【オフィスメイキングnote.】株式会社日本レーシングサービス様

(左から順に)
ユニオンテック株式会社 ワークスペースプロデュース事業部 プロジェクトマネジメント部 山本泰輔
株式会社日本レーシングサービス 総務部 総務課 村本敦 様
ユニオンテック株式会社 ワークスペースプロデュース事業部 クリエイティブデザイン部 デザイン2G 里山広忠

社員からは、「環境が良くなった」という声をもらっています。2025年10月、丸1年を迎えたタイミングでアンケートをとったのですが、8〜9割は「働きやすくなった」と言っていただけて、ホッとしています。また、今採用も行っていますが、ここまでの選考で残っている人の数が、例年の倍なんです。少し驚きましたね。

株式会社日本レーシングサービス 総務部 総務課 村本敦 様

“こんな会社にしたい”と思うイメージ、社員の働き方改善など、お客様が思い描くご要望に対し、内装デザインをとおしてユニオンテックがどのようにお応えしたか? プロジェクトの裏側にある“ストーリー”を覗くことができる「オフィスメイキングnote.」の第16弾。

今回お話を伺ったのは、株式会社日本レーシングサービス様。地方競馬のシステム運用や場外発売所の運営、主催者支援などの事業を行う企業です。今回の移転で、窓から大井競馬場が望める好立地に移転。オフィスのデザインにも競馬愛がにじんでいました。

 

社内でプロジェクトチーム結成! コンセプトは“Work Park”に

―― どのような経緯で移転を決めたのでしょうか。(以下、敬称略)

村本 このオフィスビルが新たに建てられると知り、移転が決まりました。以前のオフィスは大井競馬場駅の隣の天王洲アイル駅にあり、12年間ほどその土地にいたのですが、仕事柄大井競馬場に足を運ぶ機会が多いんです。なかにはオフィスと大井競馬場の二拠点生活を送る社員もいたので、「もっと近くに移転したほうが働きやすいはずだ」とは考えていました。また、このビルには競馬関連の会社や団体さんがいくつか入ることが決まっていたので、「同じビル内にオフィスを構えれば連携が取りやすい」という経営判断もありましたね。なので、場所ありきでした。

―― 移転をしたいから物件を探すのではなく、物件が決まったから移転したと。大井競馬場の近くというのは、それだけ便利なのですね。

村本 そうですね。こちらに移転してからは、昼休みに少しだけあちらに行って戻って来るといったこともしやすくなりました。実際、行き来している社員はかなり増えたと思います。天王洲アイルからもそれなりに近かったのですが、今は目と鼻の先ですから。やはり楽ですね。

―― 移転が決まってから、社内でプロジェクトチームを作ったと聞きました。チーム内で、新オフィスの方向性などはある程度固められていたのでしょうか。

村本 はい。前のオフィスは平成の時代に作ったので、固定席が島ごとに配置されている、面白みのないオフィスでした。グリーンなどもなく、さみしい印象がありましたね。そのため、まずはチーム全員でオフィス見学ツアーに参加して、いろいろなオフィスデザインを見るところからはじめました。そうして最新のオフィスを知ったうえで、コンセプトを考えました。

―― なるほど。デザインの知識も増えるでしょうし、想像も膨らみやすいでしょうね。

村本 フェイクグリーンで装飾されたオフィスを見て「こんなところで働きたいね」といった話もしていました。同時期に、役員から「次のオフィスはフリーアドレスにしてほしい」「広い会議室を一つ設けてほしい」といった要望もおりてきたので、それを踏まえつつ、“広くて緑のあるスペースを作りたい”という思いでプロジェクトを本格的にスタートさせました。チーム全員の意志が統一されたのが、このタイミングだったと思います。その後、“Work Park”というコンセプトも決まりました。

―― “Work Park”にはどんな思いを込めたのでしょうか?

村本 “公園のような環境で、楽しくリラックスして働きたい”という思いを込めています。半分ダジャレなのですが…“Work”はワクワク働きたいという意味も入っています(笑)。そして“Park”は、公園と競馬場のダブルミーニング。競馬場はパークと表現されることもありますからね。業者さんにお願いする際、このコンセプトも含めて説明をさせていただきました。

与件やヒアリング内容をまとめた資料

 

異例だった2度のコンペ…その意図と選ばれた決め手

―― 依頼する業者の候補に、ユニオンテックを加えていただけた経緯を教えてください。

村本 親会社の移転を手掛けた業者さんなど、もともとお付き合いのある業者さんのなかから決めようと考えていたのですが、とある業者さんのパートナー企業としてユニオンテックさんがいらっしゃいました。なので、私が自らユニオンテックさんを探し出したというわけではなく…大変失礼なのですが、最初は存じ上げませんでした。

―― そうだったのですね。ともあれ、ユニオンテックも参加してコンペが行われることになりました。その際に伝えた具体的な要望を教えてください。

村本 役員からの要望であるフリーアドレスと、広い会議室に加え、「社員のみんなが集えるようなフリースペースが欲しい」とお伝えしました。あとは、グリーンを事務所内に配置してほしいともお話したと思います。

―― まさに“Work Park”ですね。

村本 そうですね。それを、ユニオンテックさん含む4社にお伝えして、どんな提案をいただけるのか待っていました。

山本 村本様、細かいところまで覚えていただいていますね。

村本 昨日、おさらいしました(笑)。

山本 わざわざありがとうございます。我々が鮮明に覚えているのは、ご提案の機会が2回あったことです。コンペは基本的に1回で終わるのですが、日本レーシングサービス様は1回目のコンペの内容をふまえて与件を整理されて、その与件を基にもう1度コンペが行われました。その流れが個人的には新鮮でした。

村本 我々にとってここまで本格的な移転のコンペは初めてでしたので、どういった形で提案していただくのがベストなのだろうと考えた結果、2度行うという形になりました。最初はざっくりとした提案をいただいて、我々の与件の不足部分を補い、2度目でより踏み込んだ本提案をいただきました。

―― オフィス見学ツアーと同じで、各社の提案を見るとできることが明確に分かりますものね。では、ユニオンテックが1度目に提案した内容を教えてください。

山本 コンセプトが“Work Park”ですので、まずは何でワクワクを感じていただくかを軸に考えていきました。そこで「競馬に関する雑談が生まれる環境はどうだろう?」という考えに至りました。

里山 そうでしたね。1度目のコンペのテーマは、“雑談を増やすこと”に絞っていました。エントランスから入ってすぐのスペースに競馬関連のアイテムを飾れるディスプレイを設置したり、ドリンクコーナーを設けたり、競馬が見られるモニターを設置したりして、雑談しやすい環境を作り出しました。

―― その結果、日本レーシングサービス様が求める“Work Park”が実現できるということですね。

里山 我々はそう考えていました。また、雑談以外の要素で言うと“外とのつながり”も意識しています。窓の外にあるバルコニーには緑がたくさん植えられていて、公園を表現するにはうってつけです。なので、エントランスからも窓の向こうが見えるよう、間には背の高い家具などを置かないようにして抜け感を出しました。外の景色もオフィスデザインに加えるようなイメージですね。

―― バルコニーの向こうには、大井競馬場も。この景色を遮るのはもったいないですね。

村本 コンペに参加してくださった4社は、当たり前ですが与件をしっかり形にしてくださいました。大きな会議室もフリーアドレスの執務スペースも、みんなが集まれるスペースも盛り込まれていました。ただそのなかで、ユニオンテックさんだけ、「会議室を使用していないとき、パーテーションを取り払うことができます」と、会議室の別の使い方まで提案してくださいました。考えてみると、会議室は使わなければ持て余すだけですので、マルチに使える提案は印象的でした。

―― そこが、ユニオンテックを選ぶ決め手になったということでしょうか。

村本 そうですね。また、当時の資料に「ユニオンテックさんの提案には、ワクワク感がある」というメモが残っているのを昨日見つけました(笑)。そこも、決め手になったと思いますね。加えて、取り組む姿勢も印象に残りました。コンペ当日までに各業者さんからヒアリングをしていただいたのですが、ユニオンテックさんが一番多かったんです。社長(ユニオンテック代表取締役・大川)ともお話して、「村本さんは、どうなったら移転が成功したと言えると思いますか?」という質問をいただいて、そこまで考えていなかったと焦りました(笑)。

山本 そうでしたね。踏み込んだところまでヒアリングさせていただきました。「このプロジェクトにキャッチコピーをつけるなら?」ですとか、ずいぶん答えづらい質問もさせていただきました。

村本 そういったところから、オフィスデザインと向き合う姿勢がすばらしいなと感じましたね。これもユニオンテックさんにお願いする理由としては大きいと思います。

―― ユニオンテックとしては、ヒアリングでどういったことを聞こうと考えていたのでしょうか?

里山 今回は“Work Park”というコンセプトが決まっていたので、シンプルに考えると公園っぽく仕上げればいいのかなと思うのですが、言われたことをただやるのではなくプラスアルファが欲しいと考えていました。そのヒントになるものがなにかないか、という気持ちでヒアリングさせていただいて、その結果行き着いたのが先ほどお話していた“雑談するオフィス”でした。

――なるほど。深層心理ではないけれど、より深いところまで知ろうという意識でヒアリングをしていたのですね。

里山 はい。そうしたところ、「実は半年前からこのプロジェクトが動き出していて」といった背景まで教えていただけて、非常に参考になりました。

山本 ある程度の情報は与件資料にまとめていただいていますが、ヒアリングしていると与件資料にのっていない本質的な話をしていただける瞬間があります。今回は、それをうまく提案に活かせた気がしますね。

 

オフィス内にパドックを…? 実現までの道のり

―― 1度目のコンペと2度目のコンペでは、どういった変更を施しましたか?

里山 実は、そこまで大きく変えませんでした。倉庫の位置を少しずらすような、ディテールの修正くらいですね。ただ、受注後に大きく変わったところはあります。その代表格が“パドック”です。エントランスを抜けてすぐの場所にある、ラウンジスペースなのですが、日本レーシングサービス様とすり合わせていく中でだんだん形になっていきました。

村本 もともとラウンジスペースには円形ソファが配置されていたのですが、弊社のプロジェクトメンバーとの打ち合わせの中で「せっかく円形になっているのなら、競馬場のコースのようにしたいよね」という話になりました。それがきっかけだったと思います。

里山 最初は、シンボルツリーを中央に置いて、その周りにベンチやパントリー、ドリンクスペースが点在するようなレイアウトでしたよね。

村本 はい。中央のシンボルツリーは、九州にあった荒尾競馬場をモチーフにしています。もう無くなってしまった競馬場なのですが、弊社が業務を手伝っていた時期があり深いつながりがあるんです。プロジェクトチームのなかにも荒尾競馬場の事業に関わっていたメンバーがいますから、ぜひ再現しようと思っていました。そこから、どんどんアイディアが膨らんでいきましたね。そして「サイズ感を大きくして、パドックみたいにしよう」という話になりました。

山本 デザインのスケッチも頂きましたよね。

村本 そうでしたね。パドックにしてサイズも大きくしたら、パントリーやドリンクスペースはどうする? という新たな課題も生まれましたが、「それでしたら、全部パドックの中に入れてしまいましょう」と、里山さんにご提案いただいて。

里山 ほかのスペースを気にして、パドックを小さく表現してはさみしいですからね。それに、人が集まる雑談スペースを作りたいという当初からの思いも、パドックのなかにいろいろな要素を入れ込むことで実現できると思っていました。いただいたスケッチですと外側にぐるりとソファがついていましたが、円の中に入れるようにして、円の外側と内側にソファを置くようなデザインを提案させていただきました。

村本 それに、円の間を通り抜けられるようにしましたよね。

里山 はい。最初は、円の中に入れる場所を一か所だけ作っていましたが、ブラッシュアップしていくうちに横断できるようになっていきました。そういえば…当初は馬のオブジェを置く案もありましたよね? 1.5メートルから2メートルくらいの馬をパドックの中か、エントランスに置こうという話をした記憶があります。

村本 していましたね。懐かしい。

山本 馬を置いたときのイメージパースも作らせていただきましたね(笑)。

村本 競馬の会社らしさを出したいと思っていました。ただ、パドックのデザインがブラッシュアップされていくにつれて、その思いは達成された気がします。

―― では、ほかに苦労された部分はありましたか?

山本 マテリアル会議でしょうか。天板やファブリックの生地をどれにするか決める工程なのですが、2〜3時間の会議を3回行ったと思います。

村本 弊社のプロジェクトチームのなかにこだわりたいというメンバーがいまして、そのメンバー主導で進んでいきました。この段階で、最初に提案していただいた色から変わりました。

里山 当初は、“Park”をイメージして明るくさわやかな色でまとめていました。マテリアル会議にも、その方向性を持ったまま参加していましたが、お客様と話しているうちに落ち着いた雰囲気を求めていらっしゃるのだなと気づきました。

村本 どんどん渋くなっていきましたね(笑)。オフィスの椅子の色も、最初は水色でしたが、黒になりました。ほかにも全体的に黒が入っていますし、「スターバックス」のような雰囲気にしたかったのかもしれません。

山本 そう考えてみると…こちらにすべてを任せていただくというよりは、ラリーしながら皆様と一つずつ決めていったオフィス作りでした。有意義でしたね。

―― 引き渡しから1年以上経ちましたが、使い心地はいかがですか?

村本 社員からは、「環境が良くなった」という声をもらっています。2025年10月、丸1年を迎えたタイミングでアンケートをとったのですが、8〜9割は「働きやすくなった」と言っていただけて、ホッとしています。また、今採用も行っていますが、ここまでの選考で残っている人の数が、例年の倍なんです。少し驚きましたね。

―― 社員の皆様のコミュニケーションは増えましたか?

村本 前のオフィスは、固定席で個々に黙々と仕事をしていたのですが、今は所属部署関係なく近くの席の人に話しかけている姿をよく目にします。執務スペースの窓際にあるファミレスベンチでも、雑談が捗っているようです。“フリーアドレスあるある”なのか、だんだんと座る場所が固定化してきてしまいましたが(笑)。

山本 雑談が生まれているようでよかったです。執務スペースのデスクのレイアウトは、ただ一列にずらりと並べるのではなく、縦、横、縦、横と90度回転させながら配置しているので、周りに座っている方々が視界に入りやすく、比較的話しかけやすいと思います。

里山 ただずらりと並べるだけだと、固定席と変わりませんからね。席に動きをつけて、個性を持たせることで、「今日はどこに座ろうかな」という気持ちになりやすいとは思いますよ。

Photo=Yasuharu Hikawa Interview=Mayuge Matsumoto

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