オフィスレイアウトを考える場合は、いくつかの基本的なポイントをおさえる必要があります。応用する場合でもまずは基本が大切になります。そこで、オフィスレイアウトの基本的なポイントと応用のコツについてご紹介します。
オフィスレイアウトには基本的なタイプがあります。そのため、実際にオフィスレイアウトを検討する場合は、どのタイプに近いものにするかを決めることが大切です。
主なタイプは3つあります。
1つ目はコリドールタイプです。中央にメイン通路が通っていて、その両側に部門別など複数の部屋があるオフィスです。個室が多くなりますので研究所などでよくみられるタイプです。
2つ目はオープンタイプです。オープンなオフィス空間の中に部門別に島を作りパーテーションなどで緩やかに区切るタイプのオフィスです。一定規模以上の一般企業でよくみられるタイプです。
3つ目はオフィスランドスケープと呼ばれるタイプです。オープンタイプのパーテーションを取り払ったイメージのオフィスですが、さらに島別にデスクの並び方が違うなど自由度の高いオフィスです。フリーアドレスの形態が取り入れられることも多く、新興企業やIT企業、デザイン会社などで採用されることが多いといわれています。
オフィスレイアウトを検討する目的はさまざまなで、最終的に目指すオフィスは会社によって違うでしょう。
しかし、快適なオフィスを目指すという点では共通しています。快適なオフィスを作り上げるための基本的な条件は主に3つあります。
1つ目は動線の確保です。オフィス内は多くの従業員や来客が行き交うことになります。無駄な動きが多くなればそれだけ快適さが失われますので、効率的な動きが確保できる動線の確保は重要です。
2つ目は適切なゾーニングです。関係の深い部門同士は近くに配置する、共用オフィス機器は使う人から近い場所に配置する、打ち合わせコーナーは集まりやすい場所にするなどのゾーニングをすることも大切でしょう。
3つ目は照明やインテリア、そしてリフレッシュススペースなどの環境整備です。働きやすい照度と色彩を放つ照明を選び、やる気が出るデザインのインテリアを配置することによって従業員のモチベーションが上がる可能性があります。リフレッシュコーナーを快適な場所にすることでも社員のやる気を引き出す効果が期待できます。そういった環境面での配慮が快適なオフィスの実現につながるでしょう。
オフィスレイアウトを考える上で必ず守っておきたい基本的なポイントがあります。それは基準寸法を尊重することです。
基準寸法とは、デスクとデスクの幅をどれぐらい確保すれば作業に支障がないスペースを確保できるか、通路で人がすれ違うために必要な幅はどれぐらいかといった目安のことです。この基準寸法をまったく考慮しないでオフィスレイアウトをデザインしてしまうと、いざ仕事を始めてみたら使いにくく快適なオフィスにはほど遠いということになってしまうおそれがあります。そのため、基準寸法を理解した上でオフィスのデザインをする必要があります。
例えば、人がデスクで作業するためにはデスクから60センチメートルのスペースを確保する必要があり、背中合わせにデスクを配置する場合は人が通り抜けることも考慮して最低限150センチメートルは確保する必要があります。また、通路は60センチメートルで1人がやっと通れる幅になり、120センチメートルで2人がぎりぎりすれ違えるといわれています。
企業によってオフィスレイアウトの進め方に関する考え方には多少の違いはあります。それでも基本部分には大きな違いはなく、進める手順についても基本の流れに沿って行っていく必要があるでしょう。基本的な流れに沿うことで効率的にオフィスレイアウトを決めていくことができ、短期間で作業を終えることにつながります。
進める手順は大きく分けると4つのステップから成ります。1つ目のステップはコンセプトの決定です。どんな目的でどんなイメージのオフィスにするかをまず決めます。コンセプトがはっきりしていないと快適なオフィスを実現することは難しくなるでしょう。
2つ目のステップは各エリアに必要なスペースの算出です。作業エリアや会議室エリア、収納エリアなどそれぞれについて面積を計算します。
3つ目のステップはゾーニングです。各エリアの配置や作業スペース内での部門別の配置などを考えます。このステップでは動線の確保も重要になります。
4つ目のステップでインテリアや什器備品を決めます。この基本的な4ステップを守ることで効率的なオフィスレイアウトの作業ができるはずです。
ここまではレイアウトのタイプや快適なオフィスの条件、基準寸法などの数値を守ること、そしてレイアウト検討の基本的なステップなどオフィスレイアウトの基本についてご紹介しました。これらの基本を守ることによって快適なオフィスはできるでしょう。
しかし、物理的な制約や予算の制約から基本を守れないということもありえます。そんな場合は、実例を観察してよい点を取り入れるという方法がおすすめです。例えば、基準寸法を守りたくてもオフィス全体のスペースが小さくて実現できない場合は、狭小オフィスで上手くやっている実例を見に行き、工夫している点を真似してみるのです。
基本通りできない場合は柔軟に応用を考える必要がありますが、すでに上手くやっているオフィスのアイディアを学ぶことによって快適なオフィスに近づけることができるでしょう。
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