株式会社HAL 様

HALらしさと北海道の自然を融合し、企業価値を高める"斬新な空間"へ

 

色合いも含めてパース通りに作ってくださって、とても満足しています。東京本社と同じ世界観を持ちながら、さらに斬新なオフィスになったと感じています。良いオフィスは会社にとって広告的な価値があると考えています。

株式会社HAL 代表取締役社長 寺西信夫様

“こんな会社にしたい”と思うイメージ、社員の働き方改善など、お客様が思い描くご要望に対し、内装デザインをとおしてユニオンテックがどのようにお応えしたのか? プロジェクトの裏側にある“ストーリー”を覗くことができる「オフィスメイキングnote.」の第18弾。

今回お話を伺ったのは、株式会社HAL様。2024年の東京本社の移転に続き、今回は北海道支店の移転に際し、ユニオンテックをご利用いただきました。HAL様にご依頼をいただくのは今回で5度目。「オフィスメイキングnote.」でお話を伺うのも2度目となるのですが、今回はどのようにオフィスを作り上げていったのでしょうか。

(左から)
株式会社HAL 管理本部 部長 小森新様
株式会社HAL 北海道支社 支社長 網谷正貴様
株式会社HAL 代表取締役社長 寺西信夫様
ユニオンテック株式会社 ワークスペースプロデュース事業部 事業部長 赤枝 泰明
ユニオンテック株式会社 同 クリエイティブデザイン部 中村麟太郎
ユニオンテック株式会社 同 プロジェクトマネジメント部 山本泰輔

 

「いい環境で働いてもらうために」ハイレベルなオフィスビルに移転 

―― まずは、2024年に移転された東京本社(東京・丸の内)の使い心地や反響からお伺いしたく思います。(以下、敬称略) 

寺西 社員は1日の3分の1くらいオフィスにいることになるので、オフィスで気持ちよく過ごせるかどうかはとても重要だと思うのですが、内装が良いので非常に快適なようです。加えて交通の便も抜群ですから、以前より出社率も上がりましたし、内勤の採用率もとても良くなりました。

小森 また、オブジェに驚かれる方も多い印象ですね。

―― 聞くところによると、ドラマのロケ地にもなったそうですね。

寺西 そうなんです。昨年(2025年)、TBSさんの『フェイクマミー』というドラマで使われました。今は、まだ確定ではないものの、別のドラマでも候補にあがっている状況です。ユニオンテックさんのコーポレートサイトを見て、連絡をいただくケースが多いですね。

―― また、前回のインタビューでは「移転早々、もう手狭になりつつある」とお話をされていました。

寺西 今はさらに社員が増えて、あふれている状態です。ただ、すぐに移転するのもコスト的に難しいので、交代でテレワークをするなどして対応しています。数年後には、新宿か六本木に新しいオフィスを構えたいと考えています。

―― そして今回は、北海道支店を移転されました。移転を決めたご理由を教えてください。

網谷 一番の理由は、環境ですね。前のオフィスは新オフィスの3分の1ほどしかなく、会議室や個室もありませんでした。そのため、WEB会議や来客対応、電話対応の声がすべて筒抜けになってしまい、業務に支障が出ていたんです。それに、別の部屋の声まで聞こえていたんですよ。

寺西 狭かったのもあるでしょうけれど、笑い声がどこかから聞こえてきてしまうのですよね。それを聞いた瞬間、「引っ越しましょう」と即決しました。

網谷 新オフィスの候補は、広さや交通の便などを考慮して複数あげ、最終的に5、6件に絞ってから見て回りました。移転を決めた札幌三井JPビルディングは、そのなかでも最高クラスの物件で、ビルの高級感や存在感など札幌でも一番良いのではないかと思っています。前のオフィスもこの近くにあり、交通の便は悪くなかったのですが、ここのほうが断然アクセスしやすいですね。ただ、そのぶん家賃が高いので寺西社長がどう言うか…でしたが。

寺西 でも、本当にいい場所じゃないですか。私が一番に良いなと思ったのは、眺望。窓から北海道庁が見えるんです。それを見て、「ここにしよう」と。

網谷 景色が一番の決め手になりましたね。面積に関してはもう少し広くても良いなと思っていたのですが、欲張りすぎるとキリがありませんから。それに、ここが一番理想的だったのは間違いないと思っています。

 

斬新で“北海道らしい”オフィスを作るために

―― 物件が決まると、次はオフィス作り。どのような要望を出されましたか?

網谷 実務的な部分ですと、やはり会議室ですね。WEB会議用のブース2室と、サイズ違いの会議室が2つ欲しいといった要望はお伝えしました。

寺西 そして、デザイン面では「またドラマで使っていただけるようなデザインにしてください」とお伝えしました。

山本 確か、「次は映画で使ってもらえたら」という話にもなりましたよね。

赤枝 そうでしたね。他のプロジェクトではあまり聞かない、変わった目標を立てた覚えがあります(笑)。

寺西 はははっ(笑)! やはり、ドラマや映画で映えるようなオフィスは雰囲気が良いですからね。

赤枝 また、「とにかく斬新に」というオーダーもいただきました。初めてHAL様の移転プロジェクトに携わった2015年から一貫している、オーダーのキーワードです。

―― 確かに、前回の東京本社の移転でも、「斬新なデザイン」を掲げていましたね。加えて、採用強化や女性が働きやすい環境にというご要望もあったかと思います。

寺西 そのあたりは、今回の北海道支社の移転でも同じように考えていました。若い方たちに「この会社で働きたい」と思ってもらえるのが理想でしたね。

―― では、こういった要望をふまえて、中村さんはどのようにデザインをしましたか?

中村 東京本社の雰囲気が、HAL様らしさとしてしっかり定着していると感じましたので、“東京本社のデザイン要素”と“北海道らしさ”を組み合わせてデザインしたいと考えました。ポップな配色や天井からぶら下がった球体、フリーラウンジのテーブルの存在感など、テイストや空気感といったベースは東京本社のデザインを踏襲しています。 

そこに加えたのが、北海道らしい“自然”のモチーフです。例えば、フリーラウンジのテーブルと天井の帯は、オーロラをモチーフにしていて、中会議室は青を基調にしてカルデラ湖をイメージしました。直線や角を極力作らず、有機的な形状にしているのも北海道らしさを出す大きなポイントですね。 

―― デザインをするにあたり、赤枝さんからの助言はありましたか?

中村 ありました。実は、私が最初にイメージしていたデザインは、斬新さの薄い無難なものだったんです。予算を気にするあまり、どうしてもチャレンジできず…。そんなとき、赤枝さんから「一旦は予算を気にせず、HAL様が本当に求めているものを形にしてみたらどうか」という言葉をもらいました。その結果、今回のデザインにたどり着くことができました。

赤枝 予算に合わせて希望に満たないものを作るより、まず理想形を提示したほうが良いですからね。その結果、寺西社長には初回のご提案で「いいですね!」という反応をいただけたので、よかったです。

中村 その後も、ほぼ修正なく進めることができました。

寺西 私は、専門的なことはわからないぶん、直感を信じているんです。それでいうと、今回のデザインも見た瞬間に「すごく素敵だな」と思いました。東京本社のフリーラウンジはテーブルの一部が波打っていて、人が通り抜けられるトンネルになっているのですが、今回の北海道支社のフリーラウンジにもそれに共通する要素があると感じられて。今回もとても良いデザインにしていただけました。

中村 ありがとうございます!

網谷 東京本社をベースにしつつ、北海道の自然をうまく表現されているところがすごいなと思いました。ただ、大幅に予算をオーバーしていたんです。

―― 確か、当初の予算の3倍になったとか。

網谷 はい。個人的にはそこが非常に気がかりだったのですが…寺西社長がすぐに「これでいきましょう」と。

小森 実は、坪単価に関しても、東京本社より北海道支社のほうが高いんです。当時は北海道支社の内勤メンバーが5人だったので、「費用がかかりすぎているのではないか」「ここまでやる必要はあるのか」という気持ちがありました。ただ、完成したオフィスを見るとやはり良くて。今ではやってよかったなと思いますね。

寺西 ユニオンテックのデザイナーさんは、施工のことを考えながら進めることが多いのですか? それともデザインを優先するのでしょうか。

赤枝 どちらが正解というものはなく、プロジェクトごとにバランスをとるものだと思っています。コストを気にされるお客様でしたら逐一コスト管理して進めなければいけませんし、逆に「予算は考えなくていいから、とにかくアメージングなものを!」というお客様は、デザインに注力しなければいけません。お客様の考え方によって、都度デザイナーの発想も変わる、ということですね。

寺西 なるほど。予算度外視というケースもあるのですね。

赤枝 海外のお客様ですと、そうおっしゃる方が多いです。とにもかくにも、コストとデザイン性のバランスを常に見極めてデザインをすることになりますね。

―― それでいうと、今回のオフィスはデザインに重きをおいたことになりますね。

中村 なので、施工面で実現が難しい部分はいくつかありましたね。山本さんにはずいぶんと負担をかけてしまいました。

山本 先ほどから話にあがっているフリーラウンジのオーロラ(テーブルと天井の帯)は、施工の担当から、「どうやって作ればいいのか」と相談があったところです。とくに、水平になっているテーブル面が反り上がり天井に繋がるところは、ただカーブになっているだけでなくねじれも加わっているのでより難易度が高いんです。強度や耐久性を維持しながら作り上げるのは、相当大変でした。

 

現地の関連会社と連携し再現度アップをはかった

―― では、今回のプロジェクトで山本さんが苦労したのは、フリーラウンジのオーロラでしょうか。

山本 オーロラに限らず、このデザイン全体を忠実に作ることが難しかったです。寺西社長が気に入ってくださり「これで!」とおっしゃったデザインですから、なるべくデザインそのままに仕上げたかったですから。

赤枝 お客様の「これで!」は、嬉しい反面、プレッシャーにもなるんですよね(笑)。

山本 そうですね。現地の施工会社様や各協力会社様との打ち合わせの回数は、ほかのプロジェクトよりもだいぶ多かったと思います。ただ、幸いにもご協力いただいた施工会社様はトップクラスの技術を持っていて、非常にクオリティの高いものを作ってくださいました。なかでも、オーロラは大きな山場。立体的な形状で平面図だけでは成立しないので、3Dモデル化した図面を施工図として別に作成して。2メートル程度のパーツを組み合わせて作っています。

赤枝 粘土のように自由に成形できるわけではないですからね。なおかつ、このビルに搬入できるサイズにしなければいけないので、一つひとつのパーツが大きすぎてもいけません。

網谷 工事期間中に見に来たことがあるのですが、ちょうどパーツが置かれていました。組み立て式なんだと思いながら見ていましたよ。

寺西 それにしても、つなぎ目がほとんど見えないですね。

山本 そこもポイントです。つなぎ目が目立たないように工夫をしています。

中村 そういえば、サンプルも厳しくチェックしましたよね。

山本 デザインを忠実に再現するうえでも、こだわりたい工程でしたからね。オレンジの色味は、10種類以上を比較しました。

寺西 費用もかかったのではありませんか?

山本 そうですね。ただ、そのぶん自信作ができたと思っています。

寺西 このオフィスはできるだけ長く使い続けたいと考えていますが、もし移転することになってもこのオーロラだけは遺産として残さなければいけませんね(笑)。それだけの価値がある。

山本 ありがとうございます。ぜひ、分解して再設置することもご検討ください(笑)。また今回、ガラスも難易度が高かった建材のひとつです。

網谷 確か…現地調達ができなかったんですよね。

山本 そうなんです。エントランスと中会議室に使っているガラスには曲面で特注をしているので、北海道で対応できるガラス業者がいたらよかったのですが、なかなか見つからず…最終的に東京のガラス業者と連携して制作し、輸送するという対応をとりました。この過程も大変でしたね。

―― こうして完成した新北海道支店。社員の皆様の反応はいかがでしたか?

網谷 パース(完成イメージ図)は見ていたものの、まさかここまで忠実に出来上がると思っていなかったようで、驚いていました。女性陣からは「キャー」と黄色い声まであがりました(笑)。

寺西 色合いも含めてパース通りに作ってくださって、とても満足しています。東京本社と同じようなトーンで、より斬新になった印象ですね。今、北海道支社が抱えるエンジニアは外部で派遣として働くメンバーを含めて130人ほどおり、年に1.3倍くらいのペースで増えていますが、400〜500人くらいまではこのオフィスで対応したいと考えています。それ以降も、拠点のひとつとして借り続けたいですね。かなり投資したオフィスですから、壊すのはもったいないですし(笑)。

小森 そうですね(笑)。

寺西 ただ、かなりコストがかかったものの、良いオフィスは会社にとって広告的な価値があると考えていますから。

赤枝 HAL様は、ホームページにもオフィスをしっかりと掲載していて、活用されていますからね。

寺西 ここもまた、しっかり活用していきたいと考えています。

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