだと思います。

2つの会社ロゴが並ぶエントランス

共有している廊下

―― プライバシーはしっかり守られているけれど、交流も出来るようですからね。

新谷 この形でオフィスを作った利点ですね。

大野 彼のところの若い人たちとうちの若手が、一緒に弁当を食べることもあるんですよ。そういう関係が作れたのも良かったなと思っています。あと、実現はしなかったんですが2人の代表室のあいだに2人だけが知る真四角の部屋を作ろうという案もあって。あれも実現できたら良かったなぁ! 代表室を挟めばそれぞれの会社の執務室に音が漏れないし。

新谷 あれはジャラジャラ音がすごいから(笑)。

大野 スペース的に難しくて断念しましたけど、ギリギリまで粘っていました(笑)。

 

オリジナルのれんは、“ストーリー”を語るきっかけに

―― 従業員の皆様の反応はいかがでしたか?

大野 上の2人以外には伝えていなかったので、図面も配置も何も知らない状態でお披露目したんですが、エントランスを見た瞬間に「わー!」と驚いていました。古くから働いている従業員は、男女共用トイレだった時代も知っているので、ここまで進化したのかと喜んでいましたね。新谷のところもそうだろうけど。

新谷 僕の会社は、ワンルームマンションからスタートしていますからね。

大野 それに、机の組み方や動線にかなりこだわったので、使いやすさが全然違います。前は、複合機のまわりが渋滞しがちだったんですけど、入口を分けたり複合機を斜向かい置いたりしたことで、スムーズに行き来できるようになりました。

新谷 あと、妻が見に来たときに「事務所じゃなくて会社だね」と言ったのも印象的でした。言葉の意味合いとしてどちらが良いというわけではないですが、妻からすると区役所のようなカッチリとした職場が「事務所」のイメージだったようで、今回はそうではなく「会社」になったと。僕自身、「昔ながらの士業事務所っぽくない職場に」という思いはあったので、「会社っぽい」と言ってもらえたのは良かったです。

大野 それでいうと、新谷の奥さんは感激して泣いていたなあ。二十数年前に同期だった2人が、こんなオフィスを持てるようになったんだと言って。

新谷 僕らが苦しい時期のことをよく話していたから、余計に嬉しかったんだと思うよ。

 

―― ちなみに、ユニオンテックの担当者が引き渡しのときにプレゼントした“オリジナルのれん”を使ってくださっていると聞きました。

大野 そうなんです。実は、のれんをかけたい場所がいくつかあって。「ここにはのれんが要るなぁ」という話ばかりしていたんです。で、個人的にポチポチ発注しまくっていて、引き渡しのときには「ゆ」と書かれたのれんをつけるように準備していたんです。引っ掛けるフックまでつけてくれていたから、「気が利くなぁユニオンテック!」とか思っていたんですけど、実際は、ユニオンテックさんがのれんを用意してくれていたんですよね。

新谷 さすがユニオンテック!

大野 「のれんが要るなぁ」と何気なく話していたことをよく覚えていたなと嬉しく思いつつ、まさかいただけるとはと。しかも、僕ら2人名前がロゴっぽく描かれたのれんなので、僕らのストーリーを説明するのに丁度いいアイテムになっています。


のれん前での記念ショット

新谷 僕ら以外僕らの関係性が分からないから、「なぜ一緒にオフィスを構えたんだろう」と、聞かないまでも思っていると思うんですよね。そんな時に、こういうアイテムがあると話すきっかけになるんです。

大野 ロゴの中に、僕らの会社の略称である「PW」と「SP」が入っているのも、唯一無二。ありがたいです。

新谷 「ホテルライクな内装にしましょう」と進めていって、こんなにシックに仕上げてくださったのに、最後にこののれんをくれるということは…ユニオンテックさんもだいぶ遊んでいたんでしょうね。

大野 はははは!

新谷 一緒に遊んでくれたのは嬉しいです。

大野 そうだね! ほかの現場はもっとシビアだろうから(笑)。

 

多くの人がやろうと思ってもできないことを実現できた

―― この先も、2社で一緒にオフィスを構えていく予定なのでしょうか?

大野 そういう予定はないですね。ここは5年契約なんですけど、5年後にどうなっているかは分からないですから。

新谷 うん、約束は特にしてないです。

大野 ただ、お互い年を取れば寂しがりになるでしょうから(笑)。「一緒に出る?」なんてこともあるかもしれません。そういう付き合いができる友だちって、そう簡単には作れませんからね。それに、今のオフィスは2社ともかなり余裕があって、「手狭になるくらい従業員を増やす」ことが一つの目標になっているんです。実際、ここに移転したばかりの頃には2人で「次はさぁ…」と早速次のオフィスの話をはじめて、家族に引かれました(笑)。

新谷 ここを終の棲家にするつもりはないんですよ、お互い。一回もすり合わせたことがないけれど、そこの価値観は一緒なんです。今までのストーリーがあるから、自然と「ここで終わりじゃないよね」と思っている。

大野 そうそう、それは大きいですね。年齢や境遇が近い以上に、考えていることが近い。だから「まだ次がある」「ここが最後じゃない」という感覚も似ています。

新谷 ただ、今のオフィスは、「1+1が2以上になっている」という実感がすごくあります。働いているスタッフたちの交流が深まっているし、社交性が上がって刺激を受けあっている。社内ですれ違うときに「こんな顔をして仕事しているんだ」と感じられるのも面白いです。

大野 そうそう。それに、僕らもお互いが仕事しているところを二十数年間見たことがないんです。新卒のときには見たことがあったかもしれないけど、それ以来一度も彼が客前いるところを見たことない。でも、ここに来ることによって、お客さんが来た時の彼の対応とか、僕のお客さんが来たときの僕の対応に触れられるんです。それって、普段見ない顔なのですごく新鮮ですね。「お互いに刺激を受け合って」みたいな、大それたものではないけれど、「あ、いるな」と思うだけでちょっと違う。そんな感覚です。
このオフィスを作ったことで、多くの人がやろうと思ってもできないことを実現できた気がします。僕ら2人でなかったらこうはならなかったと思うので。この経験は大事に、また次に生かしたいなと思っています。

実績紹介ページ

オフィスメイキングnote.「パーソネルワークス様×SP総合経営グループ様」記事

 

 

 

Photo=Yasuharu Hikawa Interview=Mayuge Matsumoto

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