デスクワーク時、腰や肩への負担を減らす正しい姿勢
ノウハウ 2023.10.12

長時間デスクワークで肩こりや腰痛に悩んでいる方も多いでしょう。デスクワークを減らすのが難しい場合でも、正しい姿勢を保つことで不調を軽減できます。正しい姿勢とは何か、デスクワークでの不調の原因から始め、オフィスチェアやクッション、パソコンスタンドの選び方も解説します。

 

姿勢改善は身体の負担軽減に

デスクワーク中の正しい姿勢は、身体への負担を軽減します。どのような効果があるのでしょうか。以下に3つの効果を紹介します。

 

01. 腰痛・反り腰の予防

立っているときは足全体が体重を支えていますが、座ると背中の筋肉や背骨を中心に上半身を支える必要があります。正しい姿勢を保つことで、重心が安定し、お腹周りの筋力が鍛えられ、腰への負担が軽減されます。

座った状態では、立っているときの約1.4倍の負荷が腰に掛かり、腰痛や「反り腰」の原因になります。「反り腰」とは、背骨のS字カーブが失われ、腰が過度に反る状態のことです。浅く腰掛けて座り、背筋を伸ばす座り方を続けることで、上半身が不安定になり、腰に過度な負担がかかります。

デスクワーク時間を減らすことが難しい場合でも、正しい座り方を実践することで腰への負担を軽減できます。

 

02. 肩こりの予防

肩こりの原因は、頭や両腕を支えている肩甲骨周りの筋肉が緊張し、血流が滞ることです。デスクワークで同じ姿勢を長時間続けると、肩甲骨周りの筋肉が緊張します。また、姿勢が崩れると筋肉の緊張が強まり、肩こりが起こりやすくなります。

肩こりを予防するためには、作業中に肩を上げたり、キーボードの位置が高かったり、椅子の高さが合っていないなどの身体の位置と机・椅子の高さに気をつけることも大切です。正しい姿勢を保ち、肩に無駄な力が入らないようにしましょう。

 

03. 眼精疲労の予防

長時間のデスクワークで、目の疲れや奥の痛み、熱さなどの眼精疲労が起こることがあります。これは、パソコンモニターを長時間見続けることで、目の周りの筋肉が緊張するためです。特に、顎や顔を前に突き出す姿勢では、顔とモニターが近すぎて眼精疲労が起きやすくなります。モニターとの距離を約50〜70cm保つことが大切です。また、モニターの高さが高すぎると、上を見上げることになり、ドライアイの原因になります。姿勢を正し、モニターと適切な距離を保つことで、目への負担を軽減できます。

 

デスクワーク中の理想的な姿勢・座り方とは?

正しい姿勢はデスクワークでの身体の不調を和らげます。正しい姿勢の基本は次の3つです。

 

01. 座骨を椅子にしっかり当てて、背筋を伸ばす

椅子に座り、体を揺らしたときに座面に当たる骨は「座骨」です。 正しい姿勢は、椅子に少し前傾姿勢で腰を深く当て、座骨が座面に当たり、背筋を伸ばすことです。 この姿勢を保つために、お尻を椅子の奥まで押し込み、背中を背もたれにあてずにまっすぐに座ります。 このようにすると、座骨に体重が均等にかかります。

 

02. 踵までを地面にしっかりつける

足裏はつま先だけでなく、踵まで地面にしっかりつけましょう。そして、膝裏の角度が90度になるように座ります。踵が地面についている場合でも、座面が低すぎて膝裏の角度が90度になっていない場合は、座面の高さを調整する必要があります。座面が低すぎると、机の高さと合わず、肩や首に負担がかかり、肩こりや首こりの原因になります。

膝裏と椅子の間には、手の指が入るくらいの隙間を作ります。ここに隙間がないと、足の血液の循環が悪くなり、足のむくみが生じる可能性があります。もし足裏を正しく地面につけられない場合、椅子の高さやサイズが体に合っていない可能性が高いです。座面の調整や新しい椅子の検討、フットレストの使用などを考えましょう。

 

03. 頭は重心を保ち、顎を引く

顎を引いて、頭をまっすぐ上にキープします。頭はまるで上から紐で引っ張られているかのようなイメージです。同時に、顎を引いたまま、目線がパソコンのモニターと約20〜30度の角度になるように調整します。通常、頭の重さは約5kg前後あります。正しい位置にキープしないと、背骨や筋肉に余計な負担がかかり、不調の原因になります。また、顎が前に出た状態を長時間続けると、猫背の原因にもなり得るので、気をつけましょう。

 

デスクワーク中に正しい姿勢が維持できるオフィスチェアの選び方

正しい姿勢を保つために、適切なオフィスチェアの選択が重要です。自分の身体に合わないオフィスチェアでは、正しい姿勢を維持するのは難しいです。以下では、オフィスチェアを選ぶ際のポイントを紹介します。

 

姿勢維持をサポートするための注意点

デスクワーク中に正しい姿勢を維持するためには次の点に注意しましょう。

  • 座面までの高さ
  • 背もたれの高さ
  • 座面の素材・中材

オフィスチェアを見た目だけで選ぶのは、正しい姿勢を保つのに問題を引き起こす可能性があるので気をつけましょう。以下に、各項目ごとに留意すべきポイントを示しました。オフィスチェアの選択肢を検討する際に、これらを参考にしてください。

  • 座面までの高さ:身長の4分の1の高さが理想
  • 背もたれの高さ:肩甲骨の上まであると良い
  • 座面の素材・中材:メッシュやモールドウレタンが良い
  • 座面までの高さ:座面の高さは身長の4分の1がベストです。椅子の高さを考える際に、"差尺"という概念も考慮しましょう。差尺とは、座面から机の天板までの高さを指し、身長の6分の1を目安にします。座面の高さと差尺を合計することで、床から机までの適切な高さが求められます。

具体例として、日本人の平均身長(※)をもとに計算をします。

※出典元:スポーツ庁「令和2年度 体力・運動能力調査」

【平均身長】

女性:約158cm

男性:約171cm

 

【座面の高さ(身長×0.25)】

女性:158×0.25=39.5cm

男性:171×0.25=42.75cm

 

【差尺(身長×0.17)】

女性:158×0.17=26.86cm

男性:171×0.17=29.07cm

 

【机の高さ(座面の高さ+差尺)】

女性:39.5+26.86=66.36cm

男性:42.75+29.07=71.82cm

 

上記はあくまでも目安です。実際に座ってみて、正しい姿勢を維持しやすいかがポイントです。

 

背もたれの高さ

オフィスチェアの背もたれは3種類の高さがあります。

 

01. ハイバック(肩の上まで高さがある)

メリット
  • 背もたれが広く、長時間座っても疲れにくい
  • ランバーサポートやヘッドレスト付きなど、高機能のモデルが多い
デメリット
  • 他の種類に比べると高価な傾向
  • 大きいため圧迫感がある

 

02. ミドルバック(肩甲骨あたりまで高さがある)

メリット
  • 身体を支える力は強いが、ハイバックほど圧迫感がない
  • ハイバックとローバックの中間の価格帯
デメリット
  • 他の種類に比べると商品数が少ない

 

03. ローバック(腰くらいまでの高さ)

メリット
  • 背もたれが低く、圧迫感がない
  • 他の種類よりも安価な傾向
デメリット
  • 身体を支える力が弱く、長時間座ると疲れやすい

 

腰痛の傾向がある方には、ランバーサポート付きの椅子がおすすめです。ランバーサポートとは、背中と背もたれの間にできるスペースを埋めるためのクッションで、腰にフィットして腰への負担を軽減します。ランバーサポートが付いた椅子を選ぶことで、快適な座り心地を実現できます。

 

座面の素材・中材

オフィスチェアの座面に使われる一般的な素材には「メッシュ」「ウレタン」「モールドウレタン」があります。柔らかい素材はくつろぎのときに快適ですが、長時間のデスクワークでは姿勢が安定しづらいことがあります。座り心地や効果が異なるため、目的に応じて適切な素材を選びましょう。

 

デスクワーク中の正しい姿勢維持をサポートするアイテム

01. クッション

正しい姿勢をキープするのは難しいことがあります。そのため、機能的なクッションを利用すると良いです。機能性クッションは、座るだけで骨盤の適切な位置を保ち、長時間の座ったままの姿勢をサポートします。クッションには、体圧を分散するものや通気性の高いものなど、さまざまな種類があります。自分の目的に合わせて選びましょう。クッションを使う場合、座面の高さを調整して、クッションの厚みを考慮して適切な高さにしましょう。

 

02. パソコンスタンド

パソコンスタンドを使い、モニターと目線の高さを調整することで、正しい姿勢を保つのが可能です。パソコンスタンドを選ぶ際には、ノートパソコンのサイズに合うか、角度や高さを調整できるか、熱対策があるかどうかを確認しましょう。角度や高さが調整可能な場合、顎を引いたり背筋を伸ばした状態でもモニターを見やすくし、腰や肩、首などへの負担を軽減できます。長時間のデスクワークでパソコンが熱くなることがありますが、アルミニウム製や背面がメッシュ状のものは熱を逃がすのに役立ちます。

 

03. 姿勢矯正ベルト

デスクワーク中には、無自覚に楽な姿勢をとってしまうことがあるため、姿勢矯正ベルトを使って姿勢の乱れを防ぎましょう。ベルトには胸の前で留めるタイプや、腰から肩にかけて固定するタイプなどさまざまな種類があります。初めて使用する場合は、補正力の弱いものから試してみましょう。ベルトに慣れてきたら、徐々に補正力を高めることができます。オフィスで使用する際には、服の下に薄手のものが適しています。肌に近い色合い(白やベージュなど)を選ぶと目立たないでしょう。

 

デスクワーク中の疲労改善につながる日頃のケア

ストレッチ

正しい姿勢でも、長時間同じ姿勢を続けると筋肉が緊張します。仕事の合間や昼休みなどに、簡単なストレッチを行って筋肉の緊張を解き、腰痛や肩こりを和らげたり予防したりしましょう。

  • 肩の上げ下げ:肩を上げて一呼吸、息を吐きながら力を抜いて下ろす。
  • 背中:両手を組み、前に伸ばし、おへそを中心に背中を丸める。
  • 腰:背中を伸ばし、からだを後ろにひねり、背もたれを掴む。
  • 首すじ:親指以外の指で頭を支え、親指で首すじをマッサージする。
  • 首まわし:首と肩の力を抜いて、首をゆっくりまわす。
  • 上半身:両手を組み、上に伸ばしながら胸を張る。

 

眼精疲労対策にツボ押し

パソコンのモニターを長時間見続けると、目の周りの筋肉が疲れてきます。こうした疲れを和らげるために、ツボを押すことが役立ちます。

ツボを見つけるコツは、まずツボが大まかにどこにあるかを感じ取ってから、その場所を指で軽く押してみることです。心地よい痛みが感じられれば、正しいツボを押している証拠です。ツボを押すときは、指の腹を使ってツボに垂直にゆっくりと圧力をかけ、3~7秒ほどツボを刺激し、指をゆっくり離すようにします。

以下に、眼精疲労の回復に役立つツボを3つご紹介します。

 

01. 太陽

このツボは、眉尻と目尻を結ぶラインの中心から少し外側に位置していて、こめかみのくぼみの部分です。このツボを押すことで頭痛、めまい、目の充血などに効果があります。ツボを刺激する際は、中指を使って左右同時に、心地よい程度の圧力で押しましょう。また、ツボの周りを指の腹で円を描くようにやさしくマッサージすることも効果的です。

 

02. 晴明

目頭と鼻の付け根の間にあるツボは、目のかすみ、充血、目の痛みなどに効果があります。ツボを刺激するために、目を閉じて、右手の親指と人差し指を使ってツボをつまむように押しましょう。指でツボをゆっくり円を描くように押し、目を閉じたまま、やや内側を上向きに圧迫します。この操作を1分ほど続けてみてください。

 

03. 攅竹(さんちく)

顔の中央、鼻側の眉毛の生え際の部分にあるツボです。眉毛の内側を指で押すと少し凹んだ部分があるため、そこを押します。親指または人差し指を使い、ツボに対して45度くらいの角度をつけ、斜め下から眉毛を押し上げるようにしましょう。3~5秒ほどツボを押し、ゆっくり力を抜き、また3~5秒かけて押し上げるのを20回ほど繰り返します。指で回すように押すのも効果的です。

 

まとめ

長時間のデスクワークは身体を凝らせ、腰痛や肩こりのような不調を引き起こす原因となります。デスクワーク自体が身体への負担が大きいものですが、背中が丸まる、パソコンのモニターと顔の位置が近すぎるなど、姿勢が悪くなることで不調のリスクが一層高まります。

本来であれば、デスクワーク時間を減らすことが理想的ですが、仕事の都合でそれが難しいことも多いでしょう。しかし、腰痛や肩こりを予防するためには、正しい姿勢を維持することが大切です。姿勢を維持するために、適切なオフィスチェアに座る、作業の合間に適度なストレッチを行うなど、さまざまな方法があります。快適なデスクワークを実現するためにこれらの方法を試してみましょう。

 

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