経営者の皆様のなかには、オフィス内に新しく社員食堂を設置しようか悩んでいる最中の方もいるのではないでしょうか?
社員食堂とは企業が所有する福利厚生施設のことで、特に広いフロアを所有する大企業のオフィスによく見られますが、大企業のように広大なオフィススペースがなくても、社員食堂ないしはそれに類する空間を設ける方法も出てきました。
ここではオフィスで働くワーカーたちの社員食堂に関するアンケート結果や、最近のトレンドを基に、設置のためのアイデアや判断材料となるような情報を紹介します。
会社が社員食堂を設置することで得られる大きな効果として期待できるのは下記の3つになります。この3つに共通するのは、「人(=社員)を大切にしたい」という企業姿勢です。
今後、日本の労働人口は減少の一途を辿ることは確実で、その中で厳しい競争を強いられていくわけですから、「優秀な人材は一人でも多く採用したいし、少しでも長く働いてほしい」というのが、雇用する側の意向になります。
福利厚生の充実により、従業員のエンゲージメントを向上させたいという意図も、その背景にはあるでしょう。
では、上記3項目について詳しく見ていきましょう。
2位「食堂・昼食補助」 33.9%
(1位は住宅手当・家賃補助)
1位「食堂・昼食補助」 17.1%
社員食堂をつくることは、もはや採用ブランディングの一環とも言い換えられます。社員食堂に対するニーズや満足度合いは上述アンケート結果の通りです。入職希望者へのオフィス環境のアピールにおいて、抜群の武器となるでしょう。
近年では『株式会社タニタ』の社食メニューがレシピ本としてベストセラーになったこともあり、低カロリーメニューを導入するなど、健康志向が高まっている傾向にあります。
「健康寿命」という言葉はご存知でしょうか? 支援や介護など受けず、自立して活動的に過ごすことができる期間をそのように言いますが、その平均が男性で70歳、女性で73歳程度となっています。
しかし、これを大幅に縮め得る可能性があるのが、高血圧や糖尿病、心臓病、脳卒中などの生活習慣病です。その予防には日ごろからの規則正しい食生活もが必要ということは、説明するまでもなく存じていることでしょう(他にも運動などの努力も必要です)。
パフォーマンスという意味においても、食事に注目して良いでしょう。プロスポーツをはじめ、アスリートの世界においては、食事に栄養学を取り入れ、より良いパフォーマンスを発揮するために努めることが常識的になってきました。
スポーツの世界では瞬発系・持久力系などそれぞれに適した食事量、カロリーを摂ることで、改善を図ろうとしていますが、アスリートほどストイックになる必要はないものの、基本的には会社員であっても午後のパフォーマンスを高めるという意味では必要な考え方です。
社員食堂があれば、部署も異なり、普段はまず会話することもないような同僚、上司、後輩とも膝をつき合わせ機会も増えます。
社員間の関係性が密になることはもはや必然とも言えます。
会社として期待できるのが、社員食堂が「イノベーションを起こす空間」になり得るということです。普段、部署も仕事内容も違う仲間から、新しい視点でのアイデアをもらえることで、企業として抱える課題の解決に結びつく可能性を秘めています。
また、社内コミュニケーションの活性化に有効なオフィス環境づくりは、社内食堂に限った話ではありません。他にもリフレッシュスペース(休憩室)を設置したり(リフレッシュスペースのメリットや事例はコチラで紹介しています)、立ち話や軽めの打ち合わせができるような多目的に使えるテーブルなどを置くことも効果的です。
社員食堂の導入・運用には以下のような方法があります。
(オフィスに厨房や流し台をつくることが難しくても、これならば飲食スペースを確保するだけで導入可能)
社員食堂はただ「食事を提供する場」としてだけでなく、休憩室や談話室、さらには社内行事の会場としても使える使い勝手の良い空間です。
もし若手の従業員を増やしたいのであれば、思い切ってオフィス内に社員食堂を造るようにすると、求人の応募数が増えるかもしれません。
経営者様は今回の調査結果を参考に、社員食堂の設置を検討してみてはいかがでしょうか?