防音性に優れた会議室を作りたい、作業内容を他人から隠したい、エレガントなエントランスを持ちたい等、オフィスの空間を効果的に使いたいと思ったことはありますか?
オフィスの間仕切りは、ただのデザイン上の変更だけではなく、空間の利用目的を明瞭にし、従業員の作業方法への影響も考慮されます。この記事では、空間の間仕切り方法とそのメリット・デメリットを詳しく解説します。
オフィス空間を効果的に間仕切るための方法は、主に4つに分けられます。
それぞれの特性について、詳しく解説します。
木材や軽量鉄骨(LGS)を利用して、壁を作成し、空間を分ける方法です。この方法はデザインの自由度が高く、防音要件なども適切に対応可能で、デザインと実用性を両立できるのが大きなメリットです。
オフィス空間を区切るために最も頻繁に使われるのが、この組み立て型パーテーションです。高い防音性能を持つスチール製パーテーションや、多彩なデザインのアルミ製パーテーション、明るさを重視したガラスパーテーション等、用途やスタイルに応じた選択が可能です。
移動可能なパーテーションで、衝立のような形や、ドアを取り付けて小部屋として使用するなど、アレンジの幅が広いのが特徴です。直接、建物の構造に関わる専門的な工事は不要で、取り付けも迅速です。また、簡単に移設や撤去ができるため、オフィスのレイアウト変更にも素早く対応できます。
壁を設置する代わりに、オフィス家具を使用してスペースを分ける方法があります。収納家具で部屋を分けたり、ソファエリアやパネル式ソファで多機能なスペースを作成するなど、オフィス家具を巧みに使って、スペースを効果的に分けることが可能です。
オフィスの空間を効果的に分ける4つの方法とその特色をご案内しました。次に、各分割方法のメリットとデメリットを具体的に説明します。
造作壁は、オフィススペースの間仕切りとして最も多様性があり、高いデザイン性と実用性を併せ持っています。木材や軽量鉄骨(LGS)を用いて設計されるため、サイズやデザイン、機能など、すべてカスタマイズ可能です。
仕上げには塗装、壁紙、木材、石、タイルなど多彩な選択肢があり、さらに壁内に防音材(グラスウールや発泡材)を入れることで防音効果を強化できます。その一方で、完全にカスタマイズされた造作となるため、時間やコストが掛かる場合があります。さらに、扉などの建具も、メーカー製の既製品を使用するか、取っ手やその他の部品をカスタムして独自のデザインを作ることが可能です。
デザイン重視のエントランスや高い防音性が要求される会議室に適しています。
オフィス空間の区分けとして一番人気の方法が、取り付け式パーテーションです。スチール、アルミ、ガラスの3種類のパーテーションがあり、それぞれの特性が異なります。取り付けが迅速で、短期間での完成が多いため、工程や予算は造作壁に比べてリーズナブルになる傾向にあります。
鋼製パーテーションの魅力は、クリーンなデザインと優れた防音性にあります。フレームが目立たない構造となっているので、洗練されたパネルが特徴的です。スチールのパネル裏部には、プラスターボードが設置され、防音効果を強化しています。スマートなパネルを基調に、ダイノックシートなどで表面をデコレーションすることで、空間の雰囲気を大きく変化させることが可能です。
アルミニウムのフレームと、樹脂ベースの装飾パネルで成り立っており、無地や木の模様など、多種多様なデザインパネルからお好みの組み合わせを選ぶことができ、バラエティに富んだデザインが楽しめます。近年、従来のアルミニウム色のフレームだけでなく、白や黒のフレームも人気となり、更なるデザインの選択肢が増加し、スタイリッシュな間仕切りの選択が増えました。
クリスタルパーテーションは、主にガラスで構築されたパーテーションのことを指します。先述の鋼製やアルミニウムパーテーションでも、ガラスの使用は可能です。ガラスが持つ透明感を最大限に生かし、明るさを引き入れて開放感あふれる空間を生み出します。さらに、ガラス部分には特別なフィルムを貼って、視線を遮ったり、独自のデザインで彩りを加えることもできます。
建築的な大掛かりな工事を必要としない、置き場所を選ばないパーテーションのタイプです。多くの場合、オフィス家具の一部として考えられます。シンプルなスクリーンから、部屋のように扉を持つものまで、使い方に応じて多彩なバリエーションが利用可能です。
パネルには、樹脂製のものやファブリック、ポリカーボネートなどの素材があり、様々なデザインやカラーが選べます。また、必要に応じて高さを選択することもできます。取り付けは比較的容易に行える一方、設置の規模や形状には限りがあり、大きな範囲での使用や一直線の長さでの使用は難しい場合があります。
収納家具やフラワースタンド、ブース席など、オフィス家具を使った空間の仕切り方法です。壁を建設するのではなく、オフィス内のスペースを柔軟に区切る手段として選べます。既存の家具を使っての仕切りも可能ではありますが、その際に検討すべき点がいくつか存在します。オフィス家具を使った空間の仕切りは、主に社内で使用されるエリアでの適用が多いのが特徴です。
造作壁や専用のパーテーションを取り入れる時、特に留意すべき2つのポイントが存在します。
壁面を造作壁で天井まで設置して空間を区切った際や、施工型パーテーションで欄間(※)を閉ざした場合、消防法の観点から独立した部屋として取り扱われる可能性があります。このため、煙感知器や熱感知器、スプリンクラー、非常用の照明などの設置が求められることも。特にスプリンクラーに関しては、位置や間仕切りの位置により、散水の障害が生じることもあるため、設備の配置図や間仕切りの設計図を元に、地域の消防署の担当部署と相談することが必要です。施工前には様々な調整や準備が求められます。
※)欄間は、パーテーションの上部を指す言葉です。天井とパーテーションの上部に隙間があるスタイルを「欄間オープン」と称し、隙間なしのスタイルを「欄間クローズ」と称します。具体的な詳細や特徴については、「パーテーションの欄間について」の記事で詳しく解説しています。
オフィスには、いくつかの天井タイプが存在します。どのタイプの天井かによって、パーテーションの設置に難易度が変わることがあるため、先に確認しておくことが重要です。
グリッド型システム天井やライン型システム天井は、天井設備の配置変更をスムーズに行うことを目的としており、このような天井であれば、造作壁や施工型パーテーションの設置時に生じる設備工事のコストや時間を短縮できます。一方、従来工法天井では、工事部分の天井を一度解体し、電気配線や各種設備の工事後、再び天井を補修する必要があり、これに伴い追加のコストが発生する場合があります。
このように、天井の形状やタイプによっては、工事の手間や必要なコストが異なることを理解しておくことが大切です。
オフィス内の空間を分けるための手法として、4つの主要な方法を取り上げました。この間仕切りの目的は、各エリアに明確な機能や役割を持たせることです。考慮すべきは、所定の予算、デザインの自由度、そして防音性などの機能性です。それらの要素を考慮し、多様なオプションの中から最適な選択を行うことが大切です。オフィスの環境や働き方が間仕切りによってどう変わるのか、その効果や影響をしっかりと考える必要があります。高度な施工が必要な「造作壁」や「施工型パーテーション」の場合、専門家の助言が役立ちます。
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