オフィスデザインを考えるとき、何を優先すべきか、どのエリアが重要なのか、と迷いが出てくることでしょう。
心配することはありません!この記事では、オフィスに必要な主要エリアとそれらの機能性について詳しく解説します。
まず考慮すべきはエントランスです。
エントランスは、まさに会社の「顔」であり、その印象がそのまま企業イメージを形成します。企業のロゴやブランドカラーを活かし、自社の特性を反映したデザインを心がけましょう。
訪れる人々が自然と道案内を感じられるよう、受付デスクや待合スペース、ロゴサインや照明などを適切に配置することが重要です。
また、来訪者が快適に過ごせるようにソファやテーブル、充電できるコンセントを用意することも大切です。そして、忘れてはならないのがセキュリティ。
入退室管理システムや防犯カメラなどを設置し、オフィスの安全性を確保しましょう。
次に重要なエリアは会議スペースです。
会議スペースは、社員間のコミュニケーションを生む場所であり、新たなアイデアが生まれる場所でもあります。
そのため、レイアウトの設計は極めて重要です。壁やパーテーションの設置、電源や通信線の配線、そして会議を円滑に進めるためのディスプレイなどの設置を考慮しましょう。
また、会議のムードに合わせて照明の色調を変えるといった工夫も有効です。
エグゼクティブスペースは、経営陣やリーダーシップを持つ人々が作業を行う場所です。
プライバシーを保ちつつも、他の社員とのコミュニケーションを阻害しないようなデザインが求められます。ガラスを使用したパーテーションや壁は、視覚的な開放感を出すことができます。また、ガラスフィルムを使用すれば、透明性とプライバシーを両立することも可能です。
執務スペースは社員が日々の業務を行うための場所です。効率的な作業を実現するためのデザインが求められます。
移動がスムーズで、設備や機器へのアクセスが容易なレイアウトを計画しましょう。デスク間の最適な距離は約180cm、デスクと壁の間は約120cm~140cmが理想とされています。
最後に、リラクゼーションエリアです。
社員が一息つくための場所で、作業エリアとは違う、リラックスできる雰囲気を作り出すことが求められます。オン・オフを切り替えられるような設計をすることで、社員のワークパフォーマンスを高めることができます。パントリーやカウンター、水周りの設備を設けて、社員がコーヒーブレイクを楽しめるような環境を作りましょう。
自然の息吹を感じられるような空間を作るために、植物を配置するなどの工夫も効果的です。
オフィス装飾はただのビジュアル要素ではありません。
それはアートであり、あなたの理想のオフィスビジョンを具現化するツールです。ドアの配置や電源の位置だけでなく、あなたの理想のオフィスビジョンを明確にイメージし、それを具体的な装飾として形にすることが重要です。
もし皆が活発にアイデアを交換するようなコミュニケーションを育むオフィスを目指しているなら、特別な空間の作成が助けとなります。
コミュニケーションスペースは、カフェやレストランのようなスペースをオフィスに取り入れ、非公式の会議やカジュアルな雑談を促すのに役立ちます。リラクゼーションエリアは、ソファやクッションが置かれ、社員が休憩したりカジュアルな会話をしたりできる場所です。
そしてフリースペースは、社員が自由に活用できるスペースで、特定の用途に縛られません。
さらに、「色の心理学」を活用してみましょう。暖かいオレンジや黄色は活気と友好性を引き立て、落ち着いたブラウンは安心感を提供します。
生産性の高いオフィスを目指す場合、社員が一人ひとりが集中して仕事に取り組める空間の設計が重要です。
集中ブースは音を遮断し、プライバシーを保護します。パーテーションや個々のスペースは、仕事に集中できる個人の空間を提供します。そして、リラクゼーションエリアは、短い休憩をとってリフレッシュするための場所です。
壁やパーテーションを巧みに使用して、個々の作業空間を確保します。こうすることで、社員は他人の動きに気を取られずに、自分の仕事に集中することができます。
オフィスの広さは限られているかもしれませんが、内装の工夫によって、空間をより広く快適に感じさせることが可能です。
フリースペースは、社員の数や作業内容に応じて最大限に活用できる特性があります。多目的共有エリアは会議や研修、休憩などさまざまな用途に対応可能です。また、明るい色の壁紙や天井、フローリングは空間を広く明るく見せる効果があります。
スタイリッシュなオフィスを目指す場合、まずそのイメージを明確にし、それに合った内装を選びます。リラックスしたカフェ風の雰囲気から先進的でスタイリッシュな雰囲気まで、そのコンセプトに基づいて壁の色や素材、照明の設定、家具の選択を行います。
フローリングと壁はオフィスの視覚的な印象を大きく左右しますので、色や素材の選択には細心の注意を払いましょう。
リラクゼーションエリアには、心地よい雰囲気を作る間接照明を採用し、昼光色の照明は活気ある印象を強調します。そして、全体の雰囲気にマッチする家具選びは、スタイリッシュなオフィス空間を作り上げる最後のピースです。
ここで最も重要なのは、会社のブランドイメージとオフィスのデザインが一致していることです。
リラクゼーション製品を作成・販売している会社が、強烈な色調の内装や超モダンなデザインを導入すると、訪れた人々は違和感を覚えるかもしれません。
あなたの会社のコンセプトや事業内容に最も適したオフィス装飾を見つけてみてください。そして、その装飾を現実のものにすることで、理想のオフィスビジョンを具現化してください。
目的に応じたオフィス事例
オフィスの改装を検討している皆様の中にも、具体的な工事内容や費用について迷っている方も多いのではないでしょうか?
まずは、あなたのオフィス改装をスムーズに進めるため内装工事にはどんなものがあるのか詳しく解説していきます。
これは、工事をスムーズに行うために必要な仮設施設や設備の設置を指します。つまり、足場や養生シートの設置、必要な資材の手配がこれに当たります。また、工事で出るゴミの廃棄や清掃費用も含まれます。
新たな壁を作る工事です。軽量鉄骨(LGS)という骨組みと、プラスターボード(PB)という石膏ボードを使います。軽量鉄骨は65×45mm、プラスターボードは厚さ12.5mmという規格が一般的で、これらを組み合わせて壁の骨組みを作ります。
「扉」の設置を行う工事です。建具の材質はスチール、アルミ、木、ガラスなど様々で、メーカーの既製品を使用することもあれば、オリジナルデザインで制作することもあります。既製品を選ぶことで、費用を抑えることも可能です。
また、扉の取り付けには、枠作りやドアチェック(開閉を調節する金具)の設置も必要になります。さらに、セキュリティを高めるために電子錠を設置する場合は、その設置工事が追加で必要となります。
床、壁、天井の仕上げ工事を指します。壁には主に壁紙(クロス)、塗装、化粧シートが使われます。
オフィスの壁は一般的にクロスが使われ、基本的な仕様はAA級クロスとなります。床の仕上げにはタイルカーペットがよく使われますが、デザインによってはプレミアムなタイルカーペット、塩ビタイル、フローリング、畳などを選ぶこともあります。これらを選ぶと費用が上がることもあります。
これは表面全体の仕上げ工事を指します。デザイナーズオフィスなど高度なデザインが求められる場合に特に重要となります。例えば、クロスで壁を仕上げた後に、ロゴサインを設置する工事、鏡の設置工事、タイルの設置などが含まれます。予算を見直す際には、この部分から見直すと良いでしょう。
スチールやアルミ製のパネルを使って、部屋の間仕切りを作る工事です。スチールパーテーションはプラスターボードを使って作られ、遮音性が高いです。一方、アルミパーテーションはハニカムコア(段ボールに似た材質)を使って作られ、遮音性は低いですが、スチールパーテーションよりも安価に作ることができます。パーテーションは独立式、固定式、可動式があります。
以上がオフィス改装における内装工事の費用と内容になります。オフィスの改装は大きな投資となりますので、計画的に進めていきましょう。あなたのオフィスが新たな場所として生まれ変わる一歩に、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
ここまでに説明してきたとおり、オフィスにはたくさんの役割を持つスペースが存在し、さまざまな種類の工事を行うことで創り上げていきます。
工事の相場というと、場所やオフィスの規模によりますが、家具の設置も含む内装工事の費用は大体坪あたり30万円から40万円ほどが一般的です。ただし、ビルが指定する業者による工事費用(坪あたり10万円~20万円)が別途必要になる場合もあります。
具体的な計算をしてみましょう。例えば50坪のオフィスを改装する場合、50坪×(30万円+10万円)=2,000万円(税別)が目安となる予算です。
このように、オフィスリニューアルは企業にとっての大きな成長投資ですが、選んだデザインに大きく影響されてしまいます。
一方で、スタイリッシュなオフィスリニューアルを目指しつつ、予算内に収めていくことは可能です。
それには次の3つのポイントに注意すると良いでしょう:①手頃な価格の内装素材選び、②デザインやレイアウトの見直し、③そして業者選びの見直しです。
まず第一に、内装の仕上げに使用する素材を吟味することが重要です。内装素材にはさまざまな種類があり、その中には価格差が大きいものも多いです。例えば、タイルカーペットは内装素材として人気ですが、その種類により価格は大きく変わります。高級な素材を選べば見栄えは良くなりますが、それだけで費用が一気に上がることもあります。そのため、予算に合わせて素材を選び、必要な部分だけ高級な素材を使い、他の部分ではコストを抑える素材を選ぶという戦略もおすすめです。
次に、デザインの見直しも費用削減の一助となります。全面的な壁で完全に区切られた会議室を4つ設ける代わりに、3つにして、もう1つを高さ2mの壁で半開放的にするといった工夫をすると、施工が必要な箇所が減り、その結果、コストも抑えられます。大改革を行う必要はなく、些細な変更でもコストを抑えることは可能です。
最後に、内装リフォームの業者選びです。業者によっては、同じリフォームでも費用に大きな差が出ることがあります。
複数の業者から見積もりを取得し、詳細に比較することが重要です。ただし、あまりに安すぎる見積もりや、高すぎる見積もりには注意が必要です。
あまりにも安価な見積もりは素材の品質が低い、施工が雑などの問題がある可能性があり、高すぎる見積もりは不必要なオプションが追加されている可能性があります。
内装リフォームは大きな投資ですが、しっかりと計画を立て、これらのポイントに注意しながら進めていくことで、スタイリッシュかつ経済的なオフィスリニューアルを実現できます。あなたの企業の大切な資産を、最大限に活用しましょう。
ユニオンテックは、オフィスの設計・セザインのプロフッショナルとして、あなたのオフィス移転・改装を全力でサポートします。
B工事(※)の費用に関する相談から、内装リフォーム費用を節約するアイデアまで、何でもお気軽にご相談ください。
※B工事・・・テナントが要求する工事。空調設備、排水・排気、防水設備、分電盤などの工事を含む。
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