【オフィスメイキングnote.】株式会社BAMC associates様

(左から順に)
株式会社BAMC associates 総合企画室 新井俊祐 様
同 代表取締役 辻賢之輔 様
ユニオンテック株式会社 ワークスペースプロデュース事業部 プランニング&デザイン部 デザインG チーフデザイナー 里山
広忠

予算が大幅にオーバーしてしまったので、「予算を削ってほしい」とはお伝えして。そのとき、面白いことがあったんです。今、ラウンジスペースのみ天井を抜かれているじゃないですか。この天井を抜くという作業にすごくコストがかかっていたんですが、このコストを絶対に削らなかったんですよ、ユニオンテックチームは。なぜそこまでして天井を…? と思ったのですが、結果的にはラウンジだけ雰囲気が変わって、あるのとないのとでは雲泥の差だったなと感じています。インパクトがすごいですよね?

株式会社BAMC associates 代表取締役 辻賢之輔 

“こんな会社にしたい”と思うイメージ、社員の働き方改善など、お客様が思い描くご要望に対し、内装デザインを通してユニオンテックがどのようにお応えしたか? プロジェクトの裏側にある“ストーリー”を覗くことができる「オフィスメイキングnote.」の第8弾。

今回お話を伺ったのは、株式会社BAMC associates様です。財務・会計業務をベースにしたコンサルティングファームで、移転ではなく改修を行いました。仕事柄、紙を使うことが多いそうですが、ペーパーレスを含めオフィスで“働き方改革”を目指したそうです。では一体、どんなデザインになったのでしょうか? 詳しく聞きました。

 

“たまたま”のご縁でUTに出会い、実績に惹かれて見積もりを依頼

―― まずは、改修しようと思った経緯から教えてください。(以下、敬称略)

  改修しようと思ったのは、コロナ禍に入る前です。当時は、IKEAや無印良品がやっているオフィスデザイン・サービスを利用しようと考えていて、問い合わせたこともあったのですが、そうこうしているうちにコロナ禍になり、一旦取りやめたんです。そうしたら、コロナの影響で働き方がガラッと変わったうえに、もともと千葉県と埼玉県にあった事務所を統廃合してこのオフィスに集中したので、社員の人数が一気に増えたんです。そんななかで、「働き方が変わった今、社員が働きやすくなるよう環境を整えたい」「採用も進めたい」と考え、本格的にオフィスの改修をしようと決めました。

―― 移転ではなく改修にしたのはなぜですか?

  移転する案も、なかったわけではないんです。里山さんにも相談しましたよね。

里山 そうでしたね。

  ただ、このオフィスは立地が良くて気に入っていますし、100坪ワンフロアあるので。慣れ親しんだここを改修しましょうという話になりました。ひとまず今回は、第一期として執務スペースの改修をして、第二期に休憩室の改修を考えています。

―― では、ユニオンテックに声をかけていただけたきっかけも伺いたいです。

  一言で言うと、「真夜中に突然危機感を抱いた代表取締役(辻様)が、検索をした」ですかね。「そろそろ本腰を入れてやらなければ」と。社員の中には、率先して探そうとしてくれていた人もいたので、尊重したい気持ちもあったんですけどね。そうして検索をしたときに、たまたまユニオンテックさんに目が留まりました。
一番惹かれたのは実績かな。で、ホームページで過去の実績が見て、「ひとまず声をかけて、見積もってもらうくらいいいだろう」と、問い合わせたのがはじまりです。そのときは、ユニオンテックさんに決めていたわけではなく、見つけたのもたまたまでした。

里山 「オフィスデザイン」といったワードで検索すると、上位3〜4個目にユニオンテックが出るので、目に留まりやすかったのかもしれませんね。見つけていただけてよかったです。問い合わせをいただいてから、すぐに初回ヒアリングをさせていただきました。

 

どうしても譲れなかった“ラウンジの天井”

―― ヒアリングでBAMC associates様からいただいた要望は、どういったものでしたか?

里山 先ほどお話ししていたことですね。「従業員の方々がモチベーション高く働けるような、コミュニケーションの取りやすい環境にしたい」「採用にもいい影響があったら」といったご要望をいただきました。あとは「スタイリッシュにしてほしい」といったデザインの要望や、働き方改革の面で「フリーアドレスにしたい」「ペーパーレスにできたら」といったお話もありましたね。具体的にどうやってその要望を叶えていくかは、初回ヒアリング後のオフィスツアーを受けて、提案させてもらいました。

―― オフィスツアーとは、具体的に何をするのでしょうか?

里山 オフィス家具メーカーのショールームに行って、最新の家具や最近の働き方のアイディアなどを見ていただきました。確か、イトーキさんと内田洋行さんのショールームを回りましたね。そこで、辻代表から理想の働き方などを伺いつつ、実際にオフィスにほしい家具なども挙げていただいたと思います。

  オフィスツアーで強く印象に残っているのは、ペーパーレスです。とくに内田洋行さんはペーパーレス化を勧めていて、コピー機をあえて隠すレイアウトにしていたくらい、紙を排除していました。あとはオンライン作業をできるようなブースもあって、とにかくいろんなアイディアを見たんです。
なので、逆にこちらはノーアイディアになりました。自分で考えてもしょうがないな、と。もちろん、いただいた提案に対してこうしましょう、ああしましょうと決断はしていましたが、自分から何かがほしい、こんなことをしたいと提案しても意味がないなと。それだけ、こちらには情報量が足りないと感じましたね。

里山 ともあれ、オフィスツアーに行ったとき辻代表に好感触だった家具やレイアウトを参考にして、デザインを提案しています。テーマは、「スタイリッシュ+カジュアル」。モチベーションアップにつながる洗練された雰囲気のオフィスにしました。いくらスタイリッシュだからといって、クールに寄せすぎてしまうと冷たい印象になりコミュニケーションが取りづらいですし、ポップな要素を加えると職種に合わないので、さわやかな色味のカジュアルを目指しています。バーカウンターやL字ソファのカラーリングで表現しました。

初期のご提案資料より

―― 確かに、バーカウンターやソファが置かれたラウンジは、このオフィスのなかでも象徴的なスペースになっていますよね。

里山 エントランスを入ってすぐ、このラウンジが広がるようにレイアウトしました。奥にあるバーカウンターが良く見えるよう、手前のソファ席を低くしています。そうして“抜け”を作ることで、入った瞬間に広々とした空間を感じられるよう工夫しました。椅子も、ソファ席と背のないスツールなどバリエーション豊かにして、個々に使い方のイメージが広がるようにしました。

  バーカウンターは、僕自身もともとほしいなと思っていたんですが、ヒアリングのとき「オフィス内に赤ちょうちんの居酒屋を作るのも面白いよね」「仕事が終わった社員は、お酒を飲んでもいいというスペースがあってもよさそう」という案が出てから構想が膨らんでいきました。

里山 家で家族が待っている方もいるでしょうから、仕事終わりに飲みに行くのは難しい。なら、少しだけ会社で飲んで、雑談をしてから帰るのもいいんじゃないかと言っていましたよね。

  定時の18時に仕事が終わった人からお酒を解禁する、みたいなね。そうしたら、まわりも残業をやめたくなるかなと。今はまだお酒を置いていないのですが、いずれできたらと考えています。

―― そうしてユニオンテックが提案したデザインですが、プレゼンで見たときの印象はいかがでしたか?

  デザイン的には、きれいなものができあがりそうだなと感じました。でも、予算が大幅にオーバーしてしまったので、「予算を削ってほしい」とはお伝えして。かなり頑張っていただき、許容範囲内に収めていただきました。

里山 家具のランクを調整したり、既存のチェアを使わせていただいたりして押さえました。

  そのとき、面白いことがあったんです。今、ラウンジスペースのみ天井を抜かれているじゃないですか。この天井を抜くという作業にすごくコストがかかっていたんですが、このコストを絶対に削らなかったんですよ、ユニオンテックチームは。なぜそこまでして天井を…? と思ったのですが、結果的にはラウンジだけ雰囲気が変わって、あるのとないのとでは雲泥の差だったなと感じています。インパクトがすごいですよね?

里山 そう感じてもらえるだろうと思っていたので、絶対にやりたかったんです。エントランスを入ってすぐに目に入るラウンジは、BAMC associates様の第一印象になりますし、そこで解放感を出すことで従業員の皆さんの気持ちも明るくなる。なので、最後まで粘らせてもらいました。

  バーカウンターの側面にはタイルが貼ってあるんです。そこも、正直言うと壁紙でいいのでは? と思っていましたが、やはりタイルが正解ですよね。迫力があるし、オシャレ度が上がった気がします。施工工事のとき、左官さんが来て驚きましたけどね。お客様の反応もすごくいいですよ。部屋の配置の関係上、会議室に直行してしまうと、お客様が執務スペースを見ることはないのですが、「見ていきます?」といって案内すると、皆さん「おおっ!」と驚いてくださって、「今はこういうオフィスにしないとダメですね…」と、つぶやきながら帰られます。

里山 いい反応をいただけているんですね。うれしいです! 会議室からだと、エントランス以外にも執務室に行けるルートがあると思いますが、どちらから行っているのですか?

  あえて、エントランスから入ってもらいます。必ずではないですけどね。

里山 ありがたい…! あちらから見たほうがインパクトを感じてもらえるでしょうからね。

 

コミュニケーションが増え活気づいた執務スペース

―― ラウンジ以外の執務スペースは、どんな使い心地でしょうか? 実際に使われている新井さんに伺いたいです。

新井 とても良いです。以前は固定席で、ズラッとデスクが並んでいるだけのザ・事務所といった雰囲気だったのですが、今はフリーアドレスなので、「今日は黙々と作業したいから」と集中席を選ぶ日もあれば、気分を変えてラウンジのソファで働くこともあり、その日の業務内容や気分によって席を変えられるようになりました。あと、コミュニケーションも以前より増えた実感があります。

里山 よかったです。ちょっとした打ち合わせにラウンジを使うなど、以前よりは動きやすい空間になったと思います。それがオフィス内の活気にもつながっているんじゃないかなと。でも、固定席からフリーアドレスに変えようとすると、どうしても従業員の皆さんから反対意見が出るものなんです。そこは大丈夫でしたか?

  とくにありませんでしたよ。

新井 部署関係なく全員フリーアドレスにしていたら反発があったと思うのですが、固定席でないと仕事がしづらい管理チームの皆さんは固定席のままにしてくれたので、良かったんだと思います。

  みんな、最後にはデスクをきれいに拭いて帰っていますよ。あと、ペーパーレスに関しては、進んでいるけど、思ったよりは…という印象です。

新井 そうですね。前よりも書類の置き場所が減ったので、個々に紙を減らさないといけないという意識はあって、実際減っているんですが「ペーパーレス」と呼べるかと言うとそこまでではないです。とはいえ、改修を機にできた個人ロッカーにまとめる習慣が生まれるなど、ペーパーレス化計画が上手く回りはじめている実感はあります。

―― また、執務スペースに隣接しているセミナールームも今回改修しているとか。

  そうです。執務スペースと兼用にしたかったので、ユニオンテックさんが可動式の家具を置いてくれて。都度レイアウトを変えています。

新井 セミナーをするときはプロジェクターに向かって机と椅子を並べていますし、執務スペースにしたいときはもっと自由な配置に。あと、会議用のレイアウトにすることもあります。観葉植物でほどよく仕切ることができるのも使いやすいです。

  年がら年中変えていますよ。

里山 よかったです。先日伺ったときには、2回連続で同じレイアウトだったので、これで固定になってしまったかな? と思っていたんです。

新井 いえいえ。使っていますよ、すごく。

  今度、セミナールームで映画を上映したいなと目論んでいます。

―― 執務スペースの一角に、背の高いデスクとチェアが置かれていますが、使われていますか?

新井 管理職に人気です。背が高いから事務所全体を見渡せて、部下の位置も把握しやすいですし、目線の位置が普通のデスクよりも高いから話しかけやすいです。部下も部下で上司を見つけやすいのがいいみたいですね。ただやっぱり目立つので、若手が座りづらい席にもなっているのが現状です。

里山 なるほど…。あと、自然調光は使われていますか? 

  えっ、そんなものがあったんですね。気づいていませんでした。

里山 ラウンジに設置していて、時間経過とともに照明の明るさが変わっていくシステムで、窓から光が入らないオフィスには、良いかなと思い取り入れました。

新井 実は使っていないんです…。バーカウンターを当初予定していたような飲みの場にできたら使いたいんですけど。

里山 そうなんですね。18時になったら暖色系にかわるので、退社も促せると思います。機会があればぜひ。

新井 やってみますね!

里山 現状を伺えてよかったです。ちなみに、ラウンジにあるL字ソファのほうのテーブルが、「ちょっと低い」というお声も以前いただきました。ノートパソコンで作業をしづらいらしく…。そこは、後日変更する予定です。

 

―― さらに使いやすいオフィスになりそうですね。そうして、最初に仰っていた第一期の改修が終わり、第二期の改修となる休憩室の改修もユニオンテックと打ち合わせしていいただいているとか。

  はい。執務室と隣接している部屋ですね。

里山 今後、リフレッシュスペースに変更予定です。また声をかけていただけてありがたいです。

 

 

Photo=Yasuharu Hikawa Interview=Mayuge Matsumoto

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