
(内側左・右)
GLOE株式会社 取締役管理本部長 村田光至朗 様
同 代表取締役 谷田優也 様
(外側左・右)
ユニオンテック株式会社 ワークスペースプロデュース事業部 コミュニケーションプランニング部 プランニングG 倉持有沙
同 ワークスペースプロデュース事業部 樫尾瑞季
本気でふざけるとは、こういうことなのだなと思いました。プレゼンのためにフィギュアを作ってくる会社、ほかにありませんから(笑)。(中略)夢中になっていなければ、きっと途中で「なにをやっているんだ?」と我に返ってしまうでしょうし、ここまでのものは作り上げられませんよね。そんな準備段階の空気感まで伝わってくるプレゼンでしたので、ほかの業者さんとは全く違う印象を受けました。
GLOE株式会社 代表取締役 谷田優也 様
“こんな会社にしたい”と思うイメージ、社員の働き方改善など、お客様が思い描くご要望に対し、内装デザインをとおしてユニオンテックがどのようにお応えしたか? プロジェクトの裏側にある“ストーリー”を覗くことができる「オフィスメイキングnote.」の第15弾。
今回お話を伺ったのは、GLOE株式会社様。eスポーツの大会運営やコンサルティング、プロモーションなどを行うゲーミングライフスタイルカンパニーです。ゲームを仕事にしている会社だからこそ、常に“遊び心”を持っていたい――。今回の移転プロジェクトは、そんな思いにあふれていました。

―― まずは、移転の動機を教えてください。(以下、敬称略)
村田 コロナ禍に入ってからはリモートを推奨していたのですが、GLOEの社風とリモートの相性があまりよくなく、働き方を今一度考え直そうという段階に入ったことが動機としては大きいです。また、スタジオや倉庫が都内に点在していることもあり、社員が一つの場所に集まりづらく、業務が分断されている感覚もありました。なので、スタジオ、倉庫、本社を一か所にまとめて、みんなが顔を合わせて働けるオフィスを作りたいと考えました。そうすればOJTを通してGLOEらしさを伝えやすくなりますからね。
―― もともと、スタジオや倉庫はいくつくらいあったのでしょうか?
村田 スタジオが3つ、倉庫が2つありました。
谷田 以前の本社は新宿御苑にあったのですが、スタジオと倉庫は駒込、秋葉原、合羽橋と点在していて、どこに行くにも本社から片道40分くらいかかっていました。
村田 もともと弊社は2つの会社が合併しているので、それぞれの会社のアセットをそのまま使うとなると、どうしてもこの形になってしまいました。運営しているイベントが深夜に終わった場合、そこから倉庫に物を片付けに行くことになるので、社員も大変だったと思います。だからこそオールインワンにしたほうがいいと思い、ワンフロアに全てを集約するということにこだわりました。
―― 十分な広さがあるフロアが良いと。
村田 そうですね。そもそも新宿御苑の本社にも入り切らないくらいの社員数になっていたので、できる限り出社してもらえるような環境を作るためには何にせよ移転をしなければ、という状況でした。
―― では、物件探しはどのように進められましたか?
村田 2つの会社が合併していることもあり、全社員が本社のあった新宿御苑に通いやすい場所に住んでいたわけではないので、不公平感が出ない場所にしようと思っていました。そのため渋谷駅や新宿駅近辺などの主要駅で探した結果、この物件になりましたね。

―― 物件が決まったら、その後は改装のことを考え始めるかと思います。コンペにしたいとは当初から考えていたのでしょうか?
村田 考えていました。今回は3社にお願いをして、各社に「こんなオフィスにしたい」というお話をお伝えしました。
―― 具体的には、どのような要望を出されましたか?
村田 「“真面目に面白い”をテーマにしてほしい」といったお話をしました。真面目に働くだけでなく、そこにユニークさを加えた仕事をする集団がGLOEだと僕は考えているので、「そういった雰囲気をオフィスデザインにも反映してください」と。
谷田 ユニオンテックさんの提案は、無茶苦茶でしたよ(笑)。
村田 ユニオンテックさんは斬新でユニークな提案をしてくださいましたよね。資料も100ページくらいあって。
谷田 本気でふざけるとは、こういうことなのだなと思いました。プレゼンのためにフィギュアを作ってくる会社、ほかにありませんから(笑)。
村田 GLOEの社風を、ユニオンテックさんは再解釈をしたうえで自分たちの提案をしてくださいましたよね。
―― そもそも、プレゼンに挑むにあたり倉持さんと樫尾さんはどんな準備をしたのでしょうか?
倉持 ヒアリングの段階では、GLOE様の事業スタイルや社員の皆様の働き方があまり想像できなかったので、各部署の役割やオフィスでの理想の働き方を伺いました。
樫尾 そうでしたね。ただ、今回は必要な部屋数や席数など、レイアウトに必要な情報をいただくのみで、デザインの方向性はあえて壁打ちしませんでした。

―― それはなぜでしょうか。
倉持 GLOE様の事業内容は少し特殊で外からでは分かりづらいうえに、上場されていることもありどうしても硬い企業といったイメージがあります。なので、“真面目で面白い”というワードとは、ずいぶんギャップを感じるのですよね。そしてGLOE様が抱えていらっしゃる課題もまさにそのギャップを埋めるという部分でしたので、ならばユニオンテックもそこに照準を合わせ、私たちなりの“真面目で面白い”を表現しようとプランを固めました。なのであえて経過をお伝えせず、プレゼン当日に一気にお見せしようと考えたのです。先ほど谷田さんがおっしゃっていたフィギュアも、「何人くらい作ろうか?」「GLOE様は10周年だから、10人かな」と、真面目に考えました。あと…プレゼン資料にBGMがついていたこと、覚えていますか?
谷田 覚えていますよ! とても印象に残っています。
倉持 RPGっぽい音を流しながらプレゼンしました。さらに、同席していた弊社の笹森くんが「僕はリュウ!」とキャラクターのアテレコまで披露しましたし(笑)。そのほかのキャラクターのエクセルもお見せして、キャラクターに振り切ったプレゼンをさせていただきました。もちろん単なるキャラではなく、それぞれが働く意味を伝えるという役割を担っていたので、キャラ紹介に特化した冊子も作らせていただきました。
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―― それがユニオンテックの考える“真面目に面白い”だったのですね。それにしても、振り切ったなという印象ですが。
倉持 そうですよね(笑)。
谷田 過去20回くらいのプレゼンのなかで、僕らみたいなケースはどのくらいあるものですか?
倉持 1回あるかないか…でしょうか。ただ、私は9年目にしてはじめて経験しました(笑)。楽しかったです。
谷田 “夢中の景色”を見たんですよね。夢中になっていると、マリオがスターを取って無敵状態になったときのように普段以上のスピード感で仕事をこなせてしまうものだと思うのですが、まさにそれを体現されています。夢中になっていなければ、きっと途中で「なにをやっているんだ?」と我に返ってしまうでしょうし、ここまでのものは作り上げられませんから。そんな準備段階の空気感まで伝わってくるプレゼンでしたので、ほかの業者さんとは全く違う印象を受けました。


プレゼン時にご提案したパース画像
―― では、早い段階でユニオンテックに決めてくださったのでしょうか。
谷田 その日のうちに決めていたよね?
村田 はい。3社のプレゼンが終わってすぐ、みんなで集まってユニオンテックさんに決めました。
谷田 世間一般的に、ゲームを作る会社には馴染みがあると思いますが、ゲームをする方々に向けたビジネスをしている僕らのような会社は、あまり多くありません。採用エージェントや投資家さんとお話をすると「宇宙の話をされているみたいでした!」といった反応をされることもあるくらい、新しい仕事をしている自覚はあります。
だからこそ、僕らがやっていることに敬意を払い「面白いですね!」と言ってくださる方々とご一緒することが、僕らにとっては重要なのです。結局は人と人ですから。最終的なデザインは、プレゼンの段階と比べるといろいろ変わってしまいましたが、どこをどのように変えたいかといった相談も、お互いのチューニングが合った状態で話し合えましたし、わがままを言ってもずっと付き合ってくださるだろうなという安心感もありました。そしてなにより、夢中を感じさせてくださった。これに尽きます。
倉持 ありがとうございます。うれしいです。
―― そして実際にプロジェクトが動き出しましたが、どのような変更が加えられたのでしょうか?
村田 プレゼンの段階ですと、スタジオは1つの想定でレイアウトをしていただいたのですが、もともと3つありましたから「1つでは足りない」という結論になり、なんとか2つ収めていただきました。
谷田 コロナ禍以降、配信できる環境は必須です。新オフィスを作るにあたり、本社内にスタジオを複数作れば、今まで以上に手軽に配信できるようになるので、優先度は高かったですね。
―― とはいえ、スタジオを2つ作るとなると、ほかのスペースを狭くすることになりますよね。
樫尾 なので、今ゲーミングエリアと呼んでいるフリーエリアを削っていきました。当初、オフィスではあり得ないくらいの広さを割いていたので、削るならここしかないなと思っていました。ただ、GLOE様の意向としては、ゲームをプレイできるエリアもマストでしたので、スタジオを入れなければいけないけれど、ゲーミングエリアを必要以上に削りたくないという思いでレイアウトを決めていきましたね。

―― eスポーツの会社ですものね。
樫尾 たしか、新宿御苑の本社はゲームスペースがとても狭かったですよね?
村田 そう、角にちょっとあるだけでした。
谷田 上場準備の際「このスペースは必要ですか?」と言われてしまい…あわやなくなってしまうところを、なんとか死守しました。
村田 現実的なことを言うと、上場に向けて必ずしも必要なスペースではありませんからね。
谷田 ですが、僕らにとっては必要です。新宿御苑の前に借りていたオフィスが北参道で、その前が目黒だったのですが、目黒から北参道に移転する理由が「オフィス内のゲームスペースが狭くなってきたため」で、わざわざリリースを出したことがありますから(笑)。そのくらい、ゲームスペースも優先度が高いです。
倉持 なおかつ、実用度の高いスペースにしなければいけないので、社内のツテをたどりプロゲーマーさんのゲーム環境を見に行かせていただきました。
樫尾 そこで最低限確保しなければならないスペースをリサーチして、レイアウトに反映しました。倉持さんはゲームをやりませんし、私はやるけれどPCには触れてこなかったので、PCゲームには何が必要か分からないままレイアウトを考えたくはありませんでしたからね。

―― こうして、こだわりのオフィスが完成しました。出社率や社員の皆様のコミュニケーションなど、変化は見られますか?
村田 これまでリモートだった社員も自然と出社するようになり、「進捗はどんな感じ?」「ここのコストなんだけど」とその場で相談して解決する場面も見かけます。経営側としては、そういう光景を見られて非常にうれしいですね! もしかしたら「なんでわざわざ出社しないといけないの?」と思っている人もいるかもしれませんが、一方で出社を楽しんでいる人がいるのも事実。会社全体のパフォーマンスはとても良いです。このオフィスにして良かったなと感じています。
谷田 それに、社員がオフィスのことをすごく好きになっていて、このオフィスを使った謎解きを作った社員までいます。この用紙のQRコードをLINEで読み込むと誰でも挑戦できるので、「うちの会社、謎解きができますけど遊びに来ませんか?」と会社に来てもらう理由を作れるくらいになりました。
倉持 すごい…!!
樫尾 面白いですね。
倉持 ぜひユニオンテック社内でも共有させてください! みんな喜ぶと思います。
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谷田 暇なときにはぜひ遊びに来てください。スマホとこの用紙さえあればできますので。
倉持 ぜひ!
村田 あと、社員同士がより交流しやすくなるように、ゲーミングエリアの端にクエストボードを設置しました。「おいしいお肉食べに行きませんか?」「VRチャットしませんか?」と仲間を募集する場として活用されています。
―― RPGなどの世界でよく見るシステムですよね。GLOE様とは親和性が高そうです。
谷田 Slackを使えば一発で社員全員に共有できるメッセージを、あえてアナログに落とし込んでいます。
倉持 ここまでしてくださっているなんて、感動です! また遊びに来ますね。

Photo=Yasuharu Hikawa Interview=Mayuge Matsumoto