店舗内装の工事業者選び:3タイプと費用の相場を解説!
ノウハウ 2023.10.19

店舗を内装するとき、業者の選び方や費用の相場は気になるポイントとなるでしょう。今回は、適切な内装業者の選定や、費用の相場に関する情報をお届けします。工事を検討する際の参照資料としてご利用ください。

店舗の内装工事とは?

内装工事とは、建物の構造ができ上がった後、その内部に施される工事を指します。間仕切りの壁、鋼の下地の組立、木の建具の工事、天井の完成、防音の工事などがその代表例です。店舗の際は、機器の工事も含めて内装工事と称します。

 

内装と建築工事、その違いは?

内装工事と建築工事の主な違いは、新しい建物を建てるか、既存のものを活用するかの差になります。内装工事は、オフィスやショッピングセンターのような施設の中を改築します。また、建築と内装の工事では業者が異なることがほとんどなので、混同せずに区別しましょう。

 

店舗内装工事に関わる会社は?

デザイン・設計企業

デザイン・設計企業の役割は、大きくデザインの設計と、設計の監督の2つにわけることができます。デザイン・設計の部分では、クライアントの希望を取り入れながらデザインやレイアウトを策定し、それを図面に翻訳します。デザイン・設計企業に内装工事の見積もりを求めることも可能ですが、それは彼らの主な業務ではないため、大まかなコストを知る程度です。詳しい見積もりが欲しい場合は、施工監理企業に相談するのがベストです。

 

施工監督企業

多くの場合、施工会社とは、施工監督企業を指します。この企業は、設計図に基づき、必要な人材や材料を手配し、所定の期間内に工事を完了させる役目を持ちます。材料調達のルートが多岐にわたり、高度な専門知識を持つ業者との提携も持っているため、現場でのプロジェクト管理力は抜群です。1500万円以上のプロジェクトを扱う一般建設業の許可、4500万円以上の契約を受ける特定建設業の許可を保有していることが一般的です。

 

プロフェッショナル業者

プロフェッショナル業者とは、具体的に現場での内装工事を手掛ける技術者のことを指します。施工監督企業の下で、電気工事、ガス工事、什器の設置、壁紙の張替えなど、多岐にわたる専門的な工事を実施します。特別な技術や手法を持つ企業は、建築主やデザイン担当者から直接依頼を受けることもあります。

 

店舗内装を担う3つの工事業者とは?

01. 総合的内装業者

店舗の内装には、デザイン、設計、施工の3つの要点があります。総合的内装業者は、これらの全てを提供できることが主な特色となります。それぞれの項目を異なる業者に依頼する場合、各業者からのコストが累積され、総費用が増大するリスクが考えられます。一方、全てを一つの企業に依頼することで、コストを効率的に抑えられるのが総合的内装業者の強みです。

総合的内装業者との取引を検討する際、いくつかの業者から見積もりを取得し、料金や提案内容を検討することも推奨されます。特に、店舗内装を専門とする企業であれば、安全かつ確実に工事を進めることが期待できます。全ての工程を一つの業者に依頼することで、業者間のコミュニケーションの齟齬を避けられ、円滑にプロジェクトを進めることができるのも、大きな利点と言えます。

 

02. 建築業者

次に、建築業者には、店舗内装工事の専門家が所属していることもあるものの、通常、内装だけではなく、一般的な住宅の建築や改築なども手掛ける範囲の広い業者を意味します。建築業者もデザイン、設計、施工の全てを提供できるため、一箇所での全工程の依頼が可能です。そして、内装業者と同じく、さまざまな建築業者から見積もりを取得し、提案内容やコストを比較して業者を選ぶことができます。

ただし、建築業者に頼む際の注意点として、店舗の内装工事における経験の深さが挙げられます。具体的には、業者のウェブサイトで情報をチェックしたり、以前の店舗工事の実績を確認することが重要です。多数の店舗内装実績と豊富な経験を持つ建築業者であれば、考慮する価値があります。

 

03. デザイン事務所

デザイン事務所は、主にデザインや設計に特化しているため、以前触れた内装業者や建築業者とは役割に大きな差が見られます。特定のデザイナーの持つ独特のデザインスタイルが求められる時や、過去の実績を元にデザイナーを選びたい際に選ばれることが多いです。ただし、デザイン事務所を利用する際の留意点として、特定のデザイナーを選ぶ場合、他との比較が難しい点が挙げられます。

全工程を担当するデザイン事務所も存在しますが、設計・デザイン専門の事務所も少なくないので、工事も一緒に請け負ってもらえるのか、それとも別途工事業者を選ぶ必要があるのかを事前に確認してください。設計と工事が分離される場合、デザイン事務所の費用として工事費用の10〜15%の設計料が追加されることがあり、その結果、全体のコストが上昇する可能性があることを考慮してください。

 

内装工事の種類

軽鉄工事(鋼製下地組立)

軽鉄施工とは、天井や床の下地作りに使われる細い鉄の材料を使用する工事を指します。木とは違って、水分や湿気に耐える特性を持ち、火災のリスクも低いため、今日の内装施工の場面で頻繁に選ばれています。主な施工箇所としては、天井や壁のフレームなどが該当します。オフィスや店舗、商業的な建物で部屋を分ける際に行われる施工で、火災対策をクリアできる、工事の期間を短くできる、コストが効率的であるという利点があり、現代の建築において軽鉄施工が主要な選択肢となっています。

 

板材施工(ボード取り付け)

板材施工は、天井やクロスの基礎となる工事の一つです。不燃性の建築材料である石膏ボードを壁や天井部分に取り付けるものです。クロスを取り付ける基盤としてのボードには、様々な役割があります。断熱、防音、耐火機能が主に求められますが、最近では板のバリエーションも増えてきています。したがって、建物の特徴や目的に応じて、適した材料での施工が推奨されます。

 

壁紙施工(クロス工事)

壁紙施工は、大きな予算を要せずに、室内の雰囲気を劇的に変化させることができる工事です。元々明るかった部屋を落ち着いたトーンに変えたり、逆に暗めの部屋を明るくしたり、クロスの変更だけで室内の全体感は大きく変わります。通常、壁紙の持続期間は約10年程度とされていますが、10年が経っても壁紙が綺麗なままであっても、定期的に張り替えを行うことで、室内を常に清潔に保つことができます。

 

塗装施工

塗装施工は、建物の表面に対して塗装を適用する作業を指します。使用される塗料には、色素、油分、合成レジン、付加物、そして溶媒が含まれています。外観を美しく保つだけでなく、さびや腐食、塵の蓄積を阻止する機能も持っています。一方で、全ての塗装が現場での作業とは限りません。工場で事前に生産された部品に対して施されるケースも考えられます。

 

左官施工

左官施工は、建築物の表面に壁土、モルタル、塗り漆、プラスター、繊維等を、塗布や吹き付け、貼り付ける方法で実施する作業を意味します。大体の場合、最後の仕上げとしての表面塗装作業を総称して指します。モルタルの防水施工は、防水認可もしくは左官施工許可で行うことができます。左官施工における代表的な施工例としては、和式の壁塗装、モルタルの塗装、プラスターの塗装、窓周りのモルタル充填、露出コンクリートの修復等が考えられます。

 

床の最終仕上げ施工

床の最終仕上げ施工は、住居やオフィスビル、公共の場、商業施設などの建物全般の天井仕上げや壁貼り、ふすまの取り付け、畳の敷設等と並ぶ、建築施工の完成を形作る重要な段階です。床の仕上げ専門家は、様々な素材から成る床材を駆使して、床の完成を追求します。施工の要件に基づき、高さの調整や空気の流れを考慮した下地作業も適切に行います。このように、機能性と外観の魅力を組み合わせる役目も、床の仕上げ施工が果たしています。

 

木製の建具施工

木製の建具施工は、木で作られた建具を設置する作業を意味します。建具とは、建物の開き部分に配される開閉する機能を有する部分のことを指します。主に、壁の開き部分に取り付け、ドアや窓として活用されます。木製の建具の例として、ふすま、インテリアドア、障子等が考えられます。通常の店舗建設の際、木製の建具施工は、インテリア施工の後、最終段階で進められます。最近では、デザインの良い建具も増えてきており、その建具が店の全体の雰囲気を作る大切なポイントとなるため、選び方にこだわる人も増えてきています。

 

店舗内装業者を選ぶ際のポイント

施工歴が長く実績が多い

インテリア専門家は、これまでの長いキャリアや多くの施工歴が、大きな信頼として立つ要素です。施工時には、円滑な進行はもとより、インテリアデザインについての深い知識も充分に保持しています。クライアントがどう決定すれば良いか迷った際も、的確な提案を行ったり、求めるデザインの方向性を理解し、具体化してくれるのがプロの真骨頂です。施工の経験がたくさんあるというのは、どんな状況でも頼れるサポートとなります。

さらに、多くの施工経験があることは、豊かなノウハウが溜まっている証拠です。これは、確かな技能を保有しているという評価を受けるための指標ともなります。そのため、安心してインテリア施工を依頼することができます。

 

専門知識が豊富

内装専門家と一言で言っても、内装工事には様々な特色が存在します。主要な内装工事の種類としては、店舗、住居、オフィスの3カテゴリーが考えられます。そして、これらの内装工事はそれぞれ特有の特色があります。デザインの方向性、実用性、そして専門的な要件に応じて、工事の手順や詳細は異なります。たとえば、レストランやヘアサロンのインテリアを計画している方は、そのジャンルの工事を豊富に手掛けてきた専門家を選定することが重要です。住宅の工事を中心に行っている専門家に店舗工事を任せると、希望する内容の施工経験が乏しいため、期待通りの結果にならないことがあるので注意が必要です。

依頼する際には、期待に応えてくれる専門家を選びたいですよね。その専門家がどのような専門知識を持ち合わせているのか、以前の施工実績はどうか、施工の件数など、専門家のウェブサイトを通して確認するか、直接尋ねるのも良い選択と言えます。

 

安心の保証制度あり

内装工事が完了したあとでも、何らかの問題が発生すること、または修復が必要になることがあります。このような場合、内装専門家に再度連絡をして、再施工を依頼することとなります。

しかし、工事を担当した専門家が対応しない場合、どのような手を打てばいいか迷ってしまうことも。そうした状況を避けるため、専門家を選定する際には、保証制度が提供されているかの確認が必須です。工事が終わった後の保証内容や期間をきちんと確認し、何が無料で対応され、何が追加料金となるのか、どのように連絡を取ればいいのかなど、事前にしっかりと情報を得ておくことが大切です。

 

一括で手続きが可能

店舗の内装工事を考える際、電気工事や床、壁、天井の作業には多くの業者が関与する場合が多いです。各専門の業者と連携しながら進行することになると、繁忙な中で何度も打ち合わせを重ねる必要が出てきます。このようなプロセスは、手間と時間がかかるもの。さらに、たくさんの業者とのコミュニケーションを続ける中で、工事の詳細や進行状況の把握が難しくなることも。そこで、複数の業者への分散依頼(分離発注)より、一括で手続きができる業者への依頼(一括発注)の方が、手間や時間を大幅に削減できます。そうすることで、開業に向けた他の準備や、ビジネスの戦略などにもっと時間を費やせるはずです。

 

担当の対応と人間性

内装工事を検討する上で、見積もりの取得は欠かせないステップとなるでしょう。ただ、見積書上には業界用語や専門的な表現が多く、素人からすると理解しづらい部分も少なくないはずです。そのような場合、詳しくわかりやすく見積内容を説明してくれる担当者がいれば、依頼者としては安心感を持つことができます。質問にも適切に答え、分からない点を丁寧に解説する対応があれば、その業者は信用に値するでしょう。

逆に、見積書が曖昧で内容がざっくりとしている、或いは質問への回答が不十分な業者は、信頼性に欠けると言えます。工事に関する疑問点に対して、はっきりとした答えを与えられない業者は避けるべきです。担当者の対応は業者選びの重要なポイントと言えるでしょう。理想とする内装やデザインについて、具体的な提案をしてくれる業者は、望む結果へと導いてくれる可能性が高まります。選ぶ業者には、実績や技術力だけでなく、担当者の対応や人間性にも目を向けることが大切です。

 

内装工事の料金相場とは?

飲食店内装工事の場合

飲食店の内装工事を進める際、新規開店時の坪あたりの費用は、30~50万円程度(厨房機器は含まれず)が標準と考えられます。リノベーション時の坪あたりの価格は、15~30万円程度(厨房機器は除く)が通常となっております。飲食店の内装において最も高額なのが、厨房の機器やそれに関連する工事費用です。

たとえば、プロ用のオーブンや大規模な厨房機器を導入する際には、それらの機材費や、関連する電気・ガス・水道工事の費用が要求されます。焼肉店でのロースターテーブルやダクト関連のコスト、レストランやパン屋での大規模な厨房機器の導入、和食レストランや寿司店で上質な木を採用する場合など、坪あたりの費用が50万円を超えることもあります。一方で、カフェやバータイプで一般的な調理器具で提供可能なメニューの場合や、居酒屋やラーメン店で特別大きな厨房機器を必要としないケースでは、坪あたりのコストは30万円近辺に落ち着くことが多いです。 

 

美容院・サロンの場合

美容院や美容サロンの内装工事において、新たな開店の際の坪当たりの価格は、30~40万円程度(シャンプー台などの設備は除外)となるのが一般的です。リノベーションの際の坪あたりのコストは、15~30万円程度(設備は別)が標準となっております。使用する家具や特注の内装によって、坪あたりのコストは変動します。特にラグジュアリーな内装を希望すると、高級ブランド並みの雰囲気作りで、坪単価が100万円程度必要な場合も考えられます。どれほどの豪華な内装を希望するか、初めに予算を設定して計画することが大切です。店舗を完璧に仕上げたいという願望は理解できますが、最初に予算の範囲を設定し、それを基に進めていくことで、最終的に満足のいく結果となるでしょう。

 

医療施設・診療所の場合

医療施設や診療所の内装リフォームを進める際、新規開設時の坪あたりの価格は、20~30万円程度(医療機器は除く)と考えられます。再構築の場合、坪あたりのコストは、10~15万円程度(医療機器は除外)となっています。医療施設や診療所の業態により、坪単価は大きく変動します。たとえば、歯科クリニックは設備工事、特に電気や水回りに関わる費用が増えることから、坪単価が50万円を超す場合があります。

一方、内科や眼科のような大規模な設備工事が不要な診療所では、坪あたりの費用が20~30万円程度(医療機器は除く)となるケースが多いです。ただし、レントゲンやCTを必要とする場合は、坪単価が上昇することが予想されます。

整骨院や整体所は、一般的なオフィスの工事範囲と同じなので、大掛かりな改修は不要です。その結果、標準の診療所よりもコストが低く、坪単価が15~20万円程度で収束することが多いです。

 

ビジネススペース・オフィスの場合

オフィスや勤務場所の内装リニューアルにおいて、新設の場合の坪あたりのコストは、10~20万円程度(機器は除外)が標準とされています。リノベーションの場合、坪単価は、5~10万円程度(機器は除く)となっています。オフィスや勤務場所だけでなく、通常のスポーツセンターやプライベートジム、塾や英語教室などの教育施設、服飾店や雑貨店も同じ坪単価が指標となり、新設の場合は10~20万円程度、リノベーション時は5~10万円程度とされています。

オフィスやスポーツセンターで新たに建物を構築するシチュエーションや、スポーツセンターでプールや特殊な機器が必要なケース、服飾系の店舗でカスタム什器が要る場合、坪単価が50万円を超えることもあるでしょう。

最終的に、様々な業界で、リノベーション時の坪単価は10~30万円程度と考えられます。たとえば、居抜き物件とスケルトン物件との差により、工事費用は変動します。さらに、エアコンやトイレが既設の物件では、工事費用の節約が期待できるでしょう。

 

まとめ

店舗内装工事とは、すでに出来上がっている建物内部で行う工事のことです。店舗内装業者に問い合わせてから完成まで3~5ヶ月程度かかるため、事前にスケジュールをきちんと組んで早めに行動しましょう。業者によって特徴が異なるため、どこに依頼するかを決めてから業者を探しましょう。

 

関連記事

飲食店の内装改装費用と坪あたりの価格

飲食店成功の秘訣|内装デザインのコツ・工事費用相場・施工事例を徹底解説

 

【SHOP】会社・サービス案内

SHOP(店舗/商業空間)のマーケティング・設計デザイン・施工サービスの案内資料です。ミッションや役員紹介、売上推移などの会社情報や、CX設計〜デザインの考え方やコンセプト、こだわり、私たちの強みを網羅的にご紹介しています。

無料ダウンロードはこちらから

 

【施工】ユニオンテックの職人集団のご紹介

スペースコンストラクション(空間施工)事業のサービス紹介資料です。工事のみのご依頼も承っておりますので、ぜひご覧ください。

無料ダウンロードはこちらから

ご相談は
こちら