
(中央左から)
株式会社ビザスク HR本部人事企画チーム チームリーダー 村井洋子 様
同 ブランドデザインチーム コミュニケーションデザイナー 石村麻衣子 様
同 ITチーム チームリーダー 大瀧瑞 様
(左・右)
ユニオンテック株式会社 ワークスペースプロデュース事業部 プランニング&デザイン部 デザインG チーフデザイナー 里山広忠
同 プランニングG シニアプロデューサー 木暮仁
1回目の提案の段階で圧倒的に審美性が高かったのがユニオンテックさんでした。こんなオフィスになったら社員のモチベーションが高まるだろうなという、驚きがありましたね。正直なところ、提案の一部だけを見れば、他社さんのデザインのほうがいいかもしれない、という部分もあったのですが、デザインは、話し合い次第で変えられるではないですか。なので、最終的に選んだのは人柄。そして、ユニオンテックさんなら私たちの要望をしっかり反映してくださるだろうなという安心感を含めて選ばせていただきました。
株式会社ビザスク HR本部人事企画チーム チームリーダー 村井洋子 様
“こんな会社にしたい”と思うイメージ、社員の働き方改善など、お客様が思い描くご要望に対し、内装デザインを通してユニオンテックがどのようにお応えしたか? プロジェクトの裏側にある“ストーリー”を覗くことができる「オフィスメイキングnote.」の第12弾。
今回お話を伺ったのは、株式会社ビザスク様。「知見と、挑戦をつなぐ」をミッションにグローバルなナレッジプラットフォームを運営する企業で、渋谷にオフィスを構えています。これまで、9階と10階の2フロアを借りていましたが、9階と1階の2フロアに変更。1階のオフィスデザインをユニオンテックが手掛けることになりました。4社参加のコンペで、ユニオンテックが選ばれた理由とは…?

―― もともと借りていた10階の改修ではなく、新たに1階を借りることにした経緯をお伺いできますでしょうか。(以下、敬称略)
村井 一番の理由は、社員数が増えて手狭になったことです。1階のほうが10階よりもフロア面積が1.5倍ほど広く、執務エリアを増やすことができるため、1階に移りました。最初は他のビルへの移転も視野に入れていましたが、現在のオフィスがある渋谷近辺は需要が高まっていることもあり、条件を満たす空き物件がほぼなかったのです。ちょうど良いタイミングで1階が空いていたので候補にあがりました。
―― つまり、10階の機能を1階にそのまま移したということでしょうか?
村井 10階の機能に、執務室を加えました。もともと10階は会議室とイベントスペースのみだったので、「イベントを行なっていないときは、イベントスペース内のテーブルや椅子を使って働いていいですよ」と社員に促していました。ですが、メインの執務室が9階だったこともあり、稼働率がよくなかったのです。ただでさえ手狭なのに、せっかく空いているスペースが使われないのでは意味がありません。そこで1階に移り、増床したぶん執務スペースを作って、同じフロア内で働いている社員がイベントスペースも活用して、全体的に稼働率の高いフロアにしたいと思っていました。
―― では、今回の移転プロジェクトを始動させるにあたり、ユニオンテックに声をかけていただけた理由もお教えください。
村井 私がネット検索で見つけたと記憶しています。当時、このプロジェクトに携わっていたメンバーは、私を含めてオフィス作りに関わることが初めてで、ノウハウがありませんでした。途中で、10階のオフィス作りを経験した大瀧さんも加わってくれたのですが。
大瀧 私は、コンペの段階では参加していませんでしたからね。
村井 なので、ノウハウがない私たちにデザインや施工はもちろん、引っ越しの仕方なども一括でマネジメントしていただけるような会社に、と考えていました。また、弊社はITベンチャーなので、近しい企業のオフィスを作った実績があるかどうかも確認しました。その条件で、ユニオンテックさんを含めて4社にお声がけしています。
―― その後は、オフィスに関するご要望等のヒアリングを行なったと思います。ビザスク様は、どのような要望をユニオンテックに伝えたのでしょうか?
石村 村井さんが言っていた「執務とイベントを両方行なえるオフィスにしたい」という要望に加えて、2年前のリブランディングで新たに定めたブランドガイドラインをコンペ前に共有し、こちらに基づいたオフィスを作りたいというお話もさせていただいています。これにはビザスクというブランドを空間上でも表現し、オフィスに来る方々にカルチャーを体感してもらいたいという意図がありました。主な要望は、この2つです。

―― 要望を聞いて、里山さんが提案内容をまとめたのですよね。
里山 そうですね。ビザスク様から共有していただいたブランドガイドラインの資料は70ページほどあり非常に詳しくまとめられていたので、デザインの方向性が定まりやすかったです。「オフィスの理想はここにある」と思えましたから。実際、「洗練」「上質」といったキーワードが抽出できたので、そのイメージに近い配色を提案しました。
石村 カラースキームを見ると、この色の組み合わせなら「洗練」した雰囲気になるのだとか、この色とこの色なら「プロフェッショナル」な印象なのだなと、分かりやすく可視化されて意見交換ができるのがありがたかったです。
村井 「今回のオフィスには『親しみやすさ』を求めていないから、この色は外れますね」といった話もしましたよね。カラースキームがあったおかげで、我々も配色イメージを定めやすかったです。
里山 「ナチュラル」も早々に省かれましたよね。実は、10階のデザインがナチュラル寄りだったので、そちらのトーンで洗練した空間を作っていこうと思っていたのですが、「そうではない」と。同じ洗練でも木目を取り入れたような「ナチュラル」ではなく、無彩色で「クール」なイメージに近いと分かったのも、カラースキームを共有したことで得られました。
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ご提案したクリエイティブ方針
石村 我が社はプロフェッショナルに向けた世界水準のサービスを提供しており、今後もさらに高めていきたいと考えています。そういった背景も踏まえて、2年前のブランディング刷新に至りました。背景をお伝えしたところ、今回のオフィスにも丁寧に反映してくださった印象です。
実は、今回のコンペは、1回実施したあとでもう一度違うレイアウトの要望を出させていただいて、再提案をいただいているのです。確か、ユニオンテックさんを含めて2社にお願いしたと思います。
里山 2週間後に再提出、という流れでしたよね。
木暮 1回目のコンペを終えた時点で、ビザスク様が考えるオフィスのあり方が少し変わったこともあり、それを反映したパターンをもう一度提出したと記憶しています。

―― では、2度目の提案を経て、ユニオンテックを選んでいただけた理由を伺えますでしょうか?
石村 ご提案いただいた資料が良かったという点もありますが、選ぶポイントになったのは「ワンチームになれるかどうか」でした。ユニオンテックさんは毎週来てくださいましたし、親身になって話を聞いてくださったので、「この方々ならお仕事がしやすいだろうな」という印象がとても強かったのです。なので、このプロジェクトが長期にわたるだろうと考えたとき、「優先すべきは一緒にお仕事しやすそうなユニオンテックさんだ」と村井さんと話していました。何ができるか、だけでなく、同じ目線を持っていただけるか、が一番大切な選定ポイントだと思っています。
大瀧 再提案をお願いしたのは、信頼できるお相手かどうかを最終確認する場という位置づけだったと思います。
村井 それに、1回目の提案の段階で圧倒的に審美性が高かったのがユニオンテックさんでした。こんなオフィスになったら社員のモチベーションが高まるだろうなという、驚きがありましたね。正直なところ、提案の一部だけを見れば他社さんのデザインのほうがいいかもしれない、という部分もあったのですが、デザインは、話し合い次第で変えられるではないですか。なので、最終的に選んだのは人柄。そして、ユニオンテックさんなら私たちの要望をしっかり反映してくださるだろうなという安心感を含めて選ばせていただきました。
―― 里山さんと木暮さんの人柄と密なやり取りが合ってこそですね。おふたりは、お客様とコミュニケーションを取るうえでどんなことを意識していますか?
木暮 お客様が考えていることはできるだけ聞き取ろうと考えていますが、それが必ずしも正解ではないと思っています。とはいえ、お客様の考えを汲まず一方的に進めるのも絶対に違いますから、お互いに意見をすりあわせながらちゃんとゴールに導こうと考えています。
里山 僕も同じ考えです。要望を伺いながらも、「お客様が目指しているものはこれですよね?」とプロとして最後までリードして、常にこちらから提案するスタイルを心がけています。

―― ところで、1回目と2回目の提案資料では、どこを変えたのでしょうか?
里山 ざっくり言いますと、レイアウトを変えました。ただ、2度目に提案したものが最終形になったわけではなく、以降も毎週すり合わせをしてデザインの変更を繰り返していきました。
木暮 イベントスペースは「Ocean」と名付けているのですが、あのスペースの考え方も二転三転しましたよね。
村井 そうでしたね。エントランスも、最初はもっと広かったですし。
木暮 壁側にあるカウンターも、当初は中央に置いていましたよね。その上に今と同じ形でロゴが吊るされていて、外からも見えやすいように。また、執務スペースも当初に比べると席数が増えましたし、会議室のレイアウトもいろんなパターンを出しました。
大瀧 レイアウトを何度も変えてしまいましたよね……。
村井 プロジェクトを進めているうちに、会社が抱えている組織課題が変わっていったからですね。イベントスペースで開くイベントに関しても、最初は40〜50人規模で考えていたのですが、「社員全員が顔を合わせる会議を実施できる場所に」という役割を加えることになり、100人以上が集まれるようなスペースに変更していただきました。執務スペースとイベントスペースを仕切る位置に可動式の本棚を置き、イベントスペースにより多くの人が入れるように変更を加えていただくなどしています。
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パース画像でイメージを共有
石村 「今になって変えてほしいと言うのも……」と、ためらう瞬間もありましたが、今後に関わる重要な要件でしたし、弊社のプロジェクトメンバーはもちろん、代表自身もこの増床プロジェクトにかける想いも非常に強かったので、気持ちを切り替え遠慮せずにお願いしていました。大きな変更ばかりでしたが、本当に根気強く対応していただきありがたかったです。
里山 僕としては、何度もすり合わせた結果「やっぱり要らないね」「このくらいでいいか」と、変わり映えのないオフィスになってしまうのが一番つらいのですが、ビザスク様とのすり合わせは「絶対にいいオフィスになるはずだ」という確信があったので、終始やりがいを感じていました。
石村 私としても、弊社のブランディングをオフィスに落とし込める面白みを感じていました。そんなふうに、里山さんとモチベーションを共有できていたのも良かったのかなと思っています。
里山 そうですね。また、当初は木目を入れてナチュラル系にしていたデザインのトーンがいったん白に落ち着きましたが、代表のフィードバックを受けて黒を増やしました。ブランドガイドラインにある「洗練」を意識した結果なのですが、もともとナチュラルな空間で働いていた皆様が、シックで洗練された空間にすぐに馴染めるのかなという不安がありました。それでも、どうにかバランスを取ったつもりです。
石村 なので、空間に“グラデーション”を持たせたのですよね。執務スペースは緊張感のある空間としつつ、イベントスペースはもう少し緩やかな印象になっています。「洗練」「プロフェッショナル」という一貫した方向性はありますが、スペースごとに少しずつ異なる雰囲気を演出できたのは、社員からも高評価を得ているポイントです。
壁を設けると分断が生まれることや工事上のリスクについてご意見をいただき、当社からも「可視性を高めることで一体感が生まれる」との提案をしました。両者で議論を重ねた結果、壁ではなくカーテンを採用することになり、その選択ができたのは非常に良かったと感じています。

実際に完成したイベントスペース「Ocean」
―― 完成したオフィスを使ってみてのご感想をお教えください。
村井 イベントスペースはフル活用していますよね。
石村 そうですね。全社で行なっている会議は、ひな壇の上の方まで社員で埋まりますから。
里山 そうでしたか! 理想的な使い方をしてくださってうれしいです。確か、引き渡し当日か翌日には、すでにひな壇を使ってくれていましたよね。
石村 とても機能的ですし、発想次第でいろんな使い方ができるので、思わず使いたくなるのでしょうね。弊社社員の性質に合っていたのだと思います。

大瀧 会議やイベント以外にも、チームごとにオリジナルの使い方をしていますよね。
石村 はい。この前は、机と椅子を組み替えて、お客様への架電大会をしている社員がいました。
村井 台形の机って、とても使いやすいですね。導入したときは使いこなせるのか不安でしたが、何人でも組みやすいです。また、窓際に土足厳禁のスペースがあるのですが、カジュアルな1on1や個人作業で気分転換したい時などにも使われています。
大瀧 Oceanは社内の部活動や社内イベントなど、業務以外で使える要素もあるので、狙いどおり。我々としても望んでいたオフィスの形になっています。

村井 10月には、社員のご家族がオフィスに遊びに来られるようなファミリーデーを企画していますよね。
石村 そうなんです。このオフィスでしたら自信を持ってお見せできますし、ご家族も「ここなら」と安心していただけそうです。
木暮 それはいいですね! どんな雰囲気になるのか気になります。
里山 僕も。見てみたいです。
村井 ぜひ見に来てください! また、リファラル採用にも力を入れていて、2〜3か月に1度、懇親会を開いています。社員が友人を連れて来るので、このフロアに60〜70人集まり非常に賑やかになりますね。1階にオフィスを構えたこともあり、ビザスクという会社の存在感も出たのではないかなと思います。
―― 本当にフル活用ですね。
村井 そうですね。この前、新サービスの記者会見を開いたときは、カウンターの横にあるサイネージが役立ちました。そこで撮影していただいた写真が新聞に掲載されたときも、きれいで良かったなと思いましたし。
大瀧 執務スペースの延長としても、イベントスペースとしても、ちゃんと大活躍していますよね。今回のプロジェクトを通して、弊社のブランドイメージをこんなに分かりやすく具現化できるのだなと感じましたし、ユニオンテックの皆様含めて「力を入れてこだわることは大事なのだな」とも感じましたね。

Photo=Yasuharu Hikawa Interview=Mayuge Matsumoto