オフィス移転の際に見直したい保険のポイント
ノウハウ 2023.11.13

オフィスを移転するとなると賃貸物件を探したり取引先に移転の通知をしたりする必要があります。

ホームページで移転のお知らせや事務手続きなど想像以上の手続きの量に圧倒されるかもしれません。このような手続きに加えて忘れてはならないのが保険の更新、新規契約など保険の見直しです。

即決してしまうと保険内容からみても割高な保険に加入してしまう危険性があるので、選び方のポイントなどを知って本当に必要な保険を契約しましょう。

 

オフィス移転は保険を見つめるキッカケになる

オフィスを移転する理由は、「分割したオフィスをひとつにまとめる」「労働環境を改善する」「オフィススペースを増やす」など企業によってさまざまでしょう。

しかし、いかなる理由であっても、オフィス移転がその企業にとって「転機」となる可能性は高いといえます。どの物件を借り、または購入するかに悩んだように、保険についても保険料と補償内容のバランスなど十分に時間をかけて見つめ直すことが必要です。

もっとも、保険と一口にいっても、社会保険や労働保険、火災保険・地震保険、社用車の自動車保険などさまざまなものがあります。そのすべてについて従来の保険会社と契約を更新できないという可能性もあるでしょう。

遠方の地にオフィスを移転させる場合は保険会社の対応地域外になる可能性もあります。また場合によっては新しい地では社用車を使用しないため、自動車保険に加入しないこともありえます。これまで業務に追われて保険を見つめ直す機会のなかった企業にとっても、オフィス移転は1つの転機なので保険を見つめ直す良い機会といえるでしょう。

後述するポイントを参考に充実した保険を選ぶようにしてください。

 

保険の手続きを忘れると損をすることもある

オフィス移転の際には、保険の手続きも見落とせないポイントです。手続きを怠ると、損害が生じた際に十分な補償が受けられないだけでなく、法的なトラブルや罰則の対象にもなりかねません。特に、社会保険と労働保険については注意が必要です。

 

社会保険の見直しと手続き

社会保険は従業員にとって非常に重要な制度であり、オフィス移転時には以下のポイントに注意が必要です。

 

雇用保険

移転に伴い雇用条件が変化する場合や、雇用する従業員数が変わる場合は、雇用保険の手続きが必要です。新しい事業所の所在地や雇用条件変更を速やかに届け出ましょう。

 

労災保険

新しいオフィスでの業務に合わせて労災保険の見直しを行いましょう。業務内容や従業員の勤務場所が変わる場合は、それに応じた労災保険の手続きが必要です。

 

健康保険・厚生年金保険

移転先の地域によっては、健康保険組合や年金事務所が変わる可能性があります。これに伴って、従業員の健康保険や厚生年金の手続きも見直す必要があります。

 

労働保険の見直しと手続き

労働保険は、従業員の労働条件や災害に備えるための重要な要素です。オフィス移転に伴い、以下の点に留意して手続きを進めましょう。

 

労働基準監督署への届け出

移転先が変わる場合、新しい事業所においても従業員の権利や条件を守るために、労働基準監督署への届け出が必要です。

 

雇入通知書の変更

新しいオフィスへの移転に伴い、雇入通知書の変更が必要です。従業員に対して、新たな勤務地や労働条件の通知を行いましょう。

 

労働契約書の見直し

移転により労働条件が変更される場合、労働契約書を見直し、従業員との合意を得ることが重要です。

 

オフィス移転は新たなスタートの機会であると同時に、労働環境や保険に関する手続きにも気を配る必要があります。社会保険と労働保険の見直しを怠らず、従業員との円滑なコミュニケーションを保ちながら手続きを進めてください。

 

新しいオフィスで役に立つ保険を選ぼう

「保険を選ぶ」には2段階の意味があります。

1つ目の段階はオフィスに必要な保険が何かを選ぶ段階(社用車はないので自動車保険は必要ないなど)です。たとえば、オフィス移転前にはまだ法人でなかったが、オフィス移転に伴って法人になる場合には、健康保険など社会保険への加入が必須となります。オフィス移転に伴って事業形態を変更する場合には、どのような保険が必須となるのかを調べておいた方が良いでしょう。

また、オフィス移転後には節税に力を入れたい場合には法人保険の加入を検討することをおすすめします。法人保険とは、経営者個人や従業員個人ではなく法人が締結する損害保険または生命保険のことです。経営者の死亡時に保険金を受け取れるほか、予想外の事態で赤字となったときに解約返戻金としてお金を受け取ることができます。また、この保険料の全部または一部が「損金」として算入されるため、法人税の支払総額を減らすことができます。火災保険や地震保険は必要かなど、どの保険に加入すると、ビジネスにとって役立つのかを考えてみると良いでしょう。

2つ目の段階では、選んだ保険を具体的にどの保険会社から契約するかを検討する段階です。オフィス移転に伴って対応地域外になる可能性がある場合や、新しい地では社用車を使用しない場合など、保険内容と会社の対応が適切であるか確認することが重要です。慎重に比較検討することで、最適な条件で保険を選ぶことができます。

 

保険にも種類がたくさん!選ぶ時のポイントとは

保険には多岐にわたる種類が存在し、選ぶ際には慎重な検討が必要です。特にオフィス移転に伴い、法人であれば従業員の数や規模も考慮に入れるべきポイントです。即決する前に、複数の保険会社から見積もりを取り、担当者との対話を通じて最適な選択を見つけましょう。オフィス移転前から複数の候補を把握しておくと、時間的な余裕を持てます。

保険の選択肢は多岐にわたり、悩むことも少なくありません。一つのアプローチとして、「その業界のトップの商品を購入する」という選択肢が挙げられます。トップの商品には他にはない強みがありますが、それに比例して保険料も高額になることがあります。売上とのバランスを考慮し、業界トップとなる理由を確認してから決定しましょう。

さらに、もしもの時に保険会社が倒産していたら意味がありません。したがって、業績が安定している保険会社を選ぶことが重要です。業界トップの保険会社との契約は、その業界での信頼性と安定性を確保する一環となります。失敗を避けるためにも、慎重で確実な検討を心掛けましょう。

 

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