飲食店業界で働く方や、働きたいと考えている方にとって、「自分のお店を持つ」というのは、大きな目標のひとつでしょう。この目標を実現するためには、「絶対に自分のお店を持つ」という夢や情熱が必要です。しかし、一方で、夢だけでお店を開くことはできないというのも事実です。
夢を実現させるために必要な「3つのもの」について知っておきましょう。
カフェや洋食店、和食店、ラーメン店など、どのような飲食店であっても、開業のためには必ず「食品衛生責任者」の資格を取得する必要があります。
必ずしもオーナー自身が持っている必要はありませんが、お店にひとり、「食品衛生責任者」を定めなければなりません。この責任者になるために必要なのが「食品衛生責任者資格」と言う資格です。
「食品衛生責任者資格」は、1日の講習を受講するだけで取得できます。
そのため、お店を開く本人が取っておくと安心です。講習会は各地方で開催されています。例えば都内であれば、一般社団法人東京都衛生協会が主催しています。毎月8~10ほどの会場で行われています。
また、客席が30席を超える広いお店を開く場合は、別途、「防火管理者」の資格も必要となります。
どのような飲食店を開くにしても、行動を起こすためには開業資金が必須です。必要となるお金のうち、金額が大きいのは、店舗を借りるための保証料や前払い家賃などです。住居とは異なり、家賃が高額であったり、保証料が10か月ほどかかったりする場合もあるため、早めに必要な金額を知っておきましょう。
また、居抜き物件を借りられた場合を除き、キッチンの用意や内装を整えるための工事費用も必要です。
看板やメニュー、食器類、調理器具などの小物類についてもそろえなければいけません。さらに、オープンを近隣に知らせるための広告宣伝費や原料代なども要ります。
結果として、開業にかかる経費はかなりの額にのぼります。
具体的にいくら必要になるかは、お店の規模や形式によって異なりますが、事前にいくら必要かをシミュレーションして、途中で資金不足に陥らないようにしておきましょう。
資金の調達は、自分の貯金などから捻出するほか、公庫や地銀などから融資を受ける、知人や親戚などに援助を受けるといった方法もあります。融資や援助を受ける場合は、返済が資金繰りを圧迫しないように、売り上げに対して適切な額かどうかを考えておくことも大切です。
飲食店といっても、若い女性向けのスイーツ店なのか、サラリーマン向けの居酒屋なのか、はたまた移動式のカフェカーなのかなどによって、準備手順や必要な開業資金が変わってきます。まず、自分が持ちたいお店の具体的なイメージを固めてみましょう。
どのようなお店を作りたいかに合わせて、内装やメニュー、単価、営業時間、店舗の場所、物件の条件などを定めていきます。
いきあたりばったりでお店を作るのではなく、初めに一貫したお店の経営プランを立てるようにしましょう。それと同時に、客単価とかかる経費を計算し、採算を取るためにどの程度の客入りが必要なのかといった、資金繰りに関する計画を立てておくことも必要です。