エプソンジャパン株式会社 様・株式会社イトーキ 様

クライアントも交え3社で作り上げた"共創型 ソリューションセンター "

 

一番嬉しいのは、初めて来場されたお客様が感動してくださること。これに尽きますね。提案してくださったストーリーや仕立てが、高い次元で融合できているからだと思っています。
エプソンジャパン株式会社 マーケティングコミュニケーション部 ソリューションセンター 小澤貴也様

プレゼンの段階で見せてくださった完成イメージ動画と全く同じ物ができていることにも驚きました! 「こんなことがあるんだ!」と、とても感動しました。
エプソンジャパン株式会社 マーケティングコミュニケーション部 ソリューションセンター 松山武史様

“こんな会社にしたい”と思うイメージ、社員の働き方改善など、お客様が思い描くご要望に対し、内装デザインをとおしてユニオンテックがどのようにお応えしたのか? プロジェクトの裏側にある“ストーリー”を覗くことができる「オフィスメイキングnote.」の第20弾。

今回のお客様は、エプソンジャパン株式会社様。株式会社イトーキ様の提案によりイトーキ様✕ユニオンテックの2社協業で、エプソンジャパン様のソリューションセンター「Epson XaILab(エプソン サイラボ)」の設計・施工を行いました。今回は、各社の代表者による座談会で当時を振り返ります。

■インタビュー参加者
【エプソンジャパン株式会社】
・ マーケティングコミュニケーション部 ソリューションセンター
小澤 貴也様
松山 武史様

【株式会社イトーキ】
西田 幸様
岩松 里紗様

■UT参加者
・ユニオンテック株式会社 ワークスペースプロデュース事業部 事業部長 赤枝 泰明
・ユニオンテック株式会社 同 クリエイティブデザイン部 樫尾瑞季
・ユニオンテック株式会社 同 プロジェクトマネジメント部 岡裕一

 

「ショールームから脱しよう」営業変革を機にくだした決断

―― エプソンジャパン様が「ソリューションセンター」と称した施設を作るのは、初めてとのこと。まずは、作るに至った経緯からお伺いしたいです。(以下、敬称略)

松山 大きなきっかけは、東京・丸の内にあったショールームの移転です。賃貸の切り替えのタイミングではあったのですが、これを機に「ショールームから脱しよう」という話になりました。これまで、営業といえばいわゆる箱売り的な販売形態が主体でしたが、新たな営業力を身につけていかなければ、この先お客様の期待に応えることが難しくなるのではないかという考えですね。

―― 昔と今では、そんなに違いがあるのですね。

松山 例えばプリンターで言うと、昔は速くキレイに印刷できると「これをください」と言っていただけましたが、今は印刷できる機械は世の中にたくさんありますから。お客様の困りごとや課題に対して、私たちがソリューションを提案していかなければ、この業界で生き残っていけません。そこで「変わっていこう」という思いから、「ショールーム」を「ソリューションセンター」に変えることになりました。

―― ソリューションセンターを作るにあたり、そういった思いや狙いをRFPにまとめたのですね。そうして、エプソンジャパン様からプレゼンのお声がけがあったのが、イトーキ様でした。岩松さんはどのようにコンセプトを決めたのでしょうか?

岩松 RFPには「コミュニケーション」「オフィス環境」「働き方」の3つの実現が求められていました。これをふまえ、どのような施設にするべきか考えたとき、「来場者が何度も足を運びたくなる空間を目指そう」と思い至り、何度も足を運びたくなる要素として「共感」「体験」「共創」の3つのコンセプトを設定しました。これらを施設のゾーニングに落とし込み、体験ストーリーを決めました。

―― ストーリーというと、施設内のルートのことでしょうか?

岩松 そうですね。エプソン様の技術に共感し、省・小・精の技術に実際に触れて体験し、共創につなげていく。そんな一連の流れを、ゾーニングと施設内ルートを絡めて計画しました。

―― また、デザインモチーフには信州を取り入れたと聞きました。その理由もお伺いしたいです。

岩松 エプソン様の創業の地が、信州・諏訪湖のほとりなんです。何度も足を運びたくなる空間を目指すうえで、エプソン様のオリジンとしての信州の要素をデザインにも取り入れたいと思い、素材や色彩などにこだわり空間を作りました。

イトーキ様✕ユニオンテックが生み出す新たな可能性

―― イトーキ様がユニオンテックに声をかけてくださった経緯を教えてください。

西田 外部の設計会社と組むことになったとき紹介をしていただいてからの縁なのですが、「何か一緒にできたらいいですよね」という話をしたところ、ユニオンテックさんから事例を出していただいたんです。それが、ちょうどショールームだったんですよね。

赤枝 そうでしたね。いくつかあるなかにショールームが入っていました。

西田 しかも、どのように体験価値を設計して、ショールームに来たお客様に感動を与えるかという事例だったんです。それを見て、「ユニオンテックさんと組んだら、勝てるかもしれない」と思っていました。また、今回のプロジェクトはスケジュールがかなりタイトだったのですが、ユニオンテックさんは設計だけでなく施工もされているので、「デザインと一緒に施工のことも考えられます」「スケジュールの調整もできます」と言っていただいたので、適役だなと思いました。本当に、タイミングがちょうどよかったですね。

赤枝 ありがとうございます。

西田 我々2社の協業は初めてで、成功事例を出したいという思いも強かったですから、受注できてよかったと思っています。

―― そうして、2社でプレゼンに臨んだのですね。

岩松 はい。プレゼンのときは赤枝さんとご一緒しました。

―― イトーキ様とユニオンテックの協業という形でのプレゼンですが、どういった部分を打ち出したのでしょうか?

岩松 今回のソリューションセンターは「共創」がテーマのひとつなので、私たち2社も共創しながら良いものを作り上げていく姿勢もポイントにしていました。互いの得意なところを最大限に発揮し、クオリティとスピード感を持った推進力をアピールしました。

赤枝 先ほど、西田さんにも少しお話しいただきましたが、弊社にはショールームや商業施設を多く手掛けてきた実績がありますし、イトーキ様は働く場のプロフェッショナルなので、それぞれの良いところや特徴を活かしながら進めることができるのではと思いました。また、先ほどの話にあったように、スケジュールがかなりタイトでしたので、ユニオンテックの施工の知見やプロジェクトマネジメントのスキルも活かせるはずだと考えていました。役割がキレイに分担できたことで、エプソンジャパン様へご提案したときにはかなり磨かれた状態になっていたと思います。

―― プレゼンをご覧になって、どのような印象を受けましたか?

松山 プレゼンには複数社参加していただいたのですが、我々の想像を超えるアンサーがあったのが、イトーキさんとユニオンテックさんのコンビでした。

小澤 そうでしたね。今回のプロジェクトは、シンプルなショールームから脱却したうえで、体験価値をどう上げていくのかが課題になっていたのですが、イトーキさんとユニオンテックさんのご提案内容は理想的な空間になっていました。ソリューションセンターを作るにあたり、参考になればといくつかのショールームを見て回ったこともあるのですが、提案してくださったような施設はほとんどなかったです。そのくらい、新しい価値になっていると感じましたね。

初挑戦のエリア「イマーシブシアター」で直面した困難と達成感

―― デザインやコンセプトで特にこだわったところを教えてください。

岩松 空間構成やそこで受け取る体験ストーリーにもこだわりましたが、そこにエプソン様の技術や信州をイメージしたデザイン要素を掛け合わせることで、唯一無二の空間がつくれたと思います。諏訪湖の水面や光を四季のグラフィックで表現した昇華転写印刷による色彩豊かなカーテン、絶妙なグラデーションで透明感のあるUV印刷エリアサインなど、空間のアクセントとしてエプソン様の技術がXaILabのあらゆる場所にちりばめられています。

―― ユニオンテックはもちろん、エプソン様とも共創して作った空間なのですね。

岩松 そのとおりです。

西田 あとは、イマーシブシアターもこだわりました。エプソン様のプロジェクターを使い全方位に映像を映し出す円形のシアターなのですが、「正円ではなく、楕円でもいけるのか」といったところから検討を始めて、できることとできないことをひとつずつ潰していくのが大変でした。結果的に、正円がベストという結論に至りましたが、「楕円がいい」といったご希望も根強かったと記憶しています。

―― 過去に、イマーシブシアターのような空間を手掛けたことはあるのでしょうか?

赤枝 ないですね。

西田 私たちも、やったことはありませんでした。なので、エプソン様の勧めもあり、麻布台ヒルズにあるチームラボ(森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス)にみんなで行かせていただいたんですよね。

岩松 そうでしたね。そこで、「壁は何色なんだろう?」とか。

西田 「床にも(プロジェクターの映像が)映っているよね? この床は何色?」「ここは塗装だけど、あっちはクロスだったね」とか(笑)。

赤枝 普段とは違った視点で見ましたね(笑)。

西田 ともあれ、イマーシブシアターのヒントをたくさん得られましたし、実際に自分で体験することで、お客様にどういう体験をしていただけるかもわかったように思いますね。

―― では、最終的に壁はどういった仕様になったのでしょうか。

岩松 床はグレーのカーペットで、壁も同じ色味のグレーの塗装になりました。

岡 ただ……塗装自体は、通常の壁に塗るものと同じ品質で問題なかったのですが、最後にプロジェクターを当てたところ、思いのほか塗装が目立ってしまうことがわかったんです。曲面に当てているのも一因かもしれませんが、塗膜のわずかな凹凸をプロジェクターの光が拾ってしまいました。

西田 通常であれば問題ない仕上がりなのですが、超高性能なプロジェクターが投影する映像の鮮明さや輝度を見せるうえでは不十分だったんですよね。

岡 結局3回ほどやり直しをして、ようやくプロジェクターに見合うクオリティに持っていくことができました。

松山 試行錯誤してくださったんですね。すみません、なんだか……(苦笑)。

西田 いえいえ! とても勉強になりました。

小澤 技術力の高さでカバーしてくださり、キレイに仕上げていただきました。ありがとうございます。

理想の体験を実現するために――ユニオンテックの技術的挑戦

―― ちなみに、ほかにもこだわったところはありますか?

樫尾 岩松さんからいただいた提案資料をふまえて、信州を表現できそうなアイテム探しをしたのですが、なかでもエントランスのカウンターはこだわりました。(清流をイメージした)ガラスブロックを組み合わせて作っているのですが、最初は誰もが「簡単にできるだろう」と思っていたんです。だけど、実際にはすごくハードルが高いものでした。

光と組み合わせればきれいに見えそうだなと思っていましたが、いざ積み上げてみるとガラス単体では理想の透明感が出せず。背面に偏光フィルムを貼ることでなんとか解決することができました。ほかにも、水っぽさを高めるためにどんな色味を足すのかといった課題も終盤まで残っていましたね。一つひとつ、皆さんと検証しながら作り上げました。

西田 エントランスで言えば、光のライトもすごいですよね。

樫尾 イマーシブシアターの外壁に施した「光の粒」ですね。ここは、パースと実寸大にギャップが出た部分でした。おそらく、天井が高いからスケール感に違いが出やすかったのでしょうね。解消するために、イトーキ様にあるホワイトルームという部屋をお借りして、プロジェクターで実寸のエントランスと光の粒を映し出していただき、サイズ感や数量、配置などを確認させていただき、細かく最終調整をしていきました。

岡 照明選定から施工の過程では、照明サンプルを複数取りあの場所に合う照明を選んでいきました。

赤枝 社内でも、ああでもないこうでもないとたくさん検討したよね。

岡 はい。日中夜 色々なシーンを想定し選定しました。

岡 施工時ですが、一か所ずつ配線を通していく過程で配線が落ちたらOUTな状況だったので緊張しました。(笑)

樫尾 実は手が滑って配線が下に垂れさがってしまったとき、穴にスケールをさし込んで拾い上げていました。岡さんに上から位置を確認してもらいながらやりましたね(笑)。

松山 そんなこともあったんですね……!

小澤 おかげで、パースで見ていたものよりも素晴らしいエントランスができたという印象です。キレイですしインパクトもありますし、近づいてよく見てみると工夫を凝らしてできあがったのだとよくわかりますよ。

岡 ありがとうございます!

―― では、全体の仕上がりに関してはいかがですか? 使い心地も含めて教えてください。

松山 一番好きなのは、エレベーターホールから見えるエントランスなんです。ドアによって四角に切り取られたエントランスの風景がとてもよくて、皆さんに自慢しています。社員からも、「ここ、本当にエプソンジャパンなんですか?」とポジティブな意味合いのフィードバックをもらいますね。

小澤 私たちは、この空間を一緒に作ってきたプロジェクトメンバーなので、客観的ではなく主観的に「とても好きな空間に仕上がったな」と感じています。そしてなにより一番嬉しいのは、初めて来場されたお客様が感動してくださること。これに尽きますね。提案してくださったストーリーや仕立てが、高い次元で融合できているからだと思っています。

松山 それに、プレゼンの段階で見せてくださった完成イメージ動画と全く同じ物ができていることにも驚きました! 「こんなことがあるんだ!」と、とても感動しました。ありがとうございました。

この記事のプロジェクト

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