アパレルショップの内装におけるキーポイント|適切な物件選定とコストについてのガイド
ノウハウ 2023.10.23

アパレルショップでは、外観や雰囲気が極めて重要です。店内のデザインは売り上げに直結する要素です。魅力的でおしゃれな店内を作り上げるために、どのような内装工事が必要なのでしょうか?内装工事の特徴や留意点を理解することで、予算を抑えつつ成功を収めることができます。お客様に喜ばれる素敵な内装を考えていきましょう。

 

アパレルショップやセレクトショップの物件選び

事例:CASPER JOHN 渋谷店 様

アパレルショップやセレクトショップでは、多くの商品を陳列するために、棚やラックなどの備品が必要です。また、レジスペース、試着室、マネキンの展示ケース、バックヤードなどのスペースを確保することも重要です。

物件選びには、居抜き物件とスケルトン物件の2つのタイプが存在します。それぞれに内装工事に関するメリットやデメリットがあります。例えば、居抜き物件は既存の施設が備わっているため、開業までの時間が短縮できる反面、スケルトン物件は柔軟性が高く、自分のビジョンに合わせてカスタマイズしやすいという利点があります。物件ごとの特長を理解し、自身の店舗に最適な選択をしましょう。その際、内装デザイン、照明計画、カラースキームにも配慮して、お店の雰囲気を魅力的に演出し、顧客に忘れられないショッピング体験を提供しましょう。

 

居抜き物件とは?

「居抜き物件」とは、以前のテナントが使用していた空調や設備がそのまま残る物件のことです。理想的な内装が見つかれば、初期費用を抑えて内装工事を行うことができます。また、工事が必要な部分が少ない場合、工事期間も短縮でき、開業前に支払う賃料費用を節約できます。ただし、前のテナントのレイアウト変更が制限されるため、思い描いた店舗の実現には制約が生じる可能性があります。

ただし、引き継いだ設備が不良で再利用できない場合、修理や取り替えのための費用がかかる可能性があります。居抜き物件での開業を検討する場合、物件を見学する際に設備の状態を必ず確認しましょう。

 

スケルトン物件とは?

「スケルトン物件」とは、元の状態に戻す作業が完了し、何も内部に残っていない物件のことを指します。この種の物件では、自分の理想のショップを創り上げる自由度が高く、希望通りのレイアウトやデザインを実現できます。ただし、ゼロから店舗を構築するため、居抜き物件に比べて内装工事費用がかさみます。さらに、内装デザインや計画段階などの準備期間も含めて、開業までに時間がかかります。工事中も物件の賃貸料が発生するため、工事期間中の賃貸料をしっかりと確保しておく必要があります。

 

スケルトン物件をアパレルショップに改装するための費用相場

アパレルショップを立ち上げる際、内装工事を含めたトータルの費用はどの程度考えるべきでしょうか? 同じ15坪のスケルトン物件でも、立地や設備への拘り具合により、費用は大きく異なることを頭に入れておいてください。一般的に、アパレルショップの内装工事には、坪当たり約10万~20万円が必要とされています。 これを基に計算すると、15坪の店舗では、約150万~300万円が内装工事に要される計算になります。

 

15坪のスケルトン物件でアパレル店を開業した場合の相場

この金額は一般的な参考値であり、地域や具体的な要件によって異なることがあります。詳細な見積もりを取得する際には、現地の専門家と相談することが大切です。

 

仮設工事: 15万円

店内の一時的なパーテーションや作業スペースを設けるための仮設工事です。工事の進行をスムーズにするために必要です。

 

造作工事: 20万円

カウンターやディスプレイラック、収納スペースなどのカスタム家具や内装を造るための工事です。これにより、店内のデザインと機能性を向上させることができます。

 

電気工事: 30万円

照明、コンセント、エアコン、音響システムなどの電気設備を整備するための工事です。適切な電気工事は店内の快適さと効率性に影響を与えます。

 

内装工事: 150万円

店内の内装デザインに関する工事で、床材、壁仕上げ、塗装、天井、壁面デコレーションなどが含まれます。内装工事により、店の雰囲気やブランドイメージを演出します。

 

空調工事: 20万円

店内の適切な温度と湿度を維持するための空調設備の設置や調整にかかる工事です。お客様の快適なショッピング体験に寄与します。

 

看板工事: 15万円

店舗の外観を演出するための看板やディスプレイを設置する工事です。適切な看板は店の視認性を高めます。

 

諸経費: 20万円

開業に関連する諸経費、設備購入、免許申請、保険、広告宣伝などの費用が含まれます。

 

総額: 270万円

 

スケルトン物件を利用する際、内装工事の費用を最小限に抑えるために、コンクリートの質感を活かすアプローチを採用しました。逆に、高級木材の床材や有名ブランドのインテリアを取り入れると、工事費用が300万円以上に上昇することもあります。また、居抜き物件を購入しても、間取りが希望に合わない場合は解体工事が別途必要となり、これにかかる費用も考慮しなければなりません。

 

コストを抑える方法

内装工事には、場合によっては高額な費用が掛かることもあります。しかし、賢い選択といくつかの工夫をすることで、費用を節約することが可能です。

 

テナントスペースの活用

テナントタイプの物件を選ぶことにはコスト削減のメリットがあります。例えば、独立した入り口が不要なため、その分の改装費用が節約できます。また、店舗へのアクセスがしやすいことで、お客様が気軽に立ち寄れる環境を作ることができます。ただし、外観でのアピールが限られるため、店内のデザインが集客力に直結します。物件が位置する施設の集客力と、訪れる顧客の層を研究し、自店のターゲットに合致しているか確認することが重要です。

 

内装素材の選択を見直す

内装に使われる素材の選択には、節約の余地があります。壁紙やその他の仕上げ材料には様々な価格帯があり、全てを高額なものにする必要はありません。特に注目される部分だけに投資をし、他はコストパフォーマンスを重視した素材を選ぶことで、全体のコストを抑えることが可能です。

 

スケルトンの特性を活かす

スケルトン物件の持つ無骨な魅力、例えばコンクリート打ちっ放しの壁や床は、そのままの状態で利用することで、洗練された雰囲気を出しつつコストを削減できます。ただし、コンクリートの温度調節の問題は考慮する必要があり、季節による室内の快適さを保つためには別途コストが発生するかもしれません。

 

既存の下地を上手く利用する

既存の壁や天井の下地が再利用可能な状態であれば、それをそのまま使用することで、かなりのコスト削減が見込めます。また、既存の壁紙の上から直接塗装をするなど、賢い方法を選べば、更なる費用節約が実現できます。専門家に下地の状態を確認してもらい、可能な範囲での節約策を検討しましょう。

 

アパレルショップ開業時に費用が異なる要因

アパレルショップの開業において、費用が異なる要因を理解しましょう。各業種によって費用構成は大きく異なります。たとえば、飲食店では水道工事や厨房設備に多くの費用がかかりますが、アパレルショップやセレクトショップの場合、どのポイントが特に費用に影響を与えるのでしょうか。

 

内装・外装工事

飲食店では、厨房設備や防水工事などの必要性から内装工事の費用が高額になりがちです。それに対し、アパレルショップやセレクトショップは、一般的に内装費が高額になるスケルトン物件を借りても、工事費用が削減できる傾向があります。ただし、バックヤードや試着室の必要性に注意が必要で、前テナントが同業種である物件の選択はランニングコストの削減につながります。

 

仕入れ

特にセレクトショップの場合、商品は国内外のさまざまなブランドから調達します。仕入れ値だけでなく、展示会への参加やその際の交通費も考慮しなければなりません。アパレルショップでも、適切な在庫数を保つために慎重に仕入れる必要があります。過少な仕入れは商品不足につながり、過多な仕入れはコストと保管スペースの浪費につながります。

 

アパレルショップの内装が重要な理由

事例:CASPER JOHN 渋谷店 様

アパレルショップでは陳列された商品が来店客に大きな影響を及ぼしますが、内装デザインも同様に重要です。その背後には以下の3つの理由があります。

 

店舗イメージの形成

多くの来店客は、内装の雰囲気を通じてブランドのコンセプトを把握し、店を訪れます。従って、内装がブランドのイメージと一致していることが不可欠です。例えば、クラシックなスタイルの洋服を提供しているのに、ポップで派手な内装を採用している場合、ブランドのテーマがお客様に伝わりません。商品との一貫性を保つため、内装はブランドのコンセプトと一致したものにすべきです。例えば、ナチュラルな洋服を提供する場合、内装には木材を使用し、明るく爽やかな雰囲気を作り出すのが適しています。

 

売り上げへの影響

来店客の購買意欲は内装とデザインに大きな影響を受けます。店の趣味やこだわりが魅力的で、来店客の好みに合えば、それだけ長時間滞在し、購買意欲が高まります。また、来店客をスムーズに誘導できる設計が売り上げ機会を増加させます。内装にはブランドイメージを反映し、来店客の滞在時間を最大化し、購買意欲を高めるためのデザインに重点を置きましょう。

 

スタッフのパフォーマンス向上

洗練された内装を持つ店舗では、スタッフのモチベーションが高まります。素晴らしい店で働けるという感覚は、スタッフに高いモチベーションを与えます。また、効率的な動線が整備された設計は、スタッフの作業効率を向上させます。その結果、スタッフは心理的にも身体的にも最高のパフォーマンスを発揮し、売り上げも向上するでしょう。

 

アパレルショップの内装工事で押さえておきたい5つのポイント

アパレルショップの内装工事では、売上やブランドイメージに大きな影響を与えるため、慎重な計画と実施が求められます。成功の鍵を握る5つの重要なポイントを以下に示します。

 

1. テーマを明確にする

内装デザインは、来店客に店舗のテーマやブランドコンセプトを伝える手段の一つです。例えば、カジュアルなスタイルを提供する場合は、明るい色調の壁紙やフロアリングが適しています。一方、ミリタリー系の商品を扱う場合は、ブラウン調のレンガ風内壁や木製フロアリングが相応しいでしょう。また、マネキンやショーケースのデザインも、お客様が魅了される要素として考慮しましょう。

 

2. 入口から見える景色を工夫

来店客は入口から店内を観察し、興味を持つかどうかを判断します。そのため、商品の大半が入口から見えるよう配置することで、店舗の魅力を効果的に伝えることができます。また、一部の商品は外から見えないように配置することで、お客様を引き込む工夫ができます。

 

3. お客様の利便性を考えたレイアウト

アパレルショップ内のレイアウトは、来店客が効率的に買い物ができるように工夫することが必要です。商品のカテゴリーごとに分けたり、小物やバッグなどを見やすい場所に展示したりすることが大切です。また、試着室の配置や数も検討し、お客様が快適に試着や商品選びができるようにすることが必要です。

 

4. 動線を考慮したレイアウト

スタッフの作業効率向上と来店客の滞在時間を最大化するために、動線に配慮したレイアウトが大切です。商品の陳列や整理がスムーズに行えるようにし、来店客が快適に歩き回れるようにすることで、売り上げ向上に寄与します。また、店員と来店客の視線が合いにくい配置にすることで、来店客の警戒心が薄れ、店内を自由に見回しやすくなります。

 

5. 複数の内装工事業者に相見積もり

内装工事の施工業者を選ぶ際には、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。それにより、相場や提案内容の違いが明確になります。各業者の工事内容やデザイン提案も異なるため、予算に合わせた提案を行い、真摯に対応してくれる業者を選ぶことが重要です。

これらのポイントを押さえることで、アパレルショップは顧客を魅了し、長期的な成功へと導くことができます。

 

まとめ

アパレルショップやセレクトショップの内装工事は、効果的なコスト管理と効率的なスペース利用が特徴です。設備投資は抑えられるものの、バックヤードや試着室などの基本設備は必要不可欠で、その維持にはランニングコストが発生します。特に、居抜き物件を利用する際には、既存の設備を最大限に活用することがコスト削減のカギとなります。一方、スケルトン物件では、デザイン性を重視しつつもコストを抑えた建材選びが重要です。これにより、予算内で高いデザイン性を実現することが可能となります。利益を安定させるためには、商品の仕入れ費用をしっかりと確保し、内装においてはお客様が商品を見やすく、アクセスしやすいレイアウトを心がけることが大切です。また、顧客が快適に動き回れる店内デザインも重要な要素です。内装工事のパートナーとして、予算に見合った価格設定で理想の店舗デザインを提供できる信頼性の高い業者を選ぶことが、成功への第一歩です。各業者の見積もりを比較検討し、最適な提案が得られるパートナーを選びましょう。

UNION TECは、店舗デザインの実績が豊富です。アパレルショップを検討中の方は、UNION TECまでぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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