今回のような医療ビルを作るのは、たいへん難しいことです。
フロアごとに、ドクターが監修をしていますが、すべてのドクターが使いやすくないといけないのでとりまとめもいろいろと大変です(笑)。
簡単にいうと12の病院を同時に作るような感じでしたから。
徳真会は1981年に新潟で最初の診療所をオープンし、これまで世界9カ国で地域に根ざした歯科医療を提供してまいりました。
多くは平屋で、大きくて200坪くらいですね。
今回、医療法人としてグループも大きくなり、都心部で他にはないような医療ビルを建設したいというのがグループの長年の目標でもあったので。
今まで都心に診療所を出したことはありませんでした。
郊外のところを中心に展開を考えてたんですけど、たまたまタイミングよく、今回の物件が見つかりました。
宮益坂という好立地で、いい感じのボリュームのビル。
渋谷の宮益坂方面のランドマークとなるようなビルなので、グループのフラッグシップにしていきたいと考えたわけです。土地を購入し、着工が2013年12月くらい。
意匠関係は基本的にデザイナーさんに一任しました。で、提案内容を予算化したんですが、ものすごい金額出てきました(笑)。
しかしながら、今回のコンセプトに合致したデザインだったので、それを実現してくれる施工会社さんっていったらどこだろうってことで、そこから探しはじめました。
今回、ユニオンテックさんにはかなりお世話になりました。簡単にいうと関わる会社やすべての人たちを陰でまとめていただいたっていうのかな(笑)。
もうすべてのハンドルを預かっていただいたんですよね。
そもそもユニオンテックさんとの出会いは、ビューティワールドという展示会に出展されていた時でした。その後、規模の小さい診療所の施工をお願いしました。
完成してしばらく経った頃でしょうか、今回の案件をお声掛けしました。
かなり規模が大きいので少し不安ではあったんですが、失礼ながら、一応お声掛けしてみようということで(笑)。
そこでお声がけしたところ、大川社長が弊社の事務所までいらしてくださいまして、その場で「やります」と言い切っていただきまして。
最初は予算が合わないから一度見てくれって話だったんですよ。ユニオンテックさんに請負っていただくというよりも、とりあえず予算が合わないから見てもらいたいって感じで。大川さんと会った後日、見積もりをいただきました。
他社さんよりも安く、工期も合わせていただけるってことで。ありがたかったです。
内装設計を依頼しているデザイナーさんとも直接細かい部分も詰めていただいたり、頼もしかったですね。
本来なら、2年前の初動段階から打ち合せに同席していただき、我々と設計とが決めていく内容をご意見やアドバイスなどをいただくべきだったんです。
で、打ち合せを繰り返していきながらベストを導きだしていって、作り方を決めてから金額を出して、発注させていただき、着工という流れが正しい道順なんですよね。
今回、弊社と設計とで全部を決めきれていないところをユニオンテックさんに描いていただいたって感じでしょうか。
図面はあったけど、その詳細の打ち合せが進んでなかったんですよね。
ここはどういう風なオペレーションで、どういうものが実際に必要だとか、進めば進むほどあれも必要だ、これはこうだ、これはこうしなきゃまずい、これはこういう素材使えない、っていうのがどんどん煮詰めれば煮詰めるほど湧き出てくるって感じだったんです(笑)。
現場は、建築そのものを設計している管理会社がいて、内装の設計管理をしてる会社、ゼネコンさん、そしてユニオンテックさん電気屋さんや設備屋さんなど、たくさんの人間が関わっていました。なので、それぞれの進め方やスタンスもあり、収拾がつかないこともありスケジュールは困難を極めました。
そんな状況の中、かかわるすべての人の調整役までやっていただいていました。本当にタイトなスケジュールの中でよく進んだだと思います。
あり得ないですね、我々の目線からしても誰もが断るんじゃないかという内容でしたので。当初、他社さんでは工期や予算などお断りされるのが当然だったくらいですから。
ユニオンテックさんは、みなさん夜遅くまで頑張ってくれていましたので、「自分ができる社内調整は全部やろう」っていうのが一番にありました。
工事の途中でみなさんとも一緒に飲みに行ったりしましたね。忙しい工事の中で緊迫していたかと思いますが、いいコミュニケーションになったと思っています。
そのへんも大川さんがしっかりメリハリつけてらしたので内側のマネジメントもちゃんとされているんだなと思いました。
今回のような医療ビルを作るのは、たいへん難しいことです。
フロアごとに担当者も違うし、ドクターも大勢います。専門的な要望というのも多いのでかなり煩雑になります。
フロア毎での間取りが違うんですよね。65坪という面積は変わらないんで、その中でどういう内容にしていくか。
フロアごとに、ドクターが監修をしていますが、すべてのドクターが使いやすくないといけないのでとりまとめもいろいろと大変です(笑)。
簡単にいうと12の病院を同時に作るような感じでしたから。
今回の施工において、ユニオンテックさんは一番お客様目線だったと思います。
最初から最後まで。徳真会も同じ考え方なのでたいへん共感が持てました。
徳真会では、これまでになかった医療を提供していきたいと思っています。
それは、トータルのサービスとして、従来からある単なる医療行為だけではない付加価値ですね。究極の顧客目線です。この業界の業態改革を目指しています。
今回、都心でこういった医療ビルができたことは、グループのフラッグシップでもあり、業界としても意義があることなのではないかと思っております。
これからもユニオンテックさんとは良いパートナーとして長いお付き合いをしたいと思っております。